企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場

メルマガの執筆経験を活かしたツイートネタの目利き力

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メルマガの執筆経験を活かしたツイートネタの目利き力

過去に行ったTwitter上でのタイムセールでは、期待していたほどの効果を得られなかったと話してくれた月岡氏だが、@KNT_jpでは、現在もタイムセールを実施している。なぜだろうか。

売上への貢献度は微妙ですが、だれが見てもこれは安いと思う商品はリツイートされるんです。たとえば、『関西の有名ホテルが1泊2,000円』といった商品はTwitterとの親和性が高いんです。今までは、そこまで売上に寄与しないというのと、メルマガで紹介するには数に限りがあるので力を入れていなかったんですけど、『KNTにもこんなに安いツアーがあるんだ』ということがTwitterを通して世の中に広がっていくことは、(長期的な)販促の手段としては良いと思います。大手旅行会社は料金が高いというイメージが少なからずあると思うのですが、そんなこともないということを、まだお客様になっていただいていない方々にも伝えられることはTwitterの魅力です

セール情報の告知ツイートでは随分と文章にこだわりを持っているように感じた。ツイートの内容で工夫している点はあるのだろうか。

私自身、メルマガを十何年書いていることもあって文章にはこだわりがありますね。文章は短くすれば短くするほど伝わりやすいと思っていて、もっとも文章を短くした時が一番伝わると思っています。もちろん、文章を短くするときに意味が伝わらないように短縮してしまってはダメですけど、丁寧に説明しようと思ってダラダラと長く書いてしまうと、伝わるものも伝わらなくなってしまう。とにかく限界まで文字数を削りますので、同じ文字数でも普通のツイートと比べれば、情報量は多いと思いますね。また、Twitterはモバイルからのアクセスが多いということもあって、URLをツイートするときには携帯サイトのURLも併記してツイートするようにしています

ツイートのもとネタとなる商品や企画はどのような形で選定しているのだろうか。

社内的なルールとして、新しい商品や更新された商品は社内のメーリングリストに発信されるようになっています。そのメーリングリストを見ていれば、商品はいくつも出てくるので、それをパラパラと見ていて、これはと思ったものを抜き出してツイートのネタにします。このツイートのネタのピックアップについても、商品を眺めているときにリツイートされる匂いがするというか、『いいね!』と思ってもらえそうな商品を見つけることは、実際に店舗で対面販売した経験のないスタッフには難しいと思います

ブログは横断的に情報を伝えるために活用

KNTではTwitter以外のソーシャルメディアとして、ブログも積極的に活用している。Twitterとの使い分けはどのように行っているのだろうか。

ブログは、すでにある商品を噛み砕いて伝えるというものと、複数の商品をまとめて紹介するという2つのコンセプトがあります。今のウェブサイトでは、複数の商品を横断的に組み合わせて伝える場所がないので、お店ではご案内できるはずのお得なパック商品をお見せすることができません。そこで、ウェブサイト上のツアーをさらにお得に利用する方法をブログで案内するようにしています。おかげさまで、ブログ単体でも成約に結びついていまして、今年度は2億ぐらいの売上を見込んでいます

社内でのTwitter活用を牽引し、リアルでの営業経験を活かしながらTwitterでコミュニケーション続けてきた月岡氏に、今後のソーシャルメディア対応に対する考えを伺った。

Twitterは、マンパワーさえあれば顧客サポートなどにも使いたいと思っています。メールでもいいんですけどTwitterのほうがユーザーの方も手軽に利用できますからね。ただ、それをやるとなると一定時間だれかが張りつかないといけなくなるので、なかなかそこまでは進んでいかないかもしれません。Facebookについては、まだ社内的にお墨付きをもらったわけではないのですが、実験的に運営しています。Facebookはまだ一般の方には浸透していない印象なので、もう少し一般の主婦の方などが使われるようになると、マーケティングにつながるかもしれないと感じています。

あと、お得意様の先行受付とかを強化しようと思っています。今までは、特定のお客様をひいきするのはあまりよくないという風潮でしたが、最近はちょっと変わってきていて、こちらを見てくださっている人や、つながりのある人に向けて優遇をしてあげるようなことをしたいと思っています。それが、Twitter限定という形できるのか、ということを少し考えています

◇◇◇

実店舗でのスタッフ経験を活かした顧客サポートと企業ブログの執筆経験を活かした販促活動。月岡氏のこれまでの勤務経験から得られた2つのスキルをTwitter運営に活用することで@KNT_jpは、ユーザーとの信頼関係を築き、成果を得ることができたのかもしれない。

企業の現場では、若い社員や専門会社にTwitter運営を任せているケースも多いようだが、月岡氏のような実店舗の店長を任せられるような実力と経験を兼ね備えたベテラン社員こそ、Twitter運営担当者の理想像なのかもしれない。同社のソーシャルメディア活用の取り組みに今後も注目していきたい。

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