企業ホームページ運営の心得
コンテンツリノベーションで滞在時間200%に

過去のコンテンツを見直し、文章を手直し(リノベーション)することで再活用できることがあります
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百七十四

救世主はリノベーション

今までより、これからのほうが長い

ネットで商売を始めて以来、何度この言葉を口にしたことでしょう。「いつだって今がいちばん若い」という言葉をもじったもので、失敗を恥じるより、それに気がつき改善した自分を励ますということです。また、今までのやり方に固執せずに、新しい方法にチャレンジするという意味も込めています。

アクセス解析をしていると「死んでいるコンテンツ」を見つけることがあります。わずかながらも検索エンジンから一定のアクセスを集めているのですが、そのアクセスが有効活用されていないのです。そんなコンテンツを「リノベーション」で蘇らせます。

滞在率を倍にするリノベーション

リノベーションとは不動産用語で、リフォームよりも大胆に改築することを指します。コンテンツも同様に、レイアウトを見直し、文章を手直しすることで再活用できることがあるのです。

とあるコンテンツを「リノベーション」すると2分26秒だった平均滞在時間は、1週間後に5分12秒と前週比200%に伸びます。また92.86%の直帰率が60.00%まで下がりました。もとが悪かったのだろうという突っ込みは脇に置きますが、ここで行ったリノベーションの手順はこうです。

まず、CSSによってレイアウトと文字組を変えます。画面全体に「余白」があると読みやすい印象を与えることができるので、「padding」で文章周辺に余白を作り「line-height」で行間を広げます。イメージは雑誌などの紙媒体です。そして3~4行単位に「見出し」を入れ、1つの文節を短くします。ツイッターやブログを見ていて感じることなのですが、ネット利用者の読解力は年々、残念なほどに低下しており、文節を短くし文字数を減らすことで読者の心理的負担を軽くするのが狙いです。

よく物書きになれたものだと

あわせて文章も見直します。「てにをは」はもちろん、より「かみ砕いた」平易な文章にし、流れが変わるところでは次章の説明を一言だけ入れて興味が維持されるように務めます。

90%を越える直帰率を放置していたのは、直帰率が気にならないほどのアクセス数と結果を出していたからで、上手くいっているところほど放置してしまうのも反省ポイントです。関連するコンテンツへ誘導することで直帰率を下げることにチャレンジします。

体験談はキラーコンテンツです。こまかな技術や優位性を理解しなくとも同じ「客」の気持ちなら理解できます。このサイトには十分な体験談が用意されおり、トップページからもリンクされています。しかし、このコンテンツから他のページへは直接つながっていませんでした。もったいないお化けがでる話です。そこでコンテンツの途中に「案内」を貼ったところを、3割強の客を「引き留める」ことに成功したというわけです。

そとへ逃がさないために

画面上の「余白」については「好み」という要素が大きいのですが、「トレンド」も影響しています。10年近く、ホームページ制作に関わっている方なら覚えているでしょうが、かつては背景に「透かし彫り」の様にロゴや社名を散りばめたり、和紙や布の「テクスチャー」を貼り付けたりすることが流行っていたのです。「白」よりも「柄」です。「フレーム構造」が市場を席巻し、スクロールしても「余白」が生まれにくかったことも、背景にあるのかもしれません。

続けて弊社の話。弊社では前日のアクセス数と検索されたキーワードが、毎朝メールで届くようにプログラムを組んでおります。後述するようにアクセス解析にグーグルアナリティクスも併用していますが、毎朝必ずチェックにいくほど勤勉ではないので自作しています(グーグルアナリティクスにもメール送信機能はあります)。

ある日から、アクセス数で「セブンイレブン」という記事を目にするようになりました。チェックしてみると、セブンイレブンのドミナント戦略を解説したコンテンツが「セブンイレブン 営業戦略」で検索すると、グーグルの検索結果で1ページ目の下の方に表示されています。

2003年は素人でした

早速チェックすると見事な駄文です。論旨はわかりますが文章として成立していませんし、内部(ソース)を見るとSEOの甘さも目立ちます。7年前の原稿です。こんな文章を公開していては「物書き」としても「ホームページ屋」としても信用に関わると、リノベーションします。すると、ヤフーでもグーグルでも1位(平成22年6月21日現在)で表示されアクセス数も上がりました。

背中に冷たいものが走ります。弊社で管理しているサイトの「人気コンテンツ」を中心にチェックすると随所に「古くさく」「下手くそな文章」のコンテンツを次々と発見。永いお付き合い、つまり昔に作ったものほどこの傾向は顕著で、クライアントが気づく前にリノベーションをしております。ちなみに弊社管理サイトはクライアントから「事後承諾」で修正、訂正することにご理解いただいております。

昨年、今年は素人表現

グーグルアナリティクスの画面。過去と比較を選択すると2つの期間のアクセスを比較できる

リノベーションの効果をチェックするには、「グーグルアナリティクス」の「過去と比較」を使います。使い方は簡単。グーグルアナリティクスのカレンダーで希望の期間をクリックして指定するだけです。この時「コンテンツ→コンテンツの詳細」を選択すると、滞在時間や直帰率の変化をグラフで比較できます。

拙著を上梓したのが2006年、この頃の文章でさえ稚拙さに耳まで赤くなります。それ以前の素人時代の文章は見栄えを修正する「リニューアル」ではなく、基礎にまで手を加える「リノベーション」でなければ使えないほどでした。統計データは経年劣化していますし、ビジネスコンテンツにおいての「昨年」「今年」といった相対的な表現は「来年」には使えなくなることを素人時代は知らなかったのです。

ブログなどのCMSでは、デザインなどの雰囲気を「一括変換」できますが、肝心の文章はそのままです。ときにはじっくりと過去のコンテンツを見直してみると「今までより、これからのほうが長い」と自分に言い聞かせなければ、恥ずかしくて向き合えない自分が作ったコンテンツに出会います。

今回のポイント

文章も劣化することがある。

見落としている導線は以外と多い。

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