企業ホームページ運営の心得
顧問契約を受注する口説き文句。メンテナンスがもたらすWeb屋と客のメリット

サイトのメンテナンス契約まで受注することで、WEB屋とお客の双方にメリットがあります
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百八十四

東京水、世界へ

8月26日に東京都の猪瀬直樹副知事を団長とする「東京水道国際展開ミッション団」がマレーシアに飛びました。世界一の日本(東京)の水道技術を売り込むことが目的です。なにしろ、水道管から水が漏れる「漏水率」はマレーシアでは37%ですが、東京都はわずか3.1%です。先進国の漏水率は平均10%ということですから、水道管技術の発達に加えて、絶え間ないメンテナンスが実現した驚異的な数字であることがわかります。そして、インフラにはメンテナンスが不可欠で、メンテナンスは有料、すなわち儲かります。

新幹線(高速鉄道)や原子力発電所の売り込みに欧州や韓国企業が熱心な理由も同じです。Webでたとえるなら、Movable Typeで設計されたサイトを、WordPressの専門家が管理するのが非効率なように、システムを設置した企業がメンテナンスを受注するのは自然な流れで、システムを使い続ける限り半永久的に受注をゲットできるのがインフラビジネスの旨味です。それはビジネスインフラとなった「ホームページ」でも同じです。

今回は永久保存版。メンテナンスを受注するための「究極の口説き文句」を紹介します。

メンテナンスで得られるWeb屋のメリット

サイト構築を手がけたらメンテナンス契約まで受注することで、Web屋に3つのメリットを与えます。1つは「定期収入」をもたらすということです。中小のWeb屋の経営が安定しない理由は「定期収入」が少ないことが大きな要因で、アフェリエイトやアドセンスの「あがり」はわずかで家賃の足しにもなりませんが、メンテナンスを受注できるようになれば、経営は「雪だるま式」に安定していくようになります。2つ目は「作業効率」が上昇することです。長く付き合うことでお客の好みや、意思決定システムを完璧に把握できるようになります。

最後の1つが「結果を把握できる」ということで、これが一番のメリットになります。タヌキの皮算用のごとく、サイトが事前の思惑通りの収益を上げてくれることはまれで、実戦では「トライアンドエラー」を繰り返してようやく結果に結びつけるものですが、メンテナンス契約によって料金を頂戴しながらこれが実現できます。そしてノウハウが蓄積されます。

Web屋以上に大きいお客のメリット

メンテナンス契約を結ぶことでお客にはWeb屋以上の大きなメリットに恵まれます。先ほど述べたWeb屋のメリットはそのままお客のメリットです。

メンテナンス契約なら、個別案件ごとに見積もりを取るより、安価な契約条件を結ぶことが可能となります。積算方法は後半に紹介しますが、ページ単位ではなく月単位の定額制で話をまとめるのがポイントです。継続して取引することで発注者の思想や嗜好、商品・サービスがターゲットとする消費者像を把握してくれ、「阿吽の呼吸」が生まれることによって、口頭で告げるだけで企画をコンテンツ化することも可能となります。

そして「結果」についてもWeb屋の「やり逃げ」を許しません。Web屋のなかには、流行のツールやサービス、今なら「ツイッター」を実力以上にプッシュして導入させるものの、結果に責任をもたない業者もいます。Web屋の仕事はホームページを作ることではなく、Webを使ってお客のビジネスを成功に導くことです。その点、メンテナンス契約は結果責任がついて回ります。つまりメンテナンス契約とは、Web屋の「自信」を量るバロメータでもあるのです。

契約は定額で

メンテナンス契約は月額とします。金額は取引相手の事業規模や更新内容の「作業ボリューム」を算出するところから始めます。通販サイトなら定期的な商品入れ替えや、日々の更新をどちらが担当するかで作業ボリュームが変わりますし、リスティング広告に出稿している場合は、その管理の有無を含んでおおよその作業時間を算出します。この算出した時間を「パート」で積算します。一般事務のパートさんを時給1,000円で毎週8時間ほど雇うぐらいの作業ボリュームならば、

月間で1,000円×8時間×4週=3万2,000円

この金額をベースに「月額」を算定すれば、双方にとって魅力的で説得力があり、納得できるメンテナンス料金となるのです。トドメの口説き文句はこうです。

最新のプロのノウハウをパートさんの時給で利用できます

さらにお得感を出すなら「採用費用も社会保険も福利厚生も不用です」と付け加えます。時給1,000円は安いと思うでしょうが、あくまで「一般事務」の話で、「プロ」の作業速度を時給換算しているわけではないのがミソ。素人が1時間かかる作業を10分で完了すれば、時給6,000円となります。

究極の口説き文句とは

サイト構築費用の中に初年度管理料として盛り込むという方法もありますがこれはオススメしません。請求書が届き、経理処理を経て入金。これをお客の毎月のルーティンワークにすることもメンテナンス契約のキモだからです。経営者や管理者はイレギュラーな金の流れを嫌います。しかし、「毎月」の契約にしてしまえば「維持」しようとする心理的な硬直性が働くからです。

その最たる例が税理士や会計士に支払う「顧問料」です。毎月数万円を支払い、決算月には数十万円を別料金で支払う顧問契約は珍しくありません。会計ソフトで決算書を作れる時代になっても、顧問契約を維持する企業は多いのです。そしてこれが経営者を口説くときに役立ちます。

税理士の顧問料と同じです

生かすも殺すも自由自在

メンテナンス料や更新費用と説明するより、すでに払っている料金を例示することで経営者はイメージしやすくなります。そこで間髪入れずに続けます。

税理士には支払う顧問料は税金を払うためのもの、つまりは出ていくためのお金。我々への顧問料は売り上げを上げるためのもの、つまりは入ってくるためのお金

Web屋の詭弁ではなく、サイトは構築してからの微調整や、軌道修正は不可欠で、本当に商売に役立てるためには「公開後」が重要であることは本稿の読者ならご存じでしょう。そのためのメンテナンスで、お客のためにすすめなければならない契約なのです。

設計時に完璧なサイトプランを100%実現できる

ということでしたら本稿はドブにでも捨ててください。

今回のポイント

メンテナンスは両者にメリットがあるビジネス提案。

わかりやすい例えで理解してもらう。

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