ブラックハットSEO大全

コメントスパムとは? - ブラックハットSEO大全#05

最近では効果が低いだけでなく、場合によってはブランド毀損の可能性もある、リスクの高い手法
株式会社イトクロ+Web担編集部 2010/10/26 8:00 |

ブラックハットSEO(悪質なSEO)を知り、避けるためのこのコーナー。記事を読んで理解した内容は、SEO会社への発注時に具体的に聞いたり、自社サイトの対策状況をチェックしたりといった使い方をしてほしい。

ブラックハットSEO大全

「コメントスパム」とは

第三者のブログのコメント欄や掲示板に、そのブログとは関係のない広告文およびリンクをコメントとして投稿すること。

手動で行う場合と、プログラムを使用して自動的に大量投稿する場合とがある。

どんな手法か詳しく解説

前述のとおり、ブログへのコメントや掲示板への書き込みを装って、リンクを含んだ内容を投稿します。コメント内にURLを記入することで自動リンクされるようにしたり、コメントフォームにURLの入力欄があればそこにURLを入力したり、掲示板用の一般的なリンクタグ([url=http://example.com]アンカーテキスト[/url])を使ってリンクしたりします。

大手ブログサービスやしっかりと管理されているサイトでは、投稿されたコメントは管理者が事前にチェックしてからでないと掲載されないようにしているためコメントスパムは阻止されますが、投稿したコメントがすぐにサイト上に掲載されてしまうブログではコメントスパムが掲載されてしまいます。

また、新しい記事に対するコメントはチェックしていても古い記事に対するコメントをチェックしていない場合や、そもそもブログや掲示板の管理者が(忙しかったり飽きたりして)ほとんど管理をしていない場合もあり、そうした場合にもコメントスパムが掲載されてしまいます。

ブラックSEO会社のなかには、「コメント書き込み対象を検索エンジンで調べてコメントを書き込む」までの一連の動作を自動的に行うプログラムを用いて、片っ端からブログや掲示板にコメントを投稿を行う場合もあります。この場合、上記のような条件によってコメントスパムを投稿しても意味がないサイトにも、無差別にコメントスパムを書き込んでいくことになります。

ブラックSEO会社はなぜこの手法を使うのか

ブラックSEO会社がコメントスパムを行うのは、簡単に手っ取り早く被リンクを増やすためです。

通常、被リンクを増やすために良いコンテンツを作ってリンクしてもらったり、コミュニケーションを元にリンクしてもらったりしますが、ブラックSEO会社は機械的にリンク数を増やそうとします。

しかしながら、現在の検索エンジンはリンクの量よりも「どういったページからリンクが張られているか」(リンクの質)を重要視していますので、コメントスパムのような質よりも量を取りに行く手法が大きな効果を発揮しにくくなっています。

また、ブログが普及してコメントスパムが増えたことから、リンクに「rel="nofollow"」という属性を付けるとリンク価値がなくなる仕組みが提唱され、検索エンジンもnofollowを認識するようになりました。そのため、最近のブログシステムではコメントに含まれるリンクには自動的にnofollowを付けるものが多くなっており、コメントスパムはSEO効果を発揮せず、単にそのサイトの管理者にとって迷惑なものになる場合が多くなっています。さらに、コメントスパムによって追加されたリンクはサイト管理者によって削除される可能性が高いため、長期的に見ても効果的な対策とは言えないでしょう。

ただし、古いサイトのように自動的にnofollowが付かないサイトもまだまだありますし、適切な管理がなされていないサイトなどでも、コメントスパムが多少の効果を発揮してしまう場合もまだあるのです。

なぜこの手法が問題なのか

そもそも、自分のサイトの順位を上げるために、関係のない第三者のサイトに意味のないコメントを投稿して迷惑をかける行為は、SEO以前に倫理的に問題のある行為です。グーグルもコメントスパムを「ユーザー生成スパム」だとしています。

  • ユーザー生成スパム(Googleウェブマスターセントラル)
    広告のようなコメントや関係のないサイトへのランダム リンクはコメント スパムです。

NG度+行った場合のリスク

NG度の表記について
1無意味な対策です
2サイトの評価が下がる場合があります
3サイトの順位が下がる場合があります
4サイトの順位が大きく下がる場合があります
5サイトが検索結果から削除される場合があります

NG度:3
※サイトの順位が下がる場合があります

コメントスパムを行っていて、それが検索エンジンに認識されるとコメントスパムによって獲得しているリンクの効果がなくなることが予測されます。その結果、既存のリンクの内コメントスパムが占めている割合に応じて順位が下がることが予測されます。

また、テキストの内容やコメントの仕方によってはブランドを傷つけるなど、SEOの観点以外のリスクもあります。

どうすれば見つけられるのか

依頼先のSEO会社が自社サイトに対してコメントスパムからリンクを張っていないかをチェックするためには、リンク元サイトを1つずつチェックして調べます。調査方法は、ワードサラダの回で説明したリンク元の調査方法を参考にしてください。

もしやってしまっていたら

もしコメントスパムを行ってしまっていた場合、まずはコメントスパムを投稿した先方のサイト管理者に連絡をとって謝罪し、可能であれば該当するコメントを削除してもらうようにしましょう。

まずは、自分で管理しているサイトのリンク元を確認することから始めてみてください。

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