実践編

KGIは見なくても良いのではないか?

KGIは見なくても良いのではないか?

このサイクルを見れば気づくことがあるのではないだろうか? そう、KGIとKPIがしっかり結び付けられていれば、KGIのことはともかく、いつもKPIをにらんでいれば良いのだ。

レシピ集を毎週点検していると、最近あまり伸びていないことがわかった。こうしたコンテンツは新規訪問者が少しずつリピーターとして定着していくから、毎週105%ぐらいの伸びになってもおかしくないのだ。その伸び率を基準として設定し、2週連続でこの基準を下回ったら何か手を打つと決めておくと、さらに行動がとりやすくなる。

では、打つ手としてはどんなものがあるか。

  1. 新たなコーナーを作る。
  2. 人気料理研究家に登場してもらう。
  3. プレゼントやレシピコンテストといったイベントを行う。
  4. メール登録されているリピーターにメールを配信する。

こういったものが考えられるだろう。これらの裏には、

  • 新規訪問者を増やす。
  • 新規訪問者に再訪を促す。
  • リピーターに再訪を促す。
  • 巡回が活発ではなくなっているリピーターに巡回を促す。

といった考え方があるわけだ。この考え方に基づいてリストアップすれば、行動リストはすぐに並べられるだろう。この行動リストを用意しておいて、2週連続でKPIが基準を下回ったら(警告灯が光ったら)、すぐ行動に移すのだ。そうすればサイトは良いパフォーマンスを回復し、結果として、KGIも達成されていく

Webというのは、秘密のノウハウや新奇性の高いシステムの導入で良くなっていくものではない。普通のビジネスマンが理詰めで良くしていくことのできる、まともなビジネスフィールドなのだ。

ゴールが見あたらないサイトでKPIを導入する

冒頭に書いたように、「うちのサイトにはゴールがない」と言うWeb担当者が多い状況に、実践的に対処していかなければならない。

サイトのパフォーマンスを維持向上するということは何かの目標意識と結びついていることが欠かせない。実践編として言い切ってしまうならば、次のようにアドバイスしたい。目標がないサイトは、次の10点をゴールとするといいだろう。

企業サイトのゴール例10点
  1. 訪問者数
  2. 訪問者の平均ページビュー数
  3. サイト全体の直帰率
  4. 2ページ以上見た人の平均ページビュー数
  5. 会社のメッセージとして見せたい企業情報ページのセッション数
  6. 会社のメッセージとして見せたいIR情報ページのセッション数
  7. 会社のメッセージとして見せたいCSR情報ページのセッション数
  8. 会社のメッセージとして見せたい採用情報ページのセッション数
  9. 会社として今一番見せたい製品情報ページの詳細情報のセッション数と入り口回数
  10. お問い合わせページのセッション数

この10項目を意識していれば、とりこぼしはないだろう。ちなみに、(9)で、製品情報ページの「詳細」情報のセッション数と書いているのにはわけがある。つまり、製品情報が「良く見られている」といっても、目次のページや製品トップが見られているのではつまらない。リンクをクリックして詳細情報に到達した人は、何かサイトのメッセージを受け取って、関心を持ったことになる。だから、その量を増やすことを目標と考えるのだ。

企業情報やIR情報でも、コーナートップのページが見られたというのはあまり指標としてはよろしくない。なぜなら単にグローバルナビゲーションを順番にクリックして全体をチラ見している訪問者が、ある程度あるからだ。そうした人がコーナートップを訪れても、すぐにグローバルナビゲーションをクリックして隣のコーナーに逃げてしまう。採用情報や企業情報を得ようとしている人に多いパターンだ。新しい取引先や、御社に何かを売り込みたいと考えている営業マンやメディアの人間も、そうしたサイトチェックを行っている。読者もきっとふだんは相手の会社をそうして見ていることだろう。

だから、コーナーで何かのリンクをクリックした人の数を計りたいのだ。コーナートップページにはリンクボタンがたくさんあるため、全部のボタンクリックをチェックするのは現実的ではない。そこで、もっとも訪れてほしいページを1つずつ選んで指標とし、そのページへの移動回数をにらんでおくのだ。

しかもその入り口回数もチェックしておくとなお良い。特に商品情報の詳細ページは、独自に(一覧ページからではなく)集客をしていることが多い。これはこれで非常に良いことなのだが、それは次のアクションとしておいておこう。まず詳細ページが入り口としてではなく、サイト内のリンクからどれぐらい選ばれたか、ということを目標にすることが、サイトの働きを評価する基本だと言える。

これらの指標を、アクセス解析ツールの「マイレポート」や「ダッシュボード」で一覧できるようにし、前週や前月、前年同月と比較できるようにしていけば、あとは毎週、曜日を決めて、アクセス解析ツールにログインするだけだ。

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