Web解析のためのKPI大全

情報発見コンバージョン率

情報発見コンバージョン率

カスタマーサポートサイトやECサイトでは、対応に費用がかかる電話での問い合わせをすることを回避できるような、訪問者にとって重要な情報を掲載していることが多い。その情報に訪問者がたどり着けるかどうかは、重要な問題である。

  • 定義

    このKPIは、注文コンバージョン率の変化形であり、「注文」の判定基準を緩めて、ある1つのゴールページに到達したかどうかをもとに計算する(図13)。

    {ゴールページに到達した訪問回数}÷{総訪問回数}={情報発見コンバージョン率}

    図13 「価格表」という、中間コンバージョンイベントの達成率(日別推移)
    図13 「価格表」という、中間コンバージョンイベントの達成率(日別推移)。

    ゴールページとは、たとえば「よくある質問」のページであったり、ナレッジベースの記事であったり、何かしらあなたのサイトで提供するべき情報が存在するページである。アクセス解析ツールによっては、一定数以上のコンバージョン目標を識別することができないが、低コストのカスタマーサポートを目指すサイトであれば、努力してこれらの識別をし、指標を追跡するべきである。

    また、あなたのサイトが純粋なサポートサイトでない限り、すべての訪問者がサポートを望んで訪問しているわけではなく、ゆえに追跡対象の情報にたどり着かないということには、注意すべきである。可能であれば、訪問者のセグメンテーション機能を用いて、サポート目的の訪問者(または追跡対象の情報を欲している人)「のみ」を計算するようにしたい。

  • 表現形式

    この指標を用いるときは、設定している「ゴール」が何なのかを、レポートを見る人が明確にわかるようにしておくことが必要である。あなたのビジネスにおいて、重要なゴールページがカスタマーサポート文書であれば、このKPI名称を「カスタマーサポート文書の発見率」としてしまってよい。そして、付録として、具体的にどの文書がそれに含まれるのかをリストにしておくのである。それから、コンバージョン率が不自然に高い場合は、1人あたり平均ページビューとの比較も必要だ。特に、複数のページを見て、情報を得ているのに、まだ満足していない可能性もある。さらに、購入者満足度のKPIとの比較によって、低いコンバージョン率が不満足につながっていないかを検証することも必要である。

  • 想定される結果

    訪問者がどれだけ情報を発見できているかは、サイトの情報アーキテクチャや、検索性能、サイトで使う言葉と訪問者が使う言葉の違い、その時々の気分などによって、さまざまである。そのいくつかの要素は簡単に改善できるし、いくつかの要素はまったくコントロールできない。サポートサイトは、この指標の基準値を定め、訪問者が情報を発見できる率が上がるように、継続的に改善をしていこう。

  • 行動

    購入者がカスタマーサポートやテクニカルサポートに電話をしてくる回数を減らすためにデザインされた、純粋なサポートサイトの場合は、ECサイトにとっての注文コンバージョン率・購入者コンバージョン率と同じくらい、このKPIの追跡・研究が重要になってくる。ありがたいことに、訪問者は大概、サイトが扱う商品やサービスについて、最低限の知識をすでにもっているので、情報を見つけるのはたやすく、コンバージョン率は高めになる。この指標が急落していたら、サイトデザインや検索機能、検索用インデックスを変えていないかどうかや、サポートしている商品の質が変わっていないかをチェックしよう。

    あなたのサイトが純粋なサポートサイトでなくても、サポートを必要としている訪問者をセグメント分けし、必要な助けを得られているかどうかを確認することは重要である。リテンションと購入者満足は、問題が起こったとき、簡単に情報を得られるかどうかに直結しているので、このKPIは価値があるのである。

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