知って得するドメイン名のちょっといい話
ドメイン名の登録は最初が肝心/知って得するドメイン名のちょっといい話 #16

本当に必要なものをコスト削減の名のもとに失ってはならない。
JPRS通信 知って得するドメイン名のちょっといい話

不況の中、企業のIT投資もコスト削減対象として厳しい見直しの波に晒されている。しかし、大切なことは単なる「コスト削減」ではなく、「コスト意識」の向上である。本当に必要なものをコスト削減の名のもとに失ってはならない。

※この記事は、レンタルサーバー完全ガイドの発行する雑誌『レンタルサーバー完全ガイドVol.17』(2009年5月29日発売)に掲載されたものを再編集して掲載しているものです。

レンタルサーバーはコスト削減の優等生

サブプライムローン問題とリーマンショックに端を発した、100年に一度といわれる世界的な不況が続いています。いくつか明るいニュースが出ることもありますが、まだまだ先行きは不透明です。

資源の選択と集中により企業は不況を乗り越える必要がありますが、そのなかでもITシステム関連は目が向けられやすい部分でしょう。効率的な運用で無駄なコストを省くとともに、ビジネスの武器としての力を強化することが必要です。

企業のITシステム関連コストを大きく引き下げるという意味では、レンタルサーバーの活用は欠かせません。各種サーバーを自社内で運用するのに比べて、多くの場合でレンタルサーバーのほうが安く、かつ高い品質で運用することができるでしょう。これについては、本誌の読者の皆さんには改めて説明するまでもないですね。

さて、レンタルサーバーを利用するとなると、次の検討は「どのレンタルサーバーサービスを使うか」という選択になります。料金もさまざま、利用できる機能やアプリケーションなどもさまざまです。ここでは、必要とする機能や性能を満たしているか、料金は適切か、という視点でサービスを選択します。

そして、一度選んだレンタルサーバーを変更するということも珍しくありません。レンタルサーバーを使っているうちに、機能や性能が足りないことが分かったり、自分には不必要なものを含んでいるおかげで高い料金を支払っていることが分かったりと、事情はさまざまです。

また、最初は最適なレンタルサーバーを選択できたとしても、ウェブサイトの成長や顧客数の増大、もしくは予算の縮小など、やむを得ないサーバー変更といったこともあります。

どんなレンタルサーバーサービスがあるのか、という情報は本誌に毎号掲載されていますし、自分に合ったレンタルサーバーをどう選べばよいかは、これまでも幾度も取り上げられているので、そういった記事を参考にするのがよいでしょう。

ドメイン名の変更はとても大変

このようなレンタルサーバーの変更、いわゆる「引越し」は、サイトの運営者としてはいろいろと作業はありますが、アクセスするユーザーにとってはとくに変化はありません。サーバーを変更するとなると当然ながらIPアドレスが変わりますが、ユーザーがアクセスに使うドメイン名は変わらないからです。

逆に、ドメイン名を変更するということは、ユーザーなど対外的な影響が出ます。

ウェブサイトのURLやメールアドレスなどに利用していたドメイン名を、なんらかの理由によって変更することになった場合、次のようなことを考える必要があります。

  1. 会社パンフレットや名刺など印刷物の刷り直し
  2. サーバーやシステムの設定変更
  3. 取引先やユーザーへの周知

これらをやるとなると、大きなコストと時間がかかります。企業規模が大きくなれば、それだけ影響も大きくなります。ある大手企業では、事情によりドメイン名変更を行わなければならなくなったとき、数千万円単位でのコストがかかったという話もあります。

もちろん、ドメイン名を変えなければいけないときもあります。会社名のドメイン名を利用していて、会社名が変わったときなどはドメイン名を変えることになるでしょう。このような時は、印刷物や周知などはドメイン名変更にかかわらず行うことになるので、ドメイン名特有のコストの比率は大きくありません。

しかし、たとえば最初にウェブサイトを立ち上げるときにいい加減なドメイン名を選んでしまって、後になって変えたくなった、というようなときには、本来不要であった大きなコストを支払うことになってしまいます。

ドメイン名選択で大切なこと

ドメイン名選択・登録時のポイント
図1 ドメイン名選択・登録時のポイント

一度使い始めたドメイン名は簡単には変えられません。最初に、十分に検討し、長く使うことを前提に登録することになります。このとき、どのようなことに注意しなければならないのでしょうか(図1)。

