売れるネットショップ開業・運営

ニッチ商品は、数少ない潜在客と深く付き合う | 売れるネットショップの法則7

「ニッチタイプ」とオリジナルブランド商品との違いは、潜在客が多いか少ないか
売れるネットショップ開業・運営eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
※この記事は、書籍 『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』 の内容の一部を、Web担の読者向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。
この記事は第1章「空回りしないためのネットショップの基本の法則」のトピック「扱う商品に合わせて戦略を立てる」の記事です。重要度★★★緊急度★★★

数少ない潜在客との接触をできるだけ多くする

マス媒体を使えるニッチ店舗

着物専門店は一般的な広告に向かないニッチタイプの店だが「浴衣」は広告経由でも売りやすい。中国茶専門店はニッチタイプの店だが、そこでダイエット茶を作れば広告向きになる。

ウエディング用品や鉄道模型など、限られた人のみを対象とする店は「ニッチタイプ」に分類される。本書で定義するニッチ商品とは「どれだけ上手に薦められても買わない人はやっぱり買わない」商品だ。オリジナルブランド商品との違いは、潜在客が多いか少ないかで考えるといい。

例えば「高級ランドセル」を買おうとしている母親を想像してほしい。彼女の頭の中に、野菜や靴を売る店は記憶されていても、高級ランドセルをどこで買えばいいかは、ちょっと見当がつかないはずだ。そんなとき彼女は、インターネットを使って購入できる店を調べてみる。日本国内で高級ランドセルを扱う店は決して多くはない。さらにその中でネットショップを運営する店はほんのひと握りだ。該当する店舗が見つかり、「買っても大丈夫」と思えるだけの安心材料が揃っていれば、その店で購入するだろう。

このように、ライバルの少なさは、ニッチ商品を販売する大きなメリットの1つである。当然競争も少ないので、業界の中での「安定1位」を目指しやすい。

しかし条件がある。誰にでもランドセルを売り込むことはできないので、その商品を欲しがって「検索」してくる相手に露出しなければまったく売れない。ニッチ商品を扱う店は、何よりも検索対策が重要である。これは肝に銘じてほしい。

◆ネットショップで扱いやすいニッチ商品の例
  • 人生の一時期だけ必要な商品

    ウエディング用品、子ども用品(七五三や入学祝いなどに使うもの)、記念品(赤ちゃんの髪の毛で作る筆など)、墓石など

  • ターゲットがごく限られた商品

    スポーツ用品(テニスや登山などに使うもの)、専門職が使う業務用品、趣味の品物(車の改造パーツ、アキバ系の限定商品など)、消火器、中国茶など

  • 高額商品(ターゲットが狭い商品の代表格でもある)

    不動産、高級着物、ソーラーパネル、暖炉、ヨットなど

オリジナル商品とニッチタイプを区別する方法

本書では、潜在客の多少でオリジナル商品とニッチ商品を区別している。例えば、通販限定の「肌に優しい白髪染め」であれば、かなりの人数が対象客になり得る。だからマス媒体(不特定多数に接触する広告媒体)を使って衝動買いを促進することも可能だ。一方、剣道用品や専門職向けの業務用品などは、マス媒体を使っても、ほとんどの読者や視聴者が対象客にならない。しかし、検索経由ではかなり売れている。このように「マス媒体での販促に適さない商品」であればニッチ商品タイプだと考えてほしい。

ユーザーとの「師弟関係」を築く

ニッチ商品を探す潜在客は、商品だけでなく関連情報も含めて探す傾向が強い。検索キーワードも、ランドセルなどの商品カテゴリ名だけでなく、“ランドセル 比較”や“ランドセル 人気”といった調べ方も多い。これは慣れないものを買うときに「失敗したくない」という心理が働くためだ。そのため、商品そのものの魅力以前に、まず「どういう商品を選ぶと間違いがないか」「あなたの用途ではどの商品がちょうどいいか」を教える必要がある。ベテラン店員が親切に教えてくれれば不安が解消し、安心して購入できる。その信頼関係はネット上でも大いに築くことができる。

例えば登山用品を扱う店舗では、店員は商品だけでなく、登山の知識もあわせて提供することで、顧客との間は一種の師弟関係に近づく。店と店員を信頼し、また次もここで買おうという気になるのだ。具体的には「賢い女性のための○○の選び方」や「○○でありがちな問題・解決」といった記事を用意することを勧める。可能なら無料相談コーナーも作り、積極的に問い合わせさせるのも有効だ。

ニッチ商品を扱うショップの例

同好の士が集う、オオクワガタ・カブトムシ専門店。ユーザーからすれば「先生」そのものだろう。ドルクスダンケ
同好の士が集う、オオクワガタ・カブトムシ専門店。ユーザーからすれば「先生」そのものだろう。
ドルクスダンケ
オリジナル洗車用品の販売だけでなく、相談コーナーや、未体験ユーザーへの「伝道企画」も活発だ。洗車の王国
オリジナル洗車用品の販売だけでなく、相談コーナーや、未体験ユーザーへの「伝道企画」も活発だ。
洗車の王国
「プロ」が活躍するのがニッチジャンル
川村氏

本業ではその商品を扱っていないのに、ネットショップ上で超ニッチ商品を企画・販売しているところをたまに見かけますが、大抵失敗しています。木工所が卓球練習用具を作ったとすれば、その商品を的確に販売できるのは「卓球用品のプロ」です。

前述の通り「来店客は詳しくない=教えながら売る」という関係性を作るのが有効なのですが、ネットショップ以外の「本業」において、教えられるだけの実績や経験がなければ、そのような関係性は作れません。そのような場合は、せめてプロフェッショナルに監修してもらいましょう。売り手の都合でユーザーに迷惑をかけないよう、適切な接客ができる人員を配置するようにしてください。(川村)

売れるネットショップ開業・運営

※この記事は、書籍『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。

ネットショップでモノが売れない、なぜ?
資金力ではありません。やり方が違うんです。

「商品タイプ別」のネットショップ開業・運営ノウハウとは?

例えば、剣道用品のような「ニッチ商品」と、無名の自社ブランド商品、価格競争の激しい有名メーカー品では、有効な「売り方」はまったく違います。

本書では、取扱商品を4タイプに分類し、各タイプの強みを生かした集客・ページ接客・リピート促進手法を紹介します。

【自分の店の強み】を知れば、混乱していた頭もすっきりし、優先順位が明確になり、それまで空回りだった歯車も噛み合います。

目からウロコ が落ちました。ショップの立ち位置が明確になりました。
何から手を付けていいのか分からない状態に光が射しました。

事実、多くのネットショップ店長からそんなコメントを頂いています。

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