ブラックハットSEO大全

ワードサラダとは? - ブラックハットSEO大全#01

インターネット上にゴミをばらまいて汚染していくこの手法
株式会社イトクロ+Web担編集部 2010/10/4 8:00 |

ブラックハットSEO(悪質なSEO)を知り、避けるためのこのコーナー。記事を読んで理解した内容は、SEO会社への発注時に具体的に聞いたり、自社サイトの対策状況をチェックしたりといった使い方をしてほしい。

ブラックハットSEO大全

「ワードサラダ」とは

他サイトのコンテンツをつぎはぎしたり、システムで自動的に生成したりして作った、文法的には間違っていないが、人間が読むと意味をなさない文章、またはそうして作られたWebページやブログ記事のこと。

どんな手法か詳しく解説

たとえば、次のような感じのブログ記事を見たことはないでしょうか。

果たして、定時株とネイルサロンはどのような相関性があるのか、突き詰めて考えてみたいですね。
そして実は、国際部長と八百長について、もっと掘り下げて調べてみたいですね。
かつ、気になったこととして、フリマに関しては、Yahoo! かGoogleで検索してよく確かめてみたいと思います。
ですが、疑問視について、もっと掘り下げて調べてみます。
しかし実は、ホームズに関する情報は、ふ~ん、といった感じですね。

ブルーレイや日教組はなんだかとても面白そうですね。
さらに気になったのですが、靖国神社の情報は、非常に注目しています。
気がついたのですが、ちくわについて、とても気になります。
だが、ハッチバックにとても惹かれました。
しかし、果たして、磯辺揚げとビートルズはどのような相関性があるのか、よく考えてみたいですね。

上記のような、日本語の文法として間違ってはいないが、人間が読んでも意味をなさないコンテンツのこと、または、そうして作られたWebページやブログ記事のことを「ワードサラダ」といいます。

悪質なSEO会社は、ニュースサイトのRSSフィードなど使って情報を自動的に取り込み、そこから単語を抽出してテンプレートに埋め込んだり、マルコフ連鎖などのアルゴリズムや「人工無能」と呼ばれるタイプの技術を使って、ワードサラダのブログ記事を量産します。そして、そのコンテンツ内から、順位を上げたいページにリンクを張ります(文章内に自動的に埋め込んだキーワードからリンクしていることもあります)。

記事の冒頭にだけワードサラダを埋め込み、記事後半はRSSフィードから取り込んだ第三者の文章をそのまま転載するタイプのものもあります。

ブラックSEO会社はなぜこの手法を使うのか

ブラックSEO会社がワードサラダを使うのは、手間や時間をかけずにSEO対象サイトに貼るためのリンクを大量に作るためです。

ワードサラダを利用して作られたサイトは、ユーザーにはまったく意味のないものです。しかし、現在の検索エンジンは、意味を解釈するのではなくテキストを単語に分割して解析するため、ワードサラダをスパムだと正確に判別することができず、ワードサラダを「テキストが潤沢にあるサイト」だと評価してしまうことがあります。

結果として、ワードサラダで作られたページからのリンクが、普通のブログ記事からのリンクと同様に扱われ、リンク先ページの評価が上がるという仕組みです。

また、ほとんど同じ内容を複製して作った「コピーサイト」も同様に、ユーザーにとっては内容が重複しているため有用なサイトではないにもかかわらず、検索エンジンから見るとサイトのコンテンツや作りが正しいものであるためスパムだと判定できないこともあります。

※もちろん「コピーサイト」であると認識された場合は、検索エンジンが本体サイトであると判断したドメインのみを検索結果に残し、他のドメインはインデックスから削除され、削除されたサイトからのリンクは効果がなくなります(「コピーサイト」ではなく、「ミラーサイト」と呼ばれることもあります)。

悪質なSEO会社はこのような状況を逆手に取り、手間をかけずに大量のサイトを作成するのです。こういったサイトは検索エンジンからスパムと判断されない限り、リンク元のサイトとしての効果を発揮します。

残念ながら、こうしたワードサラダを自動生成してブログに大量投稿するツールも出回っています。

なぜこの手法が問題なのか

検索エンジンではオリジナルのコンテンツがほとんど存在しないページを作成し、公開する行為に対して「処置をとる」と明確に示しています。

  • オリジナルのコンテンツがほとんどまたはまったく存在しない(Googleウェブマスターセントラル)

    Google では、無断複製されたページやユーザーにとって価値のない他の自動生成されたページを表示することでランキングを上げようとするドメインに対して、処置を取ります。
  • 検索エンジンスパムとは?(Yahoo!検索インフォセンター)

