編集長ブログ―安田英久
企業サイトの重要性とガバナンスの必要性が明らかになった震災後の1週間

企業サイトが企業活動にとって重要であり、そのガバナンス重要であることは、もう疑う余地はない

今日は、企業サイト(コーポレートサイト)の重要性とそのガバナンスについて。緊急事態になって、その重要性を改めて認識した人も多いのではないでしょうか。

大地震から1週間、先週は企業としての被災地への対応、取引先との対応、社員への対応など、バタバタと忙しかった人も多いでしょう。おつかれさまです。

この記事では、この1週間で再認識された、企業サイトの重要性やそのガバナンスの大切さを整理してみました。販売サイトやマーケサイトのような、売上・利益に直結するサイトを重視する企業も多いと思いますが、企業サイトが企業活動にとって重要であり、そのガバナンス重要であることは、もう疑う余地はないのです。

お客さんは何かあれば「サイトを見れば情報がある」と思って行動する

震災以来の1週間、サイトへのアクセス数が増加したコーポレートサイトと減少したコーポレートサイトに分かれるのではないでしょうか。B2Cで比較的利用者のサービス依存度が高く、震災の影響を受ける企業では、コーポレートサイトへのアクセスが増加していることでしょう。

企業サイトというものは、すでに「とりあえずサイトを作っておく」とか「会社概要と社長メッセージを出しておく」場所ではありません。御社の顧客は、何かあれば「サイトを見れば情報がある」と考えて、状況を確認しにコーポレートサイトを訪れます。

営業所やオフィスに電話がつながらない状況でも、サポートセンターの稼働を縮小していても、Webサイトは動き続けています。関東がそれどころじゃない大騒ぎ状態でも、関西は通常モードで動いています。

だから、顧客やステークホルダーが知りたいと気にする情報をコーポレートサイトで適切に出せる体制を整えておくことが重要なのです。

また、今回の震災後に、燃料、電力、鉄道会社などでは、アクセスが一時的に集中してサイトが閲覧不可になった例もありました。一部のサイトは軽いHTMLに差し替えてアクセスできる状態になるよう対応していましたが、「何がどうなってるのか」「どうすれば問題を解消できるのか」を技術的に解決できることも重要で、そのためには情シス、制作会社の技術スキルや、ホスティング会社の対応力も関係してきますね。

散発的でもいいので一次情報をちゃんと出すことが大切

今回の震災で総務省がチェーンメールへの注意を呼びかけたように、何かあればデマや誤った情報が流れます。ましては、Twitterなどの「発言者の背景や各発言のコンテキストが読みづらい」ソーシャルメディアによって、誤情報が拡がりやすくなっています。

そのため、企業サイトで正しい一次情報を掲載することは非常に重要です。

千葉県の製油所の火災では「有害物質が降ってくる」というデマが流れましたが、コスモ石油は3月12日にそうした情報を否定する公式発表を掲載しています。この対応が遅ければ遅いほど、混乱が広がっていたでしょう。

また、ドコモやKDDIのようなインフラを担う企業は、情報をコーポレートサイトで1日に何度も更新してリリースしていました。東京電力のコーポレートサイトでは、平常時には1日に1件程度のリリースですが、3月11日から21日までの間に160件以上の情報更新をしています。

必要に応じて「通常と異なる」判断をする必要がある

震災関連の情報の企業サイトでの出し方を見るとわかるように、コーポレートサイト上にメッセージを出すスペースを特別に作って臨時情報を掲載しているサイトも多かったようです。

通常のフローとは異なるやり方ですが、コンテンツ管理システムの通常のフローでは十分にメッセージを出せず、臨時に特別な処理をしたWeb担当者さんもいたことでしょう。「久しぶりにDreamweaver触って更新したよ」という人もいたかもしれません。

また、定期発行しているメールマガジンや出稿している広告を止めるのかそのままにしておくのかの判断も必要です(多くの企業がテレビCMを差し止めたためにテレビではACの広告ばかりになっているのはご存じのとおりです)。

CMSのテンプレートも更新ワークフローも広告発注フローも、日常にあわせて作っているはずです。緊急時には、通常とは異なる判断が必要です。だから大切なのは、だれがその判断をするのか、判断して実行する権限をもっているのか(または行動できるのか)です。

有事には、経営陣は「どんな情報を発信するか」を考えても、「サイトでどう見せるか」まで考えられる状態ではないはずです。だから、企業の外向けのコミュニケーションを担うWeb担当者さんは、「いまこの状況で、コーポレートサイトでは何をすべきか」を、いち担当者の視点を越えて考えて判断する必要があるのです。

Web担当者に権限がない場合は経営者に確認することになりますが、その場合でも「どうしましょうか?」とただ聞くのではなく、「こういうリスクがあるからこう処理するのが適切だと判断するが、そのように実行してもよいでしょうか」という確認のしかたができるといいですね。

Webサイトに出す情報は企業として明確に決定する必要がある

とはいうものの、企業サイトに出す情報は、Web担当者が独断で決められるものではありません。企業としての経営判断と対外コミュニケーションとして決定されたメッセージである必要があります。

そのためには、経営判断とその対外発表を決定するフローのなかに「企業サイトにはどの範囲でどのレベルの強さで出すか」を決める流れを作っておくことが大切でしょう。CCO(最高コミュニケーション責任者、Chief Communications Officer)のようなポジションの重要度が高まっているのかもしれません。

◇◇◇

企業をとりまく特殊な状況は震災だけではありません。不可抗力的な事故もあるでしょうし、何らかの不祥事が発生するかもしれません。

ステークホルダーとのコミュニケーションのために重要なコーポレートサイト。改めてその重要性を認識して、Web担当者としてとるべき今後のプランを考えてみましょう。

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