ad:tech tokyo特集
広告テクノロジーは「アホマーケター量産装置」? マーケの本質は“売れる”環境づくりの知恵やノウハウにあり

マーケターが見据えるべき本筋を、「レスポンスの魔術師」売れるネット広告社の加藤公一レオ氏が語る。
加藤公一レオ(売れるネット広告社) 2011/10/13(木) 10:00 tweet231このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用

ad:tech tokyo特集

「●●時代のマーケティング!」「もう昔の広告手法は通じない!」といった煽りが絶えないが、マーケティングの本質はやはり「売れる」環境づくりを創ることにある。費用対効果から逃げずに、マーケターが見据えるべき本筋を、「レスポンスの魔術師」売れるネット広告社の加藤公一レオ氏が語る。

「●●時代のマーケティング」という言葉はバズワードに過ぎない

マーケティングの世界において、今後ほとんどのメディアがデジタルになり、マーケティングそのものがデジタルマーケティングになっていくのは、時間の問題である。

ただし、「●●時代のマーケティング!」「もう昔の広告手法は通じない!」などと煽る人が多いデジタルマーケティング業界に、私は個人的に違和感がある。

よく見るのは、

「次世代のマーケティングはコレだ!」とそれっぽいキーワードをブチ上げる

業界のみんなでそのキーワードを盛り上げる

そのキーワードを解説する企業や評論化やコンサルが儲ける

でもその施策のほとんどは効果がでず、金を投資して損をするのは広告主

……というサイクルの繰り返しである。半分は業界の思惑(笑)。

世の中のあらゆる業界が“マイナーチェンジ”で進化しているのに、マーケティング業界だけは“フルモデルチェンジ=すばらしい事”とされ、みんながみんな“新しさ”だけを追求している。“バズワード”もどんどん出てくる。目新しさを強調した横文字の言い回しやテクノロジーや理論もどんどん登場し、それだけで何やら新しい物のようにみんな思ってしまう。この業界の悪い癖だ。

デジタルマーケティングは、決して特殊なものではない。

実際のところ、マーケティングの“本質”はこの10年間変わっていないし、今後10年もそこまで変わらないと思う。デジタル時代になったからといって、人間の本質が変わるわけではないし、この変わらない人間のインサイトを見抜くことができるマーケターが勝っていくのである。

また、最近はマーケティング/広告そのものが注目されたりするが、「おもしろくて話題になったマーケティング/広告」と「商品が売れたマーケティング/広告」はまったく別物である。本来、マーケティング/広告とは“仲人”である。その仲人がお見合いの席で自分自身を売り込むのは本末転倒だと私は思う。結婚すべきは商品と消費者なのである。

だから声高に「●●時代のマーケティング!」を叫ぶ人間は、目先の変化で目眩ましをかけているだけである。

テクノロジーは道具であって、ソリューションではない

今後テクノロジーがどんどん進化していくと、デジタルマーケティングの効果をより高められるようになっていくだろう。これからのマーケターはテクノロジーを絶対に使いこなすべきだ。私も自分のクライアントに最新テクノロジーを日々どんどん導入している。

ただし、テクノロジーの進化による便利さを履き違えると、デジタル時代のマーケティングは“怠惰”の方向に向かってしまうので注意が必要である。

テクノロジーあくまでも“手段”であり、それ自身が“目的”になってはいけない。絶対に。

テクノロジーとは、マーケティングにおけるソリューションとして存在するのではなく、マーケターを単純作業から解放するためにある。単純作業を減らすことで、プランニングなどの知的生産についやす時間を増やすことを可能とさせ、人間が生み出す付加価値をより高めるためにある。

つまりは、どんなにテクノロジーが進化しても“人間”が商品や消費者をしっかりと見極め、売るための企画を徹底的に「考え/実践/検証」する必要がある。自動クリエイティブ生成ツールや自動最適化ツールなどが出てきたとはいえ、それだけに頼っていたら、テクノロジーは「アホマーケター量産装置」になることもある。

欧米に比べて、日本が進んでいるのはモバイルだけではない。洗練された消費者を相手にしている日本のクリエイティブも、半永久的にお客様とリレーションを取り続ける日本の単品通販のCRMモデルも、非常に進んでいる。テクノロジーにより効率化された分だけ、人間しかできないプラニングをすることにデジタルマーケティングは原点回帰しないといけない。

バズワードやテクノロジーに踊らされない、人間心理・感情の原理原則を考え抜いたプランニングをするという「基本」に立ち返ったマーケィングこそが、デジタル時代を勝ち抜くうえでの重要なカギとなるのである。

マーケティングの本質はやはり「売れる」環境づくりを創ることである

どんな時代になってもマーケティングの本質は“売ること”である。

実はデジタルマーケティングにおいて、その売るためのヒントは意外なことに、過去のアナログマーケティングとりわけ「ダイレクトマーケティング」にある。

たかが十数年の歴史しかないネットに比べて、ダイレクトマーケティングには100年の歴史があり、そこには先人が命がけで貯めてきた貴重な知恵やノウハウがある。

だからデジタルマーケテターは、次世代マーケティング論を研究するよりも、ダイレクトマーケティング論を研究するべきである。

テクノロジーによって消費者と近づきやすくなった時代に、先人たちがやっていた知恵やノウハウを再発見して再度活かすことが重要だ。日々どんどん新しいメディアが生まれてくるが、必ずしもそこで行うことが常に新しくある必要はなく、先人たちの成功と失敗、つまりは過去からの学ぶことによってデジタルマーケティングはより強くなっていくのだ。

