インタビュー

マルチチャンネルでの顧客との対話を実現するプラットフォーム

マルチチャンネルでの顧客との対話を実現するプラットフォーム

編集部● CMS(コンテンツ管理システム)にマーケティングコミュニケーションやCRMを統合したプラットフォームということでしょうか。

サイファート● 我々の製品によって、デジタルチャネルでの顧客との対話が可能になり、さらに、それをCRMシステムと連携する統合レイヤも用意しています。多くの企業ですでにCRMを導入していますし、大企業では複数の顧客データベースをお持ちです。我々の製品は、複数の顧客データベースと連携できるようになっています。

編集部● 実際に利用するのは、主にウェブの編集者でしょうか。

サイファート● もともとはそうですが、昨今ではマーケティング担当の方や販売担当の方が利用する場合もあります。

編集部● サイトコアを上手く使っている事例を教えてください。

サイファート● YouSeeの例がよいでしょう。デンマークのケーブルテレビ会社で、放送・通信・電話のトリプルプレイプロバイダーですが、YouSeeではサイトコアを使って複数のデジタルチャネルを連携し、顧客データベースとも統合しています。ウェブ公開やメール配信などもサイトコアのプラットフォームを利用して行っています。Webサイトでは、各ユーザーをIPアドレスで識別してウェブコンテンツをパーソナライズしています。メールでも、各ユーザーがどのサービスを購入したかというデータベースの情報から、最も関連性の高い情報でパーソナライズしたメールを配信しています。

編集部● メール配信、ターゲティング、分析など、それぞれに特化した専門のツールはいろいろとあります。これらを利用する形で連携するのではなく、コンテンツ管理製品にそれらの機能を統合したのはなぜですか。

サイファート● この新しいプラットフォームへの取り組みは、2006年から始まりました。この時、さまざまな製品を適切に連携させるのは技術的に難しいだろうし、たとえ表面上は連携できたとしても、それによってそれぞれのツールの機能を十分に使い切れないのではないかという懸念がありました。だから、他のツールと連携する路ではなく、機能を統合する方法を選んだのです。

といっても、我々は排他的であろうとは思っていません。サイトコアのなかに各種のマーケティング機能をもたせていますが、今は既存の他社ツールと連携して利用することもできるようになっています。YouSeeはそういう意味でもよい例で、アクセス解析には主にSiteCatalystを使い、サイトコアのマーケティング機能と連携して利用しています。他にもWebtrendsやグーグルの解析ツール、メールシステムなどと連携しているお客様がいます。

マルチデバイス対応でスマートフォン向けも

編集部● 日本ではスマートフォン対応が一番ホットな話題ですが、そうしたニーズにサイトコアはどう対応していますか。

サイファート● スマートフォンを含めたマルチデバイス対応も、サイトコアプラットフォームの強みです。そもそも出自がコンテンツ管理システムですからね。1つのコンテンツを制作するだけで、それを複数のデバイス向けに最適化して出力できます。スマートフォン対応だけでなく、iモード向けのCHTMLやXMLなど、テンプレートを作り込めばワンソースマルチユースでさまざまな表示が可能ですし、PDF出力も可能です。

もちろん、前述のパーソナライゼーションやA/Bテストの機能は、スマートフォン向けサイトでも可能です。サイトコアにとっては、どのデバイスで見られているかは問題ではありませんから。

片山 雅之 氏
サイトコア株式会社
代表取締役社長

片山 雅之 氏(以下「片山」と表記)● どのようなサイズでどのような配置でというような定義をしておけば、1つのコンテンツを複数のデバイスに適したサイズや見せ方に自動的に加工して配信できます。スマートフォン対応だけでなく、iPadやAndroid端末向けアプリの配信に利用している事例もありますし、マルチチャネル対応ということで日本の高機能携帯(ガラケー)向けや、さらにはウェブTVやデジタルサイネージ向けの出力にも対応しています。また、スマートフォンアプリ開発用キットの提供も予定しています。

スマートフォン対応といっても、スマホ向け表示はPC向けとは別のURLで表示する場合もあります。しかしサイトコアでは、アクセスしてきたデバイスの種類に応じて自動的に表示を変えられますので、PC向けでもスマホ向けでも同じURLでコンテンツを提供できます。これによって、SEOの効果も期待できます。

編集部● サイトコアで作ったサイトをスマートフォン対応にしようというとき、手間とコストはどのくらい削減できるか分かるような数字はありますか。

片山● 数万アイテムあるようなサイトで、レイアウトを何パターンか作ってスマートフォン向けサイトに対応する作業を2日で完了したという例があります。たとえばスマートフォン対応の作業のなかで、画像をPC向けよりも小さくする必要があります。通常のコンテンツ管理では、縮小した画像を別に作ってどこかに保存しておかなければいけませんが、サイトコアは1枚の画像を用意しておいて、表示する際に自動的にリサイズできます。もちろん、テストなどをしなければなりませんから、どんなサイトでも2日ですべてが完了するというわけではありませんが、作業時間はかなり削減できるでしょう。

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