インタビュー

既存の情報資産をそのまま活用しながら散在したコンテンツを統合管理

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既存の情報資産をそのまま活用しながら散在したコンテンツを統合管理

●編集部 6月15日に発表されるCIPについて教えてください。

●ドミトリ CIP(Content Integration Platform)は、コンテンツフラグメンテーションの問題を解決するためのものです。

調査によれば、75%以上の企業がドキュメント管理システムやビデオや画像の管理システム、Webコンテンツの管理システムなど、複数のコンテンツ保管場所を持っています。そのうち25%は保管場所が15か所以上あります。また、コンテンツは地理的にも分散しています。国際的に展開している企業なら、日本と米国と欧州のそれぞれにコンテンツの保管場所があるといったようにです。その結果、もし何かのドキュメントやデータがほしい場合には、それがどこにあるか探して入手するのにかなりの時間を費やさなければならないといったことがよくあります。地理的に広がっていない場合でも、多くの部署がある大企業ではよくあることでしょう。

また、散在しているのは情報だけではありません。人間も複数拠点に散在しています。CIPは、こういった人や情報の散在による生産性の低下を解決するものです。異なるグループの人や異なるソースの情報を持ってきて一緒に利用できるのです。

具体的にどのような仕組みか説明しましょう。複数のサーバーに情報が散在しているのが図3の状況です。まず、それぞれのサーバーにCIPのエージェントをインストールしておきます。このエージェントが、各コンテンツのメタデータを整理して仮想的なディレクトリ(Content Directory)に渡しています。Webサイトを制作をしていて何か必要なコンテンツがある場合は、このディレクトリに対して検索をかけます。必要なコンテンツが見つかったら、本来の保管場所からエージェントを通して入手するという仕組みです。GoogleがインデックスしたWebページを検索するのと同じイメージです。

図3 CIPによって既存のシステムはそのままに散在したコンテンツを管理できる

このエージェントは、Content ServerだけでなくドキュメンタムやMicrosoft Office SharePoint Server(以下、SharePoint)といった他社のコンテンツ管理システム、WindowsやUNIXのファイルシステムなどにもインストールして連携させることができます。非常にスケーラブルで柔軟なシステムです。

たとえばSharePointは企業でドキュメント管理に使われている事が多く、そこには製品情報や動画や画像が保管されています。マーケティング担当者なら、Webページ以外にカタログなどの印刷物のデータをSharePointで管理している場合もあるでしょう。そのカタログに使われている画像を新しく作るWebページに使いたいという場合、従来でしたらまずSharePointを開いて目的の画像をコピーし、その後にCMSを開いてそれをペーストして保存という手順が必要でした。しかしSharePointにCIPのエージェントをインストールしておけば、Content Serverの画面上にその画像を呼び出すことができ、さらにはそのメタ属性も参照することもできます。そしてそのまま、作成しているWebページ(テンプレート)に画像をドラッグアンドドロップするだけで簡単にコンテンツを共有できるのです。

SharePoint側で何か新しい画像がアップロードされたらContent Server側でもそれを見ることができますし、Webページに取り込んで使うことができます。また、画像サイズが小さければデータをそのままコピーしますが、もし大きすぎる場合はプレビューデータを自動作成してそれをWebページに貼り付ける設定もあります。

このシステムの良いところは、すでにあるSharePointの情報資産をCMSに移行することなく、そのままWebページに使うことができるということです。SharePointでドキュメント管理をしている人にとっては、それまでの作業と何も変わらずにSharePointを使い続ければよく、Webサイト制作をしているマーケティングのチームは、簡単な作業でドキュメント管理システム内の情報をそのまま流用できるのです。

たとえば、米国の製造業大手がドキュメント管理にドキュメンタムを使っていて、FatWireと連携させています。この事例では、ドキュメンタムとFatWire間の通信経路はhttpsで暗号化しています。ドキュメンタム側とFatWire側のそれぞれで各ドキュメントに対するアクセス権限の管理ができるので、権限のない人が画像やデータを削除してしまったりコピーしてはいけないものをコピーする心配もなく、情報セキュリティ上も安全です。

FatWire株式会社
代表取締役
田中 猪夫 氏

●田中 ちなみに、ドキュメンタムは、WCMの機能が弱かった。そこで、ドキュメンタム は従来のまま使いつつ、配信だけFatWireということを行っています。既存の資産を使っているので、誰も困らずに最小の投資で最大の効果を得られた事例ですね。


●ドミトリ コンテンツフラグメンテーションの問題をまとめましょう。コンテンツの散在は生産性低下の原因になります。しかし、すべての情報資産を一体化してしまうと、情報セキュリティ上の問題が起こります。これを解決するのがCIPです。FatWireは、情報がどこに保存されているかにかかわらず、セキュリティに配慮した共有と管理と検索を実現する堅牢なソリューションを提案するのです。

求められるマーケティング・マネジメント

●編集部 今後の予定について教えてください。

●ドミトリ 今後のロードマップですが(図4)、2009年の前半にCIP 1.5とTeamUp 3.1をリリースします(6月15日に日本も同時発売)。CIP 1.5は、CIP1.1の機能に加え、新たに各リソースシステムへのJavaによるコネクター開発を可能にするものです。2009年の後半には、先ほど説明したGadget ServerとCommunity Serverが出ます。2010年以降、Content Server 8が出ます。ContentServer 8が目指すのは、Gadget、Communityをマーケッティングインフラとして提供するサーバー製品になっていくということです。

図4 FatWireのロードマップ。2009年の7月~12月までにGadget ServerとCommuniti Serverを、2010年にはContent Server 8をリリースする予定。

●田中 日本ではまだ販売していないのですが、FatWireは企業内コラボレーションツー ルとしてWikiのサーバーも発売しています。それらも機能強化してCommunity Server(User Generated Content)で提供します。マーケティングをやりたい人に対しての総合プラットフォームになるというのがFatWireの位置づけです。

●ドミトリ 静的なコンテンツの管理のみを行うCMSの市場は頭打ちになっていて、マーケティングをサポートするものとしてのマネジメントシステムが求められるようになっています。既存のCMSではこのマーケティング・マネジメントまではカバーできません。それが可能なのが、FatWireのソリューションなのです。

●編集部 ありがとうございました。

FatWire株式会社

FatWire株式会社
  • 所在地 ● 東京都中央区八丁堀4-9-4 西野金陵ビル6F
  • 代表取締役 ● 田中 猪夫
  • 設立 ● 2003年
  • URL ● http://cms.fatwire.com/
  • 事業内容 ● FatWire Software社のコンテンツマネジメントシステム「Content Server」の開発、販売、サポート。

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