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“解析できる企業文化”の作り方と実践 ソーシャル解析&KPI設定ノウハウ: セミナーレポート&社内提案に役立つ資料ダウンロード

10月19日に開催したアクセス解析スペシャルセミナーの充実の内容と特製資料のダウンロード
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Web担当者Forumでは、「“解析できる企業文化”の作り方と実践 ソーシャル解析&KPI設定ノウハウ」と題したアクセス解析スペシャルセミナーを、10月19日に東京で開催した(共催:NTTコミュニケーションズ株式会社、協力:アクセス解析イニシアチブ)。

当初は120名の定員で参加者を募ったところ、最終的には200名以上のWeb担当者が参加し、アクセス解析をビジネスに活用するための事例やノウハウを学んだ。

  • このセミナーのテーマに準じた、アクセス解析の社内提案に役立つ資料「アクセス解析、活用できていますか? ビジネス成果を上げる、成功するアクセス解析とは」をダウンロードできます:
    資料のダウンロードは終了しました

今回のセミナーは、次のようなテーマの元に企画されたもの。

アクセス解析ツールの提供する指標を見たり、アクセス状況レポートを作ったりするだけがアクセス解析ではない。

自社のビジネス目的やステークホルダーを理解したうえで、Web担当者だけがアクセス解析するのでなく、他部署の人たちをうまく巻き込み、解析データによって顧客を理解し、組織として進める仕事のなかにデータを活かしていくことで、アクセス解析がなかったときよりもビジネスが前に進むようになる。

次の3部構成で進行したセミナーの充実の内容を、セッションごとにレポートとしてお伝えする。

  • 「解析」を組織に根付かせ、施策に活かしていくための3つのポイント
    講師: 川崎 洋 氏(株式会社ベネッセコーポレーション)
  • ユーザ理解のための実践アクセス解析/ソーシャル解析
    講師: 森 祐二 氏(NTTコミュニケーションズ株式会社)
  • ~精度の高い行動データ解析がマーケティング投資を左右する~
    大局的KPIの設定と見ておくべき効果検証用指標

    講師: 上島 千鶴 氏(株式会社Nexal)

「解析」を組織に根付かせ、施策に活かしていくための3つのポイント
講師: 川崎 洋 氏(株式会社ベネッセコーポレーション)

延べ200人以上が参加したアクセス解析の社内研修

川崎氏はまずアクセス解析についてのよくある悩みとして次の3つを挙げ、それらを解消するための3つのポイントについて解説していった。

  • アクセス解析ツールを導入してみたもののなかなか組織に根付かない
  • 定例レポートを出してウォッチしているものの実際の施策へとなかなか活かせない
  • そもそも解析ツールの導入について上司を説得できない
川崎 洋 氏(株式会社ベネッセコーポレーション)

では、ベネッセではどのようにして組織に「解析」「データ活用」という文化を根付かせていったのだろうか。

1つ目のポイントは、「社内サポート体制の構築」

解析ツールについての社内サポート体制を充実させることが重要だと川崎氏は語る。ベネッセでは、アクセス解析ツールの利用に関するFAQ(よくある質問とその答)やノウハウ資料をイントラネット上で提供したうえで、問い合わせや設定作業を引き受けるサポート体制を業務委託で整えているという。「ある程度以上の規模の組織になると、社内サポート業務は兼業では回りません。金額はかかりますが、コストをかけてでもしっかりと行うことをお勧めします」と重要性を強調した。

2つ目のポイントは、「各部門の費用担当をゼロに」

社内にはさまざまな部門がありそれぞれの事業を行っているが、商品や部門によっては予算規模が小さく、アクセス解析にお金をかける余裕がない場合も多い。ベネッセでは解析に関わる費用をすべてネットマーケティング部で負担することによって、各事業部が予算を使わなくてもアクセス解析を行えるようにすることで、その障壁を取り去っている。

3つめのポイントは、「啓蒙・トレーニングのための研修の開催」

ベネッセは教育を事業とする企業らしく、社内研修やトレーニングの仕組みは充実しており、そのなかにはアクセス解析やWebの研修もある。当初はWeb関連の研修は関連会社に外注していたのだが、研修で取り扱われる事例が自社のものでないため、参加者があまり実感を得られず、研修としての効果が上がらなかった。そこで途中から研修の講師を社内のスタッフに切り替えたところ、説明される内容が参加者にとって身近に感じられるものになり、研修の効果が高まり、参加者が増えていったのだという。現在までに、延べ1500人、アクセス解析についても200人以上が参加したという。その結果、全社で630名がアクセス解析ツールを使うようになっているのだという。