私はあらゆる通販広告主のネット事業を大成功させてきたことで知られているが、正直なところ、私のノウハウは私がゼロから考えた手法ではない。ネットが登場する100年の前から偉大な先人ダイレクトマーケターの知恵やノウハウを、ネットという世界に適用(逆輸入)させてきただけである。まるで商社マンのようなことをやってきただけである。

今後も新しいデジタルメディアがどんどん出てくるだろうが、ダイレクトマーケティングの知恵やノウハウさえ理解しておけば、この先どんな新しいメディアが出てきても対応できるのだ。

先の見えない不況の中で、広告主のデジタルマーケティングに対する費用対効果(ROI)の意識はどんどん高まり「売りに直結するマーケティング」を求めてくるだろう。実際に大手ナショナルクライアントの中にもダイレクトマーケティングに力を入れ始めた企業もたくさん出ている。

デジタル時代だからこそ、話題性を狙う“自己満足的”なマーケティングよりも、“結果”を出す売れる環境づくりのマーケティングが重要になってくるだろう。

デジタルだからこそ広告業界はより費用対効果の意識を持つべき

実は広告業界の広告マンの多くは、広告の仕事を“販売業”だとは考えていない。

トラディッショナルな広告マンの多くは、広告はカルチャーであり、コミュニケーションであり、アートであり、エンターテイメントだと思っていたりするが、ただひとつ“広告は商品を売ってなんぼ”という最も基本的な事実だけは、どうしても認められないし、そもそもデジタルマーケティングへの意欲が低い。逆にネット広告マンの多くは、広告は“ネットはたかが道具であり、ソリューションではない”という最も基本的な事実だけは、どうしても認められないし、そもそもメディアの枠売りで終わってしまっている。

なので、まさかと思われるかもしれないが、広告マンの多くは広告主の売上や費用対効果(ROI)をまったく考えたことがない。むしろできることなら費用対効果(ROI)から“逃げたい”というのが本音だったりする。しかし、デジタルマーケティングにおいては、そうはいかない。意識を変えないといけないのだ。

費用対効果の見えない広告は、効きめのない薬と同じ。服用した安心感はあっても、何も改善しない。

いずれにしても費用対効果の“意識”とダイレクトマーケティングの“知識”とデジタルテクノロジーの“道具”をベースに、広告マンはクライアントへ媒体を売り込むセールスマンではなく、クライアントに投資してもらう証券会社のファンドマネージャーのような存在になるべきだ。投資をどう運用していったら費用対効果(ROI)を最大化できるかを、徹底的に考えて実行するべきだ。単純にエクセル表でメディアプランを作って媒体を売ることは“バカ”にでもできる。

誤解を恐れずに言うと、私は別に無理して「広告業界」を盛り上げたいとは思っていない。そうではなく、命がけで広告にお金を投資している広告主を徹底的に儲けさせて、「広告主業界(?!)」を盛り上げたいと思っているのだ。日本のビジネス社会で一番偉いのは、メーカーを中心とした広告主であり、「ものづくり」なのだ。日本ではエリートと言われている広告会社もコンサルも商社も銀行もIT企業も、結局はメーカー様をサポートする“仲介業”にすぎない。広告主という存在がいるからこそ、我々のような広告/マーケター屋は食っていけるのだ。

広告マン自身のためにも、これは重要な意識だ。広告マン(特に若手)は、クライアントの「広告費をもらいにいく」のではなく、一度だけでいいから小さいクライアントを大きく成長させて「自分で自分の広告費を作る」ことをしてみるべきだ。1000万円しか使えなかったアカウントが20億円に化けるような「成功体験」が、今後の広告マン人生を大きく変えるのだから。

ad:tech tokyo 2011のダイレクトマーケティングセッションの目的は
ズバリ“売れる”知恵やノウハウを伝授すること

今年から、ad:tech tokyoにダイレクトマーケティングのセッションが新設された。

「デジタルマーケティングの世界におけるダイレクトマーティングとは?」に対して、皆さんはどのようなイメージを持っているのだろうか?

まず、ほとんどの人が頭の中に思い描くのは、リスティング広告やアフィリエイトを中心として「CPC」「CPA」「CPO」など横文字が並び、システムを利用して数字を細かく管理していくようなイメージではないだろうか?

ただし実際のダイレクトマーケティングの本質は、広告での初回受注はきっかけであって、その後のリピートやクロスセルで利益を出すビジネスモデルである。

昨年度から各社盛んに動いているDSPなどといったサービスも、今後はダイレクトマーケティング分野にとっては1つ大きな転換期になるかもしれない。

次に思い浮かぶのは、ソーシャルコマースのような新しいネット上のマーケットになるのではないだろうか? 今流行のFacebookやTwitterのような、ソーシャルメディアを使ってコミュニケーションを取らせて、購入へ誘導させる仕組みだ。確かに期待感は高いし、これからは理解しておくべき仕組みかもしれない。

と柄にもなく最近の事情に関して記載をしてみたが、私にとって“ダイレクトマーケティング”とは、広告主のために“売れる環境づくり”をすることである。

デジタルマーケティング業界というのは“話題偏重”、“技術偏重”になりやすい傾向にあるが、間違ってはいけない。今回私はad:tech tokyo 2011にスピーカーとして参加するなかで“ダイレクトマーケティング”の本質から見た“デジタルマーケティング”というような視点でセッションしてみたいと思っている。

そこにあるのは、華やかでカッコイイマーティング論ではない。「ネットを通じていかにものを売るべきか?」という問いかけだけだ。

ダイレクトマーケティングの知識と実行力をベースに、世界最大級のカンファレンスであるad:tech tokyoで学べるテクノロジーを掛け合わせることで、デジタルマーケティングは劇的に飛躍する!!!

ad:tech tokyo 2011の会場で皆様にお会いできることを、非常に楽しみにしている。

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