連載Google Analyticsの使い方&解析ワザ
ページ遷移に着目したサイトのナビゲーション改善 Google AnalyticsでSEO

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数値から見えてきたもの

今回、題材となったホテルサイトのページ遷移の画面をお見せする事ができなかったため、便宜的に数値のみを切り出した表を用意した。

ブランドワードリピーターの
トップページからのページ遷移
URL セッション 割合
空き室情報 564 14.10%
ご宿泊 519 12.98%
お得情報 438 10.95%
レストラン 331 8.28%
客室情報 251 6.28%
ブランドワード新規ユーザーの
トップページからのページ遷移
URL セッション 割合
レストラン 467 15.95%
客室情報 382 13.05%
ご宿泊 359 12.27%
宿泊プラン 204 6.97%
フォトギャラリー 177 6.05%
※URLの部分は該当するページ名を表記。Google Analyticsの画面上には、実際のURLが表示される。

例に挙げたホテルサイトの「ブランドワードリピーター」が最初に選ぶ行き先は、「空き室状況」「ご宿泊」「お得情報」の3つが多い(表左)。リピーターだから「空き室情報」「ご宿泊」が選ばれるのは考えてみれば当たり前だ。さらにリピーターが「お得情報」を気にしている姿が目に浮かぶ。

次に、「ブランドワード新規ユーザー」の動きを見てみよう(表右)。この「ブランドワード新規ユーザー」も当然「お得情報」に遷移しているだろうというのが当初の予測だったのだが、ページ遷移で一番多かったのは「レストラン」「客室情報」の順だった。さらに「フォトギャラリー」へのアクセスも多いことを考えると、宿泊するホテルがどんな場所なのかを知ろうとする姿が浮かび上がってくる。ここから、初めてそのホテルのサイトに訪れたユーザーは、お得情報や予約画面に行く前に、じっくりとそのホテルがどんな場所か調べることが予想できるだろう。

2つのナビゲーション分析

「ページ遷移」と良く似た機能に「ナビゲーション一覧」がある。これらは同じ「ナビゲーションの分析」内に位置しているのだが、どこが違うのだろうか?

今回紹介した「ページ遷移」は入り口セッション(閲覧開始ページから始まるセッション)からの遷移だけを見る機能である。反対に「ナビゲーション一覧」は、入り口セッションではないページビュー、つまり、後からトップページに戻ってきた場合なども含まれた、すべてのページビューの前後を見る機能になる。

入り口ページに来たユーザーが最初に行く場所は、はたしてどこか? 「ページ遷移」は、入り口ページにランディングしたユーザーの動きだけを見極めることができるのである。

参考: ページ遷移とナビゲーションサマリーレポートの違い

解析結果をもとにしたサイト改善の手順

サイト改善前のメニューはこのような構成になっていた。ここに、ページ遷移で分析したリピーターと新規ユーザーそれぞれの動きを重ね合わせてみたい。

ホテルサイトトップページのメニュー構成(改善前

ずいぶん練った上で決めたメニューだったが、実際にページ遷移を解析した結果、リピーターが気にする「お得情報」と「空き室情報」は画面の下に位置している。新規ユーザーの立場で見ても、「レストラン」と「客室情報(「客室へ」のリンク)」が離れていて、グローバルナビの「イベント」はあまりクリックされていない。考えてみれば、どんなイベントがあるのかわからないからクリックする人が少ないのかもしれない。

アドバンスセグメントで絞り込みページ遷移で分析すると、ユーザーのタイプが明確になり、そこからサイトの欠点が見えてきた。そこで上記のメニューを再検討してみたのが以下の図だ。

ホテルサイトトップページのメニュー構成(改善後

ホテルにとって大事なリピーターに対して、できるだけ手間をかけずに動けるように工夫している。トップページで、そのまますぐに宿泊日を指定して予約できるようにし、「お得情報」をすぐ下に配置した。

グローバルナビは、宿泊を目的とした新規ユーザーが関心を持つ項目を順に並べてみた。これで、新規ユーザーはグローバルナビをみるだけで自分にあった動きができるはずだ。イベント情報は中味を出して、中央に配置することにした。

◇◇◇

今回のケースはほんの一例に過ぎず、これが決してベストの案だというつもりもない。どれも当たり前のことに見えるし、そんなのはじめからわかっていることだと思えるかもしれない。しかし、長年サイト作りをやっていると、どうしても制作側の人間の多くはユーザー中心に考えることができなくなってしまう。結局、声の大きい人の意見が通ったり、妥協をして中途半端な案になったりしてしまうものだ。

ユーザーをセグメントに絞り込むことで、仮説が立てやすくなり、チームが共通の認識で前に進むことができる。これは、現場を動かすうえで大きなポイントだ。ユーザー中心にサイトを改善していくための取り組みの1つとして、アクセス解析のセグメンテーションは価値があるのではないだろうか。

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大内範行氏

大内 範行(おおうち のりゆき)

アユダンテ株式会社 エグゼクティブ・プロデューサー
2000年からSEOに取り組み、SEO実施前後に必ずアクセス分析で効果測定を実施する手法で100件以上のサイトのログを見てきた。Google Analyticsだけでなく、生ログからSiteCatalystまで多くのアクセス解析ツールに触れ、アクセス解析が何よりも好きな人間。アクセス解析の情報を集約した「アクセス解析イニシアチブ」を有志で立ち上げる。

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