印象ではなく数字を出すことで客観評価ができます。データドリブンな組織をつくるには地道な啓蒙活動が重要です」と、川崎氏は研修の重要性を繰り返した。

指標を目的から考えることなどを研修で説明

次に川崎氏は、ベネッセ社内の研修でアクセス解析に関してどのようなことを教えているのかを紹介していった。

まずは指標の考え方。「とりあえずPV」ではなく「企画目的」から必要とする指標を決めていくことを、KPIシートを書いてもらうことなどによって教えていく。「たとえば見込客を大量に集客したい場合なら、見なければいけない数字は訪問者数ですし、通信講座に入会してもらいたいなら入会数、資料請求でリストを収集したいなら新規獲得リスト数です。最終的な目標をどこに置くかによって評価や投資の判断が変わってくるのです」と、的確なKPI設定の大切さを説く。

また、次のような基本的な数字の扱い方についても徹底的に研修を行う。

  • 瑣末な数字ではなく「大きな塊の数字」から見ていく
  • 特徴のあるところを見る
  • 仮説を設定して見る
  • 割合と実数の両方で見る
  • 誤差検定を行う

そのうえで、研修者が担当する個々のサイト構造にあわせて目的を設定する分析マップを各自作成することによって、現状認識と問題点の発見を促すという流れだ。

最後に、アクセス解析を活用して効果をあげた実例について紹介を行った。自社ポータルサイトからレコメンドや販促メールなどにより自社通販サイトへ送客を行うも、購買数が伸び悩んでいた事例だ。

まずは問題の全体構造、分析の切り口をとらえることが重要です。いきなりアクセス解析ツールを使うのではなく、ユーザーの観察調査から始めました」と川崎氏は語る。この事例でも、実際に家族や知人に依頼して購買活動を行ってもらうことによって、

  • 競合との比較などを行うため、購買が一回の訪問では完結しない
  • 再訪問時にカートの中身がリセットされてしまうため、購入しようとした商品を見つけられない
  • ログインIDを入れる場所がわからない

などの問題点が浮かび上がったのだという。

けれどもこの段階ではまだ定性情報による仮説に過ぎません、ここでアクセス解析ツールを使うことによって数値で定量的に根拠付けられたボトルネックを見つけることができるのです」と、定性/定量情報を組み合わせることではじめて説得力が出ると指摘した。また、それでも納得しない関係者に対しては、実際に観察調査の現場に足を運んでもらい、つまずいているお客様の姿を見せて納得してもらったという。

数字はあくまで気付きを与えてくれるきっかけにすぎませんが、アクセス解析ツールはそのお客様の真実に迫る重要なツールです。アクセス解析ツールを使わないのはお客様を見ないと同じ、答えは常にお客様の中にあるのです

そうしたまとめで川崎氏はセッションを終えた。

ユーザ理解のための実践アクセス解析/ソーシャル解析
講師: 森 祐二 氏(NTTコミュニケーションズ株式会社)

森 祐二 氏(NTTコミュニケーションズ株式会社)

森氏はまず、「今後2年間に、先進企業の30%がソーシャルCRMを活用するようになるだろう」という2011年3月のガートナー社による分析を紹介したうえで、これからソーシャルメディアに取り組もうとしている企業に対して「Facebookにするか、それともTwitterにするか。そういったツール選びが目的になってしまっていないか」と問いかけ、「重要なのはツールではなくその先にいる自社の顧客。どんなお客様とどのようにつながりたいかを最初に共有するべき」だと主張した。

さらに、NTTコミュニケーションズで行ったユーザーの行動調査資料から、ソーシャルメディアに関する企業と顧客の意識のズレを示した。企業はソーシャルメディアに対してブランディングやプロモーションといった活用を考えがちだが、実際には、顧客が企業との関係のなかでソーシャルメディアを利用するのはクレーム対応やサポートといった目的が多いことを指摘し、「ソーシャルメディアの活用は、新たに顧客を集めることよりも、まずはいったん接触を持った人たちとのつながりから始めるのがいいのではないか?」と提言した。

続けて森氏は、企業のソーシャルメディア対応方法を、次の3つのプロセスに分割して説明していった。

  1. 現状把握
  2. 戦略立案
  3. 運用の仕組み作り

最初に行うのは「現状把握」。自社の顧客が、どこで、何を、どのくらい語っているのかを掴むことだ。森氏はNTTコミュニケーションズが提供するソーシャルメディア効果測定ツール「Buzz Finder」の紹介を交えながら、ビジネス目的と顧客のニーズが一致するポイントを探り、ソーシャルメディアの使いどころを探るコツを語った。

次に。「認知」「流入」「CV誘導」「継続的接触」といった企業がソーシャルメディアに求める目的ごとに、ソーシャルメディアを使ってユーザーにどのように関与していくのかを考える「戦略立案」。ユーザーの企業に対する関与の度合いに応じ、それぞれに適合した施策を考えるのが重要とのことだ。

最後に行うのが、何を成果指標として、どんなしくみ(体制・ツール)で運用するのかを決める「運用の仕組み作り」

森氏は、成果指標の設定と評価の方法の例を、ソーシャル効果測定ツール「Buzz Finder」やアクセス解析ツール「Visionalist」を使って分析していくスタイルで解説。ソーシャルメディアを経てサイトを訪問したユーザーの行動を分析する例や、サイト内のユーザー行動や会員データベースと連携したデータ分析で有料顧客を分析する例を挙げて説明していった。

