連載衣袋宏美のデータハックス
“参照元なし”は多い方がいい? リファラなしの8パターンを全部言えますか?——流入分析(1) [アクセス解析tips]

衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン) 2010/4/1(木) 10:00 (35)この記事をはてなブックマークに追加(81) 印刷用印刷用
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衣袋宏美のデータハックス

前回、アクセス解析の基本的な手順について説明した。

  1. 集客(流入)フェーズ
  2. 接客(回遊)フェーズ
  3. 成約(コンバージョン)フェーズ
  4. 再訪(リテンション)フェーズ

今回から数回にわたって、集客フェーズの分析、すなわち流入分析をくわしく説明していく。

流入分析はサイト全体の参照元分析から始める

流入分析はサイトへの訪問理由を知るということで、具体的には参照元を活用する。具体的に流入分析でカバーする範囲は、アクセス解析のメニューで言えば、「参照元サイト」「参照元URL」「検索エンジン」「キーワード」「キャンペーン」などといったメニューに該当する。

Google Analyticsのメニュー
図1:Google Analyticsのメニュー

一般に分析の手順としては、大きく見ることから始めて、徐々にブレークダウンあるいはセグメント化していくことをお勧めしている。流入分析でもこれに従い、まずは次のように「サイト全体の参照元のカテゴリー」の傾向を把握することからスタートしよう。

参照元の3分類
  • 参照元なし(ノーリファラー)の流入
  • 検索サイト(検索エンジン)からの流入
  • その他参照サイトからの流入
Google Analyticsのトラフィックサマリーから
図2:Google Analyticsのトラフィックサマリーから

当然各サイトの特徴が出るので、どういうシェアになるのがよいなどという黄金則はない。全般的な傾向で言えば、最近は検索エンジンからの流入の割合が相対的に高いのではないだろうか。よく訪問するサイトでもブックマークを使わず、検索エンジンを使っていつものサイトに訪問するようなユーザー行動が多く見られ、検索エンジンをブックマーク代わりに利用する傾向が増えているためだ。ただしこれは著名なサイトの場合に限られる。なぜなら検索エンジンをブックマーク代わりに使えるのは、検索エンジンで1ページ目の上位に掲載されることが明白で、かつユーザーの方もそれを認識しているようなサイトだからだ。

その点、図2の一番上のサイトは開設してまだ日の浅いサイトで、参照サイトが最も割合として高い。これはまだ認知が低いため検索されないということとも関連する。どこかのサイトで紹介されてリンクを張られているところからアクセスを呼んでいる訳だ。このように日の浅いサイトでは、検索エンジンに登録されること、ユーザーの認知を上げることが重要になる。その場合、結果として検索エンジンからの流入割合が徐々に高くなっていくかどうかということをKPIとして中期的に追跡していくというのも1つの手である。

参照元なし(ノーリファラー)とは

アクセス解析ツールのレポートで「参照元なし」になるケースは次のようなものだ。

  • ブラウザのアドレスバーに直接URLを入力してサイトに訪問した場合(2~3文字入力しただけでも最近は過去に閲覧した候補サイトが表示される入力補助機能がある)
  • ブラウザのブックマーク(お気に入り)からサイトに訪問した場合
  • メーラーなどアプリケーション内のリンクからサイトに訪問した場合(ただしWebメールを利用している場合は、WebページからのリンクなのでそのWebメールのページの参照元情報がつく)
  • ブラウザの設定で参照元情報を残さない設定にしてサイトに訪問した場合
  • セキュリティソフトで参照元情報を送信しない設定にしてサイトに訪問した場合
  • メタタグによるリダイレクトなどによる転送によるサイト訪問の場合(FirefoxとIE)
  • httpsページからhttpページへの訪問の場合
  • Flashコンテンツ(Flashバナーも)内のリンク機能でサイトに訪問した場合

厳密にはブラウザやそのバージョンによって動作がマチマチなことがあるので、すべてがこのように動作するということではないことをまずお断りしておく。サーバーログ型のアクセス解析ツールでもJavaScriptタグ型アクセス解析ツールでも、おおよそ同じと考えていただきたい。

問題は、このようにさまざまなケースがあるために、それぞれの「参照元なし」のアクセスがどのパターンだからなのかは誰にもわからないという点だ。

メルマガを出している場合は、メーラーで受け取る割合が多いのかWebメールで受け取る割合が多いのかで傾向が異なってくるので、メルマガからの流入にはダミーパラメータなどをつけて判別できるようにし、参照元情報は利用しないという工夫が必要だ。

また広告効果を測定する際に、リダイレクトを利用していたり、フラッシュバナーを出していたりする場合には、参照元情報は当てにならないので、こちらもリダイレクトファイル自体を計測したり、クリックイベントを計測するなど、参照元情報以外の計測手段を利用すべきだ。こちらについては、キャンペーン分析の回で改めて詳しく解説したい。

上記のさまざまな原因によって「参照元なし」になるのだが、強いて何かサイトの傾向を知る手がかりを挙げるとすれば、比較的リピーターの割合が多いサイトでは、参照元なしが多めに出る傾向が見られるようだ。上記の要因の中でも、割合としてはブックマークからの来訪やアドレスバーへの直接入力の場合が多いと想像されるからだ。

もちろんこういった傾向は、ブラウザのバージョンや技術が進化したりすると動作も変わってくる可能性も高いので、あくまでそういった傾向がでることもあるという程度に思っておこう。

まとめ

  • 流入分析の最初のステップは「参照元サイト」「参照元URL」「検索エンジン」「キーワード」「キャンペーン」などといったメニューから行う
  • サイト全体の参照元のカテゴリの傾向を把握することから始めよう
  • 参照元なし(ノーリファラー)にはさまざまな要因がある
  • 比較的リピーターの割合が多いサイトでは、この参照元なしが多めに出るという傾向が見られる

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衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Web Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

編著に『ネット視聴率白書2009〜2010』、監訳書に『Webアナリスト養成講座』がある。ブログ:Insight for WebAnalytics

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