売れるネットショップ開業・運営

将来の「あるべき品揃え」を考える | 売れるネットショップの法則60

ネットショップは成長しつつ品揃えを増やす
売れるネットショップ開業・運営eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
※この記事は、書籍 『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』 の内容の一部を、Web担の読者向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。
この記事は第3章「店舗コンセプトを生かした接客の法則」のトピック「品揃えを増やす」の記事です。重要度★★☆緊急度★☆☆

ネットショップは成長しつつ品揃えを増やす

無計画な商品数アップは危険

法則55でも解説したとおり、無計画な商品数アップは店のコンセプトを崩し、小さいながらもブランド力があった専門店を平凡な店にしてしまう危険がある。

多くの場合、ネットショップは成長するにつれて取扱商品が増えるものだ。同時に購入客や継続客も増えて、相乗効果で売上が伸びていくケースが多い。そして、あるときから「うちは今後、どんな商品構成を目指すべきだろうか」と悩み始めるのである。これは、店のコンセプトやオペレーションやブランドイメージだけでなく、ビジネスモデルの根幹に関わってくる問題だ。

難しい問題ではあるが、商品特性を踏まえて考えれば、ある程度の基本パターンが見えてくる。パターンを踏まえて考えれば、随分気が楽になるはずだ。

ここでは、店舗の商品特性から導かれる「将来の品揃え」の考え方について解説する。

「商品カテゴリ」を固定して、「客層」を広げる

まず、「専門店」として品揃えを拡充する方向性について紹介する。これは「商品カテゴリ」を軸に品揃えを増やすという考え方だ。

例えば文房具の専門店が、学生向け、ビジネス向け、子供向け、書道用品、結婚式の招待状などあらゆる商品を揃えるスタンスである。入浴剤専門店が「子供が喜ぶ入浴剤」「ビジネスマンのための入浴剤」「世界の入浴剤」などと商品を増やすのも同じ。あるいは健康用途で売っていたサプリメントを、トレーニング後の疲労や休養に着目した「スポーツ用サプリメント」として販売するパターンも考えられる。

つまり、まず、店で扱う商品カテゴリを明確に定めて、「石鹸を買うならこの店」「すべての人に自転車の楽しさを」というコンセプトを打ち立てる。次に「石鹸を買う可能性があるさまざまな客層」「自転車を買う可能性があるさまざまな客層」を開拓していくのだ。

このパターンを踏襲するのは、恐らく、古くからの専門店やメーカーの直営店、産直品の生産者、腕利きの職人を抱える店など、特定商品の生産・仕入れにもともと強い基盤を持っている店だろう。本業にもともと備わっている長所を生かそうとするので、必然的にこのような商品カテゴリありきの方向性になる。

ただ、商品カテゴリを固定したままで店を大きくするには、今までの常識にとらわれず、新しい使われ方・新しい客層を求めて、外に視野を広げていく必要があるだろう。

「客層」を固定して、「商品カテゴリ」を広げる

次に、「セレクトショップ」としての方向性を紹介する。これは「同じ価値観・センスを持つ客層」を対象に、その客層のために「さまざまな商品カテゴリを開拓する」という考え方だ。

例えば無印良品を想像してほしい。彼らが掲げている価値観は「シンプルな暮らし」だ。だから、この価値観を好む客層が集まる。華美な装飾を好まず、家中をシンプルな無印商品で埋め尽くすファンも少なくない。そんな客層のために、無印良品は菓子類から住宅まで揃えている。

品揃えは幅広いのだが、かといって「何でも揃う」わけではない。あくまでも、店舗の持つ価値観に沿った品揃えのみを置かなければならない。ネオンカラーのゴテゴテした雑貨を置いてしまったら、無印良品ではなくなるからだ。

このパターンを踏襲するのは、店長や経営者の「こんな生活を勧めたい」という思いが強い店だろう。当初から独特の世界観があり、常連客からの支持を受けて「ウチの店らしさ」を追求することで成長していく。

この世界観がそのままブランドイメージになるわけだが、店を大きくするためには、この世界観を他者に伝えるコミュニケーション能力が欠かせない。つまり、例えば世界観を一瞬で伝わるようなキャッチフレーズや、デザイン力だ。

前述したパターンとは反対で、今までの店舗運営を振り返ることで「自分と常連客の思いがどこにあるのか」を内省的に掘り下げた上で、なおかつ「多くの人に分かりやすく伝える」という姿勢が大切になる。

品揃えは店舗コンセプトと連動する

これらの方向性は、法則40で述べた店舗コンセプトと密接に関連している。店舗の強みを自覚し、伸ばしていこうとすると、大体上記の2パターンに当てはまるケースが多い。もちろんこれらは分かりやすく説明するための例であり、取るべき方向性は2択ではない。しかし、この2パターンを出発点として検討を深めていけば、漠然としていた自店舗の将来像が、より明確になってくるはずだ。

自店舗の方向性がいまいち定まらない場合は「特定の商品カテゴリをあらゆる人に勧める」のか「特定の価値観を元にあらゆる商品を選ぶ」のか、どちらが得意なのかについて考えてみるといいだろう。

店の個性を維持しつつ、品揃えを増やす

店の個性を維持しつつ、品揃えを増やす
あらゆるカテゴリを揃えた「何でも屋」的な、個性のない巨大店舗は、規模の競争に陥りやすい。 店の個性を維持しつつ品揃えを増やすには、専門店かセレクトショップを目指すといいだろう。
売れるネットショップ開業・運営

※この記事は、書籍『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。

ネットショップでモノが売れない、なぜ?
資金力ではありません。やり方が違うんです。

「商品タイプ別」のネットショップ開業・運営ノウハウとは?

例えば、剣道用品のような「ニッチ商品」と、無名の自社ブランド商品、価格競争の激しい有名メーカー品では、有効な「売り方」はまったく違います。

本書では、取扱商品を4タイプに分類し、各タイプの強みを生かした集客・ページ接客・リピート促進手法を紹介します。

【自分の店の強み】を知れば、混乱していた頭もすっきりし、優先順位が明確になり、それまで空回りだった歯車も噛み合います。

目からウロコ が落ちました。ショップの立ち位置が明確になりました。
何から手を付けていいのか分からない状態に光が射しました。

事実、多くのネットショップ店長からそんなコメントを頂いています。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

robots.txt
ロボット型の検索エンジンが自分のページを登録しないようにするためにサイト管理者が ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]