ソーシャルメディアを利用した施策に対してユーザーがどう反応してどう行動したかを分析するやり方
ソーシャルメディア施策を起点としてユーザーが購買に至るまでの行動を分析するやり方

森氏は最後に、現状把握から検証までのプロセスをワンストップで提供するNTTコミュニケーションズのソーシャルメディア活用ソリューションを紹介し、セッションを終えた。

~精度の高い行動データ解析がマーケティング投資を左右する~
大局的KPIの設定と見ておくべき効果検証用指標
講師: 上島 千鶴 氏(株式会社Nexal)

アクセス解析には目的設定が重要

上島 千鶴 氏(株式会社Nexal)

上島氏はまず、現状のアクセス解析の問題点を指摘。

  • Web以外にもテレコミュニケーションや対面営業など、顧客とのコミュニケーションチャンネルが複雑化している。
  • 自社サイト(オウンドメディア)、広告メディア(ペイドメディア)、ソーシャルメディアなど、メディアのクロス化が進んでいる。
  • 社内に存在するデータも多様化している。

といったことを背景に「どの指標でWebを評価するか」がわからなくなってきているとしたうえで、「従来のようなアクセス解析だけでは自社メディアの評価はできない」と断言した。

ただし、自社メディアに対する顧客の接触状況は行動データから読み取れることから、「セッション分析」ではなく「顧客行動(接触)分析」を行い、個人の属性単位で行動を追うことによって機会損失を防ぐことが重要だと指摘。そのためには、サイトの目的と達成すべき目標を設定し、どのデータをモニタリングするかを考えることが必要だと強調した。

事実、矢野経済研究所が行った調査によると、Webサイトで十分に成果を上げていると答えた企業の多くは明確な目的を設定しており、多くは自社の専業部署でアクセス解析を実施しているという。

見るべき指標は立場によっても異なる

次に上島氏はアクセス解析ツールで取得できる指標について解説。上島氏の調査によるとアクセス解析ツールの指標は600種類を越えるという。そうした数字をすべて見る必要はなく、必要なタイミングで必要とする指標を見極めるべきだということだ。

上島氏はエリック・ピーターソン氏による書籍『KPI大全』(日本語版がWeb担当者Forumサイトに掲載)から抜粋し、指標を次の3つに分類し、それぞれ代表的なものを示した。

  • 平均指標 (1訪問あたり平均ページビュー、1訪問当たり平均収入など)
  • パーセント指標 (新規訪問者率、リピート訪問者率など)
  • レート・比率 (注文コンバージョン率、リピート訪問者比、カート投入率など)

さらに、Webサイトをタイプで4種類に分類。「オンラインショップ」「コンテンツサイト」「マーケティング(リードジェネレーション)」「サポートサイト」それぞれのタイプのサイトでよく利用する指標をそれぞれ経営者向け、中間管理職向け、実務担当者向けの3パターンずつ例示。「誰に見せるためのレポートなのかによっても、使用するべき指標は違います」と語った。

また、『KPI大全』に掲載されている指標とは別に、Twitter、Facebook、YouTube、Ustreamといったソーシャルメディア解析用の指標も紹介した。

次は目的に沿ったKPIの探し方だが、目的を因数分解することによってKPIの優先順位を考えることができるという。具体的には、次のような順番になる。

  1. サイトの目的を日本語で明文化して設定
  2. 目的の要因を因数分解し、中間目的やゴールを整理
  3. 評価指標の優先順位を決定
  4. WebサイトKPIの閾値(基準)や目標値を決定

そのうえで上島氏は、次のようなことを留意するようにと提言した。

  • 事業全体の視点からサイトの目的をシンプルに考え、あとからドリルダウン式(因数分解)で設定する。

  • 目的の因数分解(中間目的やゴール)に悩んだら、どうやって(How)を繰り返して考える。目的の明文化に悩んだら、なぜ(Why)を繰り返して考える。

  • ゴールは組織の責任範囲、自社サイトの役割、マーケット獲得規模、期間内の目標によって変わる。

また、「最終的に決定した指標は、予算と受注金額に紐付けられるかが重要であり、さらに、結果がすべて四則演算方式で繋がることが原則」だとしたうえで、コストまで把握できるとベストとだと解説。

その後、コマース型、誘導型、リード獲得型の3つのサイト分類を例にあげ、それぞれKPIとして見るべき指標をあげた。

最後に上島氏は、次の3つの実用的なアドバイスを付け加え、密度の濃いセッションが終了した。

目的とゴールを整理しない限りKPIとは言えない。
目的に紐付かない数字は単なる指標です。

売上目標から逆計算し、それぞれのKPIに目標値を設定しましょう。

実務担当者が見る指標の変化について、
どのような施策を行った結果なのか履歴を残しておきましょう。

◇◇◇
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