Google Analyticsの使い方&解析ワザ
ページ遷移に着目したサイトのナビゲーション改善 Google AnalyticsでSEO

データに基づいたサイト改善を行う場合にも、まずは仮説を立ててみることが重要だ。
SEO/SEMに効く! Google Analyticsの使い方&解析ワザ

具体的な事例とツールの解析ワザを中心としたGoogle Analytics活用の実践Tips集
もちろんSEO/SEMも織り交ぜながら解説していきます。

アクセス解析のデータをもとにサイトを改善していく場合、共通点が多い集団に絞り込んで分析するセグメンテーション手法が有効だ。このセグメンテーションを簡単に実現できるGoogle Analyticsの「アドバンスセグメント」は、アクセス解析を行う上で、とても重要な機能になることは前回前々回の記事で、その設定方法とともに解説してきた。

しかし、絞り込みまではできても、その後どうやって改善していくのか? 担当者が知りたいのはそこではないだろうか。今回はその取り組み方の例を紹介しよう。

ブランドワードを軸にした改善方法

ここからは、架空のホテルサイト「ウェブタンホテル」を例に進めていくことにする。このホテルは、十分な検討を行ったうえで見は見栄えの良いデザインのサイトを作ったつもりだったが、お客様から「サイトがわかりにくい」と言われてショックを受けていた。そこで、どうしたものかと僕に相談が来た。

※架空のホテル名だが、使った手法や解析結果は実例に基づいている。

前回、アドバンスセグメントの設定例として「ブランドワード」での絞り込みを紹介した。もう一度おさらいをすると、ブランドワードとはサイト名や会社名、サイト運営者名、主な商品・サービス名など、そのサイトのブランドを表現する検索ワードを指す。ホテルのサイトの場合はそのホテル名がブランドワードだ。

このホテルのサイト改善を行っていくうえで、僕はまずブランドワードのアドバンスセグメントを作った。検索エンジンからの流入のうち、ブランドワードを含むセッション比率が一番高かったからだ。さらに、このブランドワードで検索してきたユーザーを、リピーター(ブランドワードリピーター)と、新規ユーザー(ブランドワード新規ユーザー)の2つに分け、別々に分析していった。

いずれのユーザーにしても、ホテル名を指定してくれているので重要なお客様の可能性が高いことに変わりはない。ただし、新規ユーザーとリピーターでは、求めているものが違うはずだという仮説を立てたのだ。

アドバンスセグメントの設定例

では、ここでアドバンスセグメントの絞り込みを図でもおさらいしておこう。文字の揺らぎを考慮しながら、ブランドワードになりうる「キーワード」をor条件で複数指定して、あとはand条件で「ユーザーの種類」に「New Visitor(新規ユーザー)」か「Returning Visitor(リピーター)」を加える。

アドバンスセグメントの編集画面
ウェブタンホテルに関するブランドワードで検索してきたリピーターを絞り込む。

ページ遷移という解析手法

アドバンスセグメントが設定できたら、次に「ページ遷移」を見ていくことにしよう。このページ遷移で解析するやり方は有効な取り組みの1つだ。

この手法の基本は、絞り込んだユーザーが、入り口ページ(閲覧開始ページ=今回はサイトのトップページ)の次にどこに行くかを見極めることにある。そこを分析することで、あるセグメントに絞り込んだユーザーが、何を求めているのかが推測できる。その推測結果からサイト改善の仮説を作り、実際に入り口ページを修正して効果を測定していく。

ページ遷移の設定例

ページ遷移では、入り口ページを起点としたユーザーの次の一歩を見ることができる。「ブランドワードリピーター」のページ遷移を確認する場合には、アドバンスセグメントで、「ブランドワードリピーター」のセグメントだけに絞り込んだ後、左メニューの「コンテンツ」から「閲覧開始ページ」を選択する。ホテルサイトの場合、閲覧開始ページはトップページであることが多く、上位に現れたトップページ(※「/」「index.html」などサイトによって異なる)を指定し、さらに表示されたメニューの右側、「ナビゲーションの分析」の欄にある「ページ遷移」を選ぶ。

ページ遷移の設定画面(項目、数値はサンプル)