まずは、ドメイン名の文字列をどうするかという点。これについては以下のような視点からの検討が必要です。

  • 読みやすさ、覚えやすさなどの利便性
  • 社名やサイトの内容との名称一致性
  • 他社の商標や権利名称との衝突・類似性

そして、ドメイン名に属性的な意味を持たせるものとして「co.jp」か「.jp」か「.com」か、それとも他のTLDか、という選択があります。会社の名称をドメイン名とする、いわゆる社名看板のようなドメイン名であれば、企業のイメージを強く押し出すことができる「co.jp」がよいでしょう。サービス名やブランド名であれば「.jp」や「.com」を使うことになります。

また、これらのドメイン名を登録しようとしたときにすでに他の誰かに登録されているからという理由で、あまり用いられていない他のTLDを使っている事例を見かけることがありますが、アクセスするユーザーの安心感や信頼感はドメイン名の第一印象で大きく左右されるため、できれば「.jp」を利用することをお薦めします。

そして最後に、ドメイン名をどこで登録するか、という点があります。過去の連載のなかでも幾度か触れていますが、レンタルサーバー同様に、ドメイン名の登録もサービスとして利用することになります。つまり、そのサービスを提供する事業者の信頼性が大切な要素となります。安定したサービスが提供されるか、事業者に万が一のことがあったときにも自分のドメイン名がきちんと保護されるか。社名と同じくらい大切なドメイン名だからこそ、大切な検討ポイントです。

ドメイン名の料金については、その種類や、サービスを受ける事業者によってさまざまです。しかし、料金を第一に考えてドメイン名を選ぶべきではありません。上記のすべてを検討をしたうえで、料金の比較を行うべきでしょう。ドメイン名に関するトラブルが発生した場合、年間数千円のドメイン名登録料金とは桁違いのコストが必要になってしまいます。

長生きドメイン名には力が宿る

ところで、ドメイン名を変える、ということについてはコスト以外に、もうひとつデメリットがあります。それはドメインを使っている間に蓄積したSEO的な力を失ってしまう、ということです。

SEO(検索エンジン最適化)についてはいろいろな要素がありますが、そのひとつにドメイン名がウェブサイトのURLとして使われていた期間の長さがあるといわれています。長く使われているドメイン名のウェブサイトは、より信頼できるものとしてプラスに評価されるというわけです。これが、ウェブサイトのドメイン名を変更してしまうと、またゼロからのスタートになってしまいます。

逆に、ウェブサイトの立ち上げ時に、まだコンテンツを完全にそろえられない状況であっても、早い段階からドメイン名を登録・使用することで、ウェブサイトでのドメイン名利用実績を作ることもできます。新しい機器などの慣らし運転のことをエイジングといいますが、まさにこれはドメイン名のエイジングといえるかもしれません。

まとめ

ドメイン名に限らず、最初に十分な検討をしなかったことが後になって大きなコストを発生させてしまうということはよくあることです。社名やブランドを背負って、ユーザーのアクセスと信頼を獲得するためのドメイン名であり、ビジネスの成長に合わせてその役割も大きくなっていきます。ドメイン名が必要になったときには、あわてずに、一度立ち止まってここで書いたような視点からよく検討することが大切です。

新gTLDの動向

JPRS通信の第13回でお伝えした新しいgTLDの導入について、最新の動向をお伝えします。

当初の予定では2009年の第1四半期に、新gTLDのRFP(提案依頼書)を確定させ、第2四半期で新gTLDの提案受付を開始するとなっていました。しかし、ICANNが実施したパブリックコメントにおいて、多くの課題が指摘され、それらの検討のためにスケジュールが半年以上遅れているようです。

5月に入ってから開催されたICANNの会議のなかで今後のスケジュールが検討されたもようですが、RFPの最終版は2009年の末ごろになるのではないかと見られています。

2009年 06月 RFPに対するコメントの分析報告書発表
06月下旬 ICANN会合
09月上旬 RFP第3版発表、コメント募集
10月下旬 ICANN会合、コメント締切
年内 RFP最終版発表

※この記事は、レンタルサーバー完全ガイドの発行する雑誌『レンタルサーバー完全ガイドVol.17』(2009年5月29日発売)に掲載されたものを再編集して掲載しているものです。

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