企業ホームページ運営の心得
ECの成否は売る前にわかる。売れる商品4つの要素

ECの成否は何を売るかで予言できます。今回はECで売れるモノ4つの要素について
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の弐百弐十弐

業界内大反響の通販裏事情

前々回の「ネット通販の裏側」で、上場企業のEC部門を吸収合併した内情を、中小企業のWeb担当者からの視点で紹介した記事が、私の周囲の業界関係者のあいだで「よく言った」と評判でした。ネット通販で成功している企業が少ないことは、Web屋の世界の「裏常識」なのです。

しかし、誤解しないでください。ネット通販、つまりEC(電子商取引)が悪いのではなく、紹介した上場企業のように利益率の計算もできていない、そもそも商売として破綻している企業がネット通販に取り組んでいるのがその理由です。同じく、売れない商品を必死に売っているサイトも少なくありません。はっきりいえば、何を売るかでECの成否は予言できます

そこで今回は「ECで売れるモノ」について。理屈をこね回せば書籍一冊にはなる内容を、原稿用紙5枚ほどでまとめています。

前田日明で伝説を作る

ネットだからこそ売りやすい商品は大きくわけて4つあります。

1つ目は「コンプレックス商品」。頭髪のデフレや体重のインフレ、下半身の問題といったコンプレックスをだれにも知られずに解決できる……かもしれない。こうした商品はネットで売りやすいのです。店頭で購入すれば、「あの人、薄毛を気にしているんだ」という被害妄想(多くの接客担当者は毎日何百人と応対するのでいちいち客のことを覚えていません)に苛まれますが、ネットなら誰に会うこともなく購入できます。

2つ目は「マニア向け商品」。以前、カリスマ格闘家、前田日明さんのトークイベントのチケットをネット限定で売り出したところ、あっという間にソールドアウトになりました。マニアしか見に来ないサイトで、訪問者数もそれほど多くなかったのですが、マニア同士がクチコミし広がったのです。

3つ目のEC向きの商材が「オンリーワン商品」。後述する「オリジナルグッズ」はオンリーワンではありません。カニ、ホタテ、リンゴなどの特産品のなかでも、その地域でしか入手できないブランド化に成功し「オンリーワン」になった商品は文句なく売れます。

もう1つ売れる商品がある

サクサクと進めます。最後が「プレミアム商品」です。漫画の初版本、ギャルゲーの限定版といった付加価値があるものです。前田日明さんのトークイベントはこちらにも属していました。当時、沈黙を守っていたカリスマ格闘家の肉声が聞けるというのは、プロレスマニアにとって垂涎のプレミアだったのです。

以上の4つの特徴のなかで、2つ以上の要素がある商品ならECでの成功は間違いないでしょう。たとえば、季節限定というプレミアムを冠したオンリーワン商品の「越前ガニ」や、薄毛の悩みを解決する限定生産の育毛グッズなどです。ECの成功事例の大半は「売れる商品」によります。裏返せば「売れない商品」でECにチャレンジしても成功は難しいのです。

その「売れない商品」の代表例が「オリジナルグッズ(商品・製品)」です。

中小企業にありがちな光景

オリジナル商品で失敗する企業の多くは、「どこにもないオリジナル商品だからネットで売れる……」と考えるのですが、大抵はこうです。

だれも欲していないから、だれも作らなかった

とりわけ中小の製造業の「オヤジ(社長)」はオリジナルグッズが好きです。それも完全なオリジナルではなく、他社のパクリで、素材や規格を変えただけのものをオリジナルといってはばかりません。学ぶという言葉は真似るが語源で、パクリを悪いとはいいませんが、オヤジたちはコピー商品をオリジナルと記憶をねつ造するのが得意です。

たとえば、医療用のメスと同じ材質で作った「耳かき」をオリジナルと主張します。素材を変えただけの商品がネットで売れるのならだれも苦労などしません。「医療用」という切り口を縦軸に、必然性やメリットを絡め、毛抜きや爪切りと「横展開」まですれば「オリジナル」ですし、「オンリーワン」になれるかもしれませんが、製品ができた時点で思考停止するのが「オリジナルグッズオヤジ」の特徴です。

片手間でOK

オリジナルグッズとオンリーワンの評価は市場が下してくれます。オンリーワン商品は、基本的なSEOさえ施していれば、客の方からやってきてくれるため、楽に売ることができます。あるいはブログで紹介し、電話番号を掲載するだけでも電話が鳴ります。反対に掲載して1か月でリアクションがなければ需要のないオリジナルとみて間違いありません。

駆け足で紹介しましたが、4つの特徴のうち、1つも当てはまらなければEC商材として成功は「難しい」と覚悟してください。そうはいっても、売れない商品でも売らなければならないこともあるでしょう。すると「片手間」では絶対に不可能です。社員1人を専任のWeb担当者にするぐらい本気で挑まなければネットでモノは売れません。

それでは「本気になったら」どうか。というわけで、次回は中小企業のためのWeb担当者の育て方について。

今回のポイント

EC商材には向き不向きがある

オリジナルグッズは想像以上に苦戦する

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