数値から見えてきたもの

今回、題材となったホテルサイトのページ遷移の画面をお見せする事ができなかったため、便宜的に数値のみを切り出した表を用意した。

ブランドワードリピーターの
トップページからのページ遷移
URL セッション 割合
空き室情報 564 14.10%
ご宿泊 519 12.98%
お得情報 438 10.95%
レストラン 331 8.28%
客室情報 251 6.28%
ブランドワード新規ユーザーの
トップページからのページ遷移
URL セッション 割合
レストラン 467 15.95%
客室情報 382 13.05%
ご宿泊 359 12.27%
宿泊プラン 204 6.97%
フォトギャラリー 177 6.05%
※URLの部分は該当するページ名を表記。Google Analyticsの画面上には、実際のURLが表示される。

例に挙げたホテルサイトの「ブランドワードリピーター」が最初に選ぶ行き先は、「空き室状況」「ご宿泊」「お得情報」の3つが多い(表左)。リピーターだから「空き室情報」「ご宿泊」が選ばれるのは考えてみれば当たり前だ。さらにリピーターが「お得情報」を気にしている姿が目に浮かぶ。

次に、「ブランドワード新規ユーザー」の動きを見てみよう(表右)。この「ブランドワード新規ユーザー」も当然「お得情報」に遷移しているだろうというのが当初の予測だったのだが、ページ遷移で一番多かったのは「レストラン」「客室情報」の順だった。さらに「フォトギャラリー」へのアクセスも多いことを考えると、宿泊するホテルがどんな場所なのかを知ろうとする姿が浮かび上がってくる。ここから、初めてそのホテルのサイトに訪れたユーザーは、お得情報や予約画面に行く前に、じっくりとそのホテルがどんな場所か調べることが予想できるだろう。

2つのナビゲーション分析

「ページ遷移」と良く似た機能に「ナビゲーション一覧」がある。これらは同じ「ナビゲーションの分析」内に位置しているのだが、どこが違うのだろうか?

今回紹介した「ページ遷移」は入り口セッション(閲覧開始ページから始まるセッション)からの遷移だけを見る機能である。反対に「ナビゲーション一覧」は、入り口セッションではないページビュー、つまり、後からトップページに戻ってきた場合なども含まれた、すべてのページビューの前後を見る機能になる。

入り口ページに来たユーザーが最初に行く場所は、はたしてどこか? 「ページ遷移」は、入り口ページにランディングしたユーザーの動きだけを見極めることができるのである。

参考: ページ遷移とナビゲーションサマリーレポートの違い

解析結果をもとにしたサイト改善の手順

サイト改善前のメニューはこのような構成になっていた。ここに、ページ遷移で分析したリピーターと新規ユーザーそれぞれの動きを重ね合わせてみたい。

ホテルサイトトップページのメニュー構成(改善前

ずいぶん練った上で決めたメニューだったが、実際にページ遷移を解析した結果、リピーターが気にする「お得情報」と「空き室情報」は画面の下に位置している。新規ユーザーの立場で見ても、「レストラン」と「客室情報(「客室へ」のリンク)」が離れていて、グローバルナビの「イベント」はあまりクリックされていない。考えてみれば、どんなイベントがあるのかわからないからクリックする人が少ないのかもしれない。

アドバンスセグメントで絞り込みページ遷移で分析すると、ユーザーのタイプが明確になり、そこからサイトの欠点が見えてきた。そこで上記のメニューを再検討してみたのが以下の図だ。

ホテルサイトトップページのメニュー構成(改善後

ホテルにとって大事なリピーターに対して、できるだけ手間をかけずに動けるように工夫している。トップページで、そのまますぐに宿泊日を指定して予約できるようにし、「お得情報」をすぐ下に配置した。

グローバルナビは、宿泊を目的とした新規ユーザーが関心を持つ項目を順に並べてみた。これで、新規ユーザーはグローバルナビをみるだけで自分にあった動きができるはずだ。イベント情報は中味を出して、中央に配置することにした。

◇◇◇

今回のケースはほんの一例に過ぎず、これが決してベストの案だというつもりもない。どれも当たり前のことに見えるし、そんなのはじめからわかっていることだと思えるかもしれない。しかし、長年サイト作りをやっていると、どうしても制作側の人間の多くはユーザー中心に考えることができなくなってしまう。結局、声の大きい人の意見が通ったり、妥協をして中途半端な案になったりしてしまうものだ。

ユーザーをセグメントに絞り込むことで、仮説が立てやすくなり、チームが共通の認識で前に進むことができる。これは、現場を動かすうえで大きなポイントだ。ユーザー中心にサイトを改善していくための取り組みの1つとして、アクセス解析のセグメンテーションは価値があるのではないだろうか。

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