知って得するドメイン名のちょっといい話
非営利団体の法人化の新しい道/知って得するドメイン名のちょっといい話 #15

2008年12月1日に「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行された
JPRS通信 知って得するドメイン名のちょっといい話

2008年12月1日に「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行された。これまで社団・財団といえば公益法人を意味していたが、この枠組みが大きく変更され、身近なところでも「法人」としての団体を活用できるようになった。今回は、ドメイン名から少し離れたこの話題からスタートしてみたい。

※この記事は、レンタルサーバー完全ガイドの発行する雑誌『レンタルサーバー完全ガイドVol.16』(2009年2月27日発売)に掲載されたものを再編集して掲載しているものです。

公益法人改革の2つの側面

今回の新法施行は、天下り問題など何かと問題視されることの多い公益法人制度を改革するというのが1つの大きな目的です。現存するすべての社団法人・財団法人を改めて見直し、厳密な公益性の判断基準に合致するもののみが「公益社団法人・公益財団法人」となり、それ以外は「一般社団法人・一般財団法人(以後「一般社団・財団」)」とされます。

つまり、一般社団・財団は社団・財団法人ではありますが、公益法人ではない、ということになるわけです。このように公益法人の枠を厳しくする一方で、一般社団・財団はとても自由度の高いものとなっています。この新しい枠組みが、新法のもう1つの大きな目的です。

一般社団・財団の特徴

さまざまな社会的活動を行うにあたって、どういう組織形態を採るかは重要な問題です。一般的に商業行為であれば営利団体として企業という形をとりますが、非営利団体の場合は、法人格をもたない任意団体として活動するか、特定非営利活動法人(NPO法人)などで法人格をもつか、ということになります。しかしNPO法人はその活動目的が限定されているなど、誰もが使える枠組みではありませんでした。

しかし、今回の一般社団・財団にはほとんど制約がありません。まず、事業内容に制限がありません。公共的でなくともかまいません。同窓会や町内会、趣味のサークルなども法人になれます。そして、サービスや物販などの収益事業を行うこともできます。

ここで「一般社団・財団は非営利だから収益事業はできないのでは?」と思う方もいるかもしれません。ここでいう「非営利」とは、団体が得た財産を株式会社の株式配当のように分配できない、という意味です。つまり、収益事業で財産を得て、給与や投資に回すことはできるのです。

こうして考えてみると、この一般社団・財団という枠組みは、非常に幅広い対象にとって、法人化の有力な選択肢となるといえます。

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」施行後の社団・財団法人の分類
図1 「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」施行後の社団・財団法人の分類

法人化のメリット・デメリット

「同窓会を法人化して何が嬉しいの?」と思う人もいるかもしれません。もちろん、すべての団体が一般社団法人になるメリットをもっているというわけではありません。ここで少し「法人化のメリット」を考えてみましょう。

型どおりに説明するならば「団体が契約・取引の主体となることができる」ということです。たとえば、任意団体では、銀行口座の開設や不動産の登記、取引の際の契約名義など、多くの場合に団体名義は使えず、代表者などの個人名義とならざるを得ない場合が多くあります。代表者が変更になったり、団体内でトラブルがあったりすると、面倒なことになります。これが法人であれば、団体内の個人とは関係なく、法人(組織)としての口座開設や契約が可能となり、円滑な運営を行うことができるようになります。

わかりやすくいえば「法人としての信頼」や「法人でなければ受けられないサービスが受けられる」ということです。BtoBの取引にしても、BtoCのサービスにしても、主体が個人名義の任意団体である場合と、法人である場合とでは与える印象が大きく異なります。団体の信用度は契約の条件や、そもそも契約の可否にも影響することがあります。また、世の中に「法人向け」というサービスがあるのは、その取引形態やサービス内容が法人に便利なようにできているからですが、そもそも法人でなければ利用できません。

このように法人化にはさまざまなメリットがありますが、逆にデメリットもあります。一言でいえば「コストがかかる」です。

法人化は、登記に必要な手続きや、会計書類の作成や決算公告などの運営にかかるコストが必要になります。団体の運営にどれだけのコストがかけられるか、メリットとデメリットを比較検討したうえで法人化の判断をすることになります。

一般に、外部との契約・取引が少なく、事業規模も小さい場合には法人化のデメリットの方が大きいかもしれません。しかし、事業規模がそれなりの規模になり、対外的なやりとりが多い場合であれば、法人という組織形態は安定した運営にとって大きなメリットをもたらす可能性があります。

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」施行後の社団・財団法人の分類
図1 「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」施行後の社団・財団法人の分類

ドメイン名とレンタルサーバーでもメリット

さて、話をドメイン名とレンタルサーバーに戻しましょう。「法人としての信頼」と「法人でなければ受けられないサービス」という点は、ドメイン名でもメリットがあります。

一般社団・財団は、JPドメイン名のなかでもor.jpドメイン名を登録することができます。

co.jpが営利企業のドメイン名というイメージを強くもっているのと対になる形で、or.jpが非営利であるというイメージも強く浸透しています。or.jpは、従来の公益法人である社団法人・財団法人をはじめ、非営利団体が多く登録しており、一般社団・財団もこのor.jpを登録することで、非営利の法人であることをドメイン名でアピールすることが可能になります。

Web担編注
2011年3月1日現在のco.jp登録数は約34万件、or.jpの登録数は約2万7千件。2011年2月にはJPドメイン名の累計登録数が120万件を突破している。JPRS「ドメイン名の統計情報

2009年2月現在、co.jpの登録数が32万件以上であるのに対して、or.jpは約2万5千件です。2008年12月以降、一般社団・財団によるor.jpドメイン名登録が始まっていますが、co.jpに比べればor.jpはまだ希望する名称のドメイン名が登録しやすい状況かもしれませんね。

また、ドメイン名だけでなく、レンタルサーバーでも、法人向けならではのサービスを用意しているところがあります。なかでも、法人の実在を確認した上で発行されるOVやEVなど高度な認証レベルのSSLサーバー証明書は、ウェブサイトの信頼を大きく向上させます。また、会員や顧客の情報をあつかう場合にはアプリケーションファイアウォールなどのセキュリティ機能が必要になるでしょうし、トラブルに備えるための24時間サポートや、円滑な組織運営を助けるグループウェアなども法人にとって役立つサービスといえるでしょう。

まとめ

一般社団・財団という新しい枠組みは、法人という組織形態へのハードルを大きく下げるものです。これまで法人になりたくてもなれなかった団体はもちろん、これから何かを始めようとする場合も、有力な選択肢になります。活動内容に制限がなく、考えられる組織の形もさまざまなので、一概に法人化すべきとはいえませんが、メリット・デメリットを検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

参考サイト

※この記事は、レンタルサーバー完全ガイドの発行する雑誌『レンタルサーバー完全ガイドVol.16』(2009年2月27日発売)に掲載されたものを再編集して掲載しているものです。

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