編集長ブログ―安田英久
ゲーミフィケーション(ゲーム化)は今後のWebコミュニケーションに重要かも

「ゲームがユーザーを惹き付ける要因」をサイトなどに利用

今日は、「ゲーミフィケーション」という言葉・概念を紹介します。私もまだよく理解しきっていないのですが、今後のWebサイトやWebサービスではかなり重要度が高いのではないかと感じてるものです。

ゲーミフィケーション(ゲーム化)」とは、ゲーム(そう、ファミコンやプレステのようなゲーム)がユーザーを惹き付ける要因となっている要素・仕組み・仕掛けを、ゲーム以外のもの(WebサイトやWebサービス、購買行動など)に組み込んで、ユーザーにロイヤルティを高めてもらう仕組み。

ゲーム化といっても、Webサイト全体をゲームにしたり、魔王を倒さないとサイトのコンテンツを見られなくしたりすることではないのです。

「ゲームがユーザーを惹き付ける要因」といってもわかりづらいですが、そのあたりを「なぜゲーミフィケーションは効果的なのか?」で久保田氏が解説してくれているものを以下に紹介します(Mashableの英語記事をもとに日本人むけに解説したもの)。

ゲーミフィケーションの手法例
  • 達成の度合いによってゲットできるバッジ、またはレベル
  • 現時点の競争相手の名前とスコアをリアルタイムに掲示するリーダーボード
  • グラフィカルなインターフェイスでタスクの進行具合を伝えるプログレスバー
  • バーチャルグッズの購入等に使う仮想通貨
  • 報酬、クーポン、交換、ギフト、ポイント交換などのシステム
  • ユーザー間の課題
  • アクティビティの間にミニゲームを挟む

ゲーミフィケーション自体に関してさらに知りたい人は、記事末に参考リンクを示しておきますのでそちらをご覧ください。

要は、フォースクエアのバッジやメイヤー制度のようなものですね。こうした仕組みを、ふつうのWebサイトに組み込んだりマーケティングキャンペーンに組み込んだりする動きが増えてきているのです。

最近、自分が触れておもしろいと思ったものに、リーダーボード(順位ランキング表)を、サイトのユーザー全体でではなく、各ユーザーのFacebookなどでの友だちのなかで付けるというものがありました。これもよく考えてみるとゲーミフィケーションですね。

たとえば、あるフォーラムでの投稿回数ランキングがあったとします。全体ランキングを見ても、上位には24時間パソコンの前にいるんじゃないかという、自分とは桁が違う投稿回数の人が並んでいるため、どうがんばっても上位に入れる気がしません。でも、Facebookのソーシャルグラフを利用した「あなたの友だちとのなかでの順位」を示されると、さほど桁違いの人はおらず、意外な知人が自分より少し上で「もうちょっとやってみるか」と思ってしまうようになっていました。

といってもゲーミフィケーションは非常に新しいものというわけではなく、同様なものは以前からネットにはありました。たとえば掲示板やフォーラム、Q&Aサイトなどでは、各ユーザーの投稿回数や回答回数、さらには「良い回答」をした回数などが表示されていて、よく回答を付ける人はそのフォーラム内でのランクが上がるようなサイトは多くありました。レビューサイトやECサイトでも、多くレビューを付けている人や「良いレビュー」を付けた回数の多いユーザーは「トップレビューアー」として特別なアイコンが表示されたりしていましたよね。

ネット以外にも、スタンプラリー的なものや商品コレクション的なものは、コンプリート欲を刺激するやり方として昔から行われていますよね。

私もゲーミフィケーションにまだそんなに詳しいわけではないのですが、最近こうしたトピックを目にすることが増え、「たしかに重要度が高まっていくだろうな」と感じています。その理由は2つあります。

1つは、「ソーシャルメディアで大切なのは共有よりも共感だと思う」の記事でも示したように、コミュニケーションにおいて論理的な(左脳的な)ものだけでなく、感覚・感情を刺激する右脳的なものの重要性が高まってきていること。ゲーミフィケーションは決して論理的なものではなく、「なんとなく」や久保田氏もブログで言うように行動経済学的な不合理性に呼応するものです。

もう1つは、消費行動モデルのAIDMAやAISASの先として「SIPS」が提唱されたことに見られるように、「アテンションをとる」ことが難しく、かつそれだけでは意味を成さなくなってきていることです。情報過多のこの時代、ユーザーは瞬間的・表層的にしか情報に触れないため、ちょっとアテンションをとってもすぐに離れていってしまいますし、新しい情報に上書きされてすぐに印象が薄くなってしまいます。だから、コミット度合いを「もう一歩」進めてもらうための手法としたゲーミフィケーションが有効なのでしょう。

もちろん、あらゆるサイトやサービスでゲーミフィケーションが進められてしまうと、面倒でうっとうしくなってしまいますが、「真面目な情報提供」「メッセージを伝える」「(よくわからないけど)インタラクティブに」ではなく、勘所を押さえてゲーミフィケーションの手法を導入できるといいですね。ただ、こればかりは社内だけでなく、企画のうまいコミュニケーションプランナーさんにうまく入ってもらわないと陳腐なものになってしまいそうですが。

ゲーミフィケーション関連の参考リンク

・進化するゲーミフィケーション(久保田氏のブログ)
http://hiromikubota.tumblr.com/post/4605138812/the-gamification-evolution

・なぜゲーミフィケーションは効果的なのか?(久保田氏のブログ)
http://hiromikubota.tumblr.com/post/7921791774/why-gamification-works

・ゲーミフィケーションに関するリソース集
http://seriousgames.jp/2010/12/post-113.html

・ゲーミフィケーションが顧客との関係構築の鍵を握る時代が来た(SEO Japan)
http://www.seojapan.com/blog/gamification-for-your-customers

・"ゲーミフィケーション"は万能なのか?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/10503

・gamification.jp(国内事例を集めているサイト)
http://gamification.jp/

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