    以下は、検索エンジンスパムの例です。
    ……(中略)……
    情報をほとんど公開していないにもかかわらず、自動的かつ大量に作られているウェブページ

NG度+行った場合のリスク

NG度の表記について
1無意味な対策です
2サイトの評価が下がる場合があります
3サイトの順位が下がる場合があります
4サイトの順位が大きく下がる場合があります
5サイトが検索結果から削除される場合があります

NG度:3
※サイトの順位が下がる場合があります

リンク元サイトがワードサラダを使用しており、すでに検索エンジンからスパムサイトとして認識されている場合、そういったサイトからのリンクがいくら増えていてもまったく効果が出なくなります。

現在はスパムサイトとして認識されていない場合でも、ワードサラダサイトをスパムであるとする報告が検索エンジンに対して行われたり、検索エンジンがチェックの仕組みを進化させたりすると、スパムとして認識されることになります。

スパムだと認識されると、インデックス更新やアルゴリム変更のタイミングで順位が落ちてしまうこともあります。

どうすれば見つけられるのか

依頼先のSEO会社が自社サイトに対してワードサラダのサイトからリンクを張っていないかをチェックするためには、リンク元サイトを1つずつチェックしていき、ワードサラダが使われているページからリンクが張られていないか調べましょう。

リンク元の調査方法

  • Googleウェブマスターツールを使う方法(自分が管理しているサイトの場合のみ)
    https://www.google.com/webmasters/tools/home?hl=ja

    自社サイトへのリンク元を調べる場合には、Googleウェブマスターツールを使うと便利です。

    ウェブマスターツールで対象サイトを選び、[ウェブ上のサイト]>[サイトへのリンク]メニューを選ぶと、サイト内の各ページへのリンク元を、かなり詳しく調査できます。

    ※ただし、Googleウェブマスターツールでは、自分のGoogleアカウントに管理サイトとして登録したサイトについてしか調査できません。また、一部のリンクの表示しかできないため、大量のリンクを獲得している場合はすべてのリンク元を調べられるわけではありません。
  • Yahoo!サイトエクスプローラーを使う方法(自分のサイトではない場合)
    http://siteexplorer.search.yahoo.co.jp/

    自社サイト以外を調査する場合には、ヤフーのサイトエクスプローラーを使うのが便利です。

    サイトエクスプローラーのページで調査したいリンク先ページのURLを入力して[インデックス検索]をクリックし、表示されるインデックス検索結果ページで、[被リンク元のページ]をクリックすると、そのページへのリンク元が表示されます。必要に応じて、「サブドメインからのリンクを除く」で同じサイトからのリンクを除外したり、「サイトへのリンク」で特定URLへのリンクだけでなく、サイト全体に対する被リンクを調査したりできます。

    ※ただし、最大1,000件までのリンク元しか調べることができません。また、Yahoo! JAPANがグーグルの検索エンジンを採用することで、今後サイトエクスプローラーのサービスが停止される可能性があります。
  • 検索エンジンのリンク検索を使う方法

    ふつうに検索エンジンでリンク元検索を利用することで、あるページに対してリンクしているページを調査できます。

    ヤフーまたはグーグルで、調べたいサイトのURLを「link:」の後に続けて入力すると、そのページに対してリンクしているページが表示されます。

    たとえば、Web担のトップページに対するリンクを調査するには、次のような検索を行います。

    ※ただし、グーグルのlink:検索では意図的に本来認識しているリンクの内の中から幾つかしか返さなかったり、ヤフーのlink:検索では1,000件までしか検索結果に表示されなかったりするため、リンク元をすべて調査できるわけではありません。

もしやってしまっていたら

万が一、自社ドメイン名内にワードサラダページがある場合は、そのコンテンツをすべて削除します。

また、自社サイトのリンク元を調査してワードサラダを使ったサイトが発見された場合は、施策を行ったSEO会社にそのようなサイトからのリンクを外すよう依頼することをお勧めします。

Yahoo!サイトエクスプローラーにログインして自社の管理サイトを追加している場合は、意図せぬスパムリンクを「スパム報告」することもできます。管理サイト一覧からサイトを選んで左のメニューから[インデックス状況]をクリックして被リンク元ページを表示し、スパム報告したいリンク元の左のチェックボックスをチェックして、ページ最下部の[スパム報告]ボタンをクリックしてください。

また、Googleウェブマスターツールに登録することで、他サイトのスパムを報告することもできます。

まずは、自分で管理しているサイトのリンク元を確認することから始めてみてください。

用語集
Googleウェブマスターツール / RSS / SEO / インデックス / サイトエクスプローラー / チェックボックス / ドメイン名 / フィード / リンク / 検索エンジン / 被リンク
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