企業ホームページ運営の心得
客をキュレーションしてつくる紹介コンテンツ

商売用に不可欠な客紹介コンテンツの作り方のポイントついて
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

キュレーションの時代?

ITジャーナリストの佐々木俊尚さんは著書『キュレーションの時代』で、文字通りキュレーションの時代がやってくるといいます。以下は、アマゾンドットコムの書籍紹介にある「キュレーション」の解説です。

キュレーション【curation】
無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること

ニヤリとしてしまいます。日記型掲示板はブログと呼ばれ、ウェブアプリケーションはASPやSaaSを経てクラウドを襲名しました。インターネットを新しいメディアだと紹介したのと同じフォーマットでソーシャルメディアを語るように、すぐに「再定義」をしては新しい名前を与えるビジネスモデルは「Web 2.0」と同じです。

しかし、キュレーションの定義の最後にある「共有」を「出版」に替えれば、情報を編集して出版するという「編集者(エディタ)」の仕事と見ることができます。日本においての多くの著者やライターは、編集者の価値観や世界観に基づいたサジェスチョンを得ており、著者によっては「9割以上が編集者の作文」ということもあると聞きます。色んな言葉を見つけてくるなあ、と感心します。

マネタイズのお手本として

流行に乗っかることはWeb業界でのマネタイズ(換金方法)の基本の1つです。というわけで私もキュレーションを採用します。新しい言葉を見つけたなら、その論理や意味を考える前にブログやツイッターで発するのがこの業界の掟です。その様子に突っ込みを入れる変わり者は私ぐらいなのでまったく問題ありません。

前回予告した通り「客紹介コンテンツ」を「キュレーション」に絡めて紹介します。前述の解説風に私流に述べるとこうです。

無数の顧客情報のなかから、自社の利益と都合に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味があるようにみせかけ、そして多くの人に公開すること

新たな意味とは「切り口」で、つまり「自社に都合の良い客だけを、利益になりそうな切り口で紹介する」と換言すれば、身も蓋もありませんね。

客の声との違い

客紹介と似ているものに「客の声」があります。どちらも重要で「商売用」には不可欠なコンテンツです。それは「客」という「人(あるいは企業)」にフォーカスすることで「共感」が生まれるやすくなるからです。これは芸術として難解なシュールレアリスム(超現実主義)や抽象絵画の展覧会で、作品を年代別に分類して展示する場合が多いのと同じ理由です。作品を理解できなくても、画家の人生をなぞることなら素人でもできます。商品やサービスが理解できなくても「客」を登場させ「共感」させることで「わかったつもり」にさせるのは美術館の企画展と同じです。

客の声は最強のコンテンツといっても過言ではないのですが、いかんせん客の声はコントロールできません。そして「やらせ」という裏道の手前にあるのが「客紹介コンテンツ」です。客の声を「客主導」とするなら、客紹介コンテンツは「店主導」ですから、声はコントロールできなくても客を選ぶことはできます。

美術館の「キュレーター(学芸員)」が展示する作品を取捨選択するように、自社にとって都合の良い客をキュレーションして取材します。「取材などしたことがない」という方もご安心ください。ピックアップした時の「都合の良いポイント」が、そのまま取材内容になるのですから。以下は、その一例です。

  • 自社を選んだ理由
  • 自社のメリット
  • サービスについて
  • 自社サービスの利用方法

忘れてならない業務内容

勘の良い方はお気づきでしょう。「FAQ」や「よくある質問」はそのまま取材で尋ねる内容になるのです。どちらも未来の客が知りたいであろう情報であり、これらを自社に都合の良い切り口でキュレーションしたもの、つまり整理編集したものが客紹介コンテンツなのです。

ただし、自社に都合の良い情報を並べるだけでは宣伝くさくなります。宣伝の臭みを消すスパイスが「客の情報」です。個人客なら経歴に趣味や嗜好、好きなプロ野球チームや、子育てのエピソードなどの人間性にフォーカスを当てます。また、BtoBなら業務内容や社歴で情報に厚みを与えます。客は「付随情報=トリビア」が好きで、知的好奇心を満たしてくれた悦びが、あなたの会社へのイメージをポジティブなものに連想変換してくれます。

客を公開するデメリットはあるか

BtoBビジネスで取引先を公開することについて、「他社が契約を横取りすることにつながるのではないか」という心配は無用です。そもそも「浮気」などしない企業を選べばいいのです。「佐々木氏版のキュレーション」の定義にあるように、自分の価値観・世界観に基づくのですから紹介する客(情報)が偏るのは当然で、今回のコラムにキュレーションを絡めた理由の1つです。

自社にとって都合の良い客というのは、別の見方をすればそれだけ密接な関係にあるといえます。前回触れたように、客紹介とは相互リンクによる「Win=Win」を目指す目的もあり、「どの業者でもよかった、1円でも安い業者があれば乗り換える」といった客が客紹介コンテンツの候補にあがることはないでしょう。

また、公開によって他社に客を奪われることへの懸念は杞憂です。コンテンツのなかで「信頼関係」をキュレーションしておけば、他社の営業マンを威嚇できるからです。そしてこれも未来の客へのメッセージになります。公開された取引先との信頼関係に自分を重ねるのは、家族を大事にする「既婚者」がもてる理由と同じです。

Web言論にキュレーター

Web業界人らしくこれからは“キュレーター”になる

客紹介コンテンツを作る時には役立つ言葉です。しかし、有名なグーグルの「すべての情報をインデックスする」というミッションのように、ネットにおいて情報の整理整頓は至上命題ともいえ、「はてブ」に代表されるフォークソノミー、ソーシャルタギングも挑戦の1つでしたし、それは「2ちゃんねる」の「まとめサイト」も同じです。そしてそれを「編集」と呼ばないところがWeb業界らしさです。

最後に日本のWeb言論においても「キュレーター」が必要かも知れません。同一人物の発言が時代によって変わることは多く、ピカソに「青の時代」があるように、この発言は「ブログ時代の迷走が垣間見える」や「ツイッター時代の焦りがでている」と、無数の発言の海から論拠を拾い上げて、新たなレッテルを貼り、そしてみんなで共有するようにと。

今回のポイント

客を選ぶ作業が「キュレーション」

操作できない「客の声」。つくりあげる「客紹介」

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