連載身近なトピックで知るダイレクトマーケティング - DM学会コラム
メディアの多様化で利用者は変わった……企業も縦割りメディア思考を捨てよう!

日本ダイレクトマーケティング学会 2009/6/23(火) 09:00 (5)この記事をはてなブックマークに追加(8) 印刷用印刷用

最大の情報源はブログ

なるほど、そういう動きもあるんですね。私は、家に帰ってもパソコンばかりで、テレビはあまり見なくなりました。

テレビはどれくらい見てるの?

平日は1日あたり30分くらいでしょうか。「ワールドビジネスサテライト」とか、全部は見ないですけどチラッと見る感じです。あと「アメトーク!」とか……。寝る前に、布団に入って見る感じですね。

Sが一番接触点が多いのは、もしかしてブログ?

そうですね。

それは1つの象徴的なことかもしれない。昔は、テレビや新聞から情報を取ることが多かった。それが今や、君にとってはブログになっている。

君にとって、テレビ・新聞の位置づけは何なの?

新聞は取ってないです。テレビを見ないから、CMも見ないですよね。

じゃあ、新しい商品情報はどこで取るの?

ブログです。

それは、君にとって「この人の言うことなら信用できる」というブロガーがいるということ?

そうですね。日頃から見ているブログが何十個かあります。

そのブロガーはアフィリエイトで儲けているわけではないの?

アフィリエイトはあまり気にしてないですね。本当に記事が豊富で参考になるので、逆にこの人のプログから買ってあげたいと思います。毎日タダで読んでいるわけなので、当然の対価だと思います。最近のブロガーは、写真とかデザイン、情報量がすごい。プロ顔負けです。商品写真を撮るときも、ただ撮るだけではなく背景も凝っているんですよ~。その時々で、レースやキラキラのアクセサリーを下に並べたり。タダで読むのが申し訳ないくらい!

企業も注目! 購買行動に影響力を持つブロガー

ブログを含め、個人の情報発信力が昔に比べて洗練されているね。今は個人編集者の時代だと思う。雑誌が売れなくなってきたというのは、個人の情報発信のメディアが出てきた影響も大きいんじゃないか。

編集、製作、流通まで1人でできてしまいますよね。

「この人の言っていることは信用できる」「書き方に好感を持てる」「センスを感じる」というお気に入りのブログを人それぞれ持っているんだと思う。それがさまざまなジャンルにわたっている。これはここ数年の大きな変化だと思う。

企業もマーケティングにブロガーを取り込んで、優遇していますよね。

ブログはユーザーに影響力を持っているので、企業も意識せざるを得ない。ブロガーの存在がきちんと認められ、マーケティングに組み込まれているということだね。今は、クチコミを意識しないメーカーはあり得ない。宣伝部や調査部、マーケティング部、どの部署に該当するかわからないが、ネットをチェックしている人が会社には必ずいるはずだ

有名人やタレントでも、ブログから人気が出る人も増えていますよね。

ブログがメディアと言えるかどうかはわからないが、昔は、メディアというのは誰かが管理しているものだった。だから発信が制限された部分があったんだけど、ネットはそのバリアを取ってしまった。お金がなくても、やる気と取材力とセンスがあれば、ユーザーが読んでくれる快感が味わえる。ブロガーはお金儲けのためにやっているのではなく、情報を発信する快感のためにやっているんだと思う。読んだ人が参考にして、どんどん追っかけてくれる感動がある。

ブログと親和性が高い商品は?

ブログはブログで、紙とは見せ方が全然違って、独自の編集文化がありますよね。

ブログと親和性が高い商品って何でしょうか? 私は、コスメとファッションのブログを見ることが多いです。

やはり化粧品だと思う。化粧品はユーザーの評価軸のウエイトが高いし、女性ならほとんどの人が使う。マーケットが大きいということもあるね。他にほとんどの女性が使う商品ってないと思う。衣料品の場合、体型や好み、生活水準などで細分化されてくるので、化粧品に比べると対象が狭いんじゃないかな。

ただ、ユニクロやGAPは、結構この商品使える、などと記事で見ることがよくありますね。化粧品はお試しセットがあることが多いので、ブログを見て気になったものは気軽に買っています。

その結果、化粧品・美容液・クリーム・パックなどそれぞれ「コレ!」というものが数種類ずつ見つかりました。今までは、いったん化粧水を買うと1か月はもつので、使用感がそんなに気に入らなくても、トラブルが出ない限り使い続けなければならなかったんです。これが一番の変化ですね。化粧品は毎日使うものなので、自分にぴったりなものにめぐり会うことはささやかな幸せなんです。

全然知らなかったメーカーでも、信頼するブログで良い評価だと買ってみたりします。

ブログとお試しセットの組み合わせにより、名もないメーカーを知る機会が増え、良さを実感できて商品購入に至る。ブランドがない会社でも、そういうやり方ができるようになったのは大きい。

通信販売の化粧品メーカーは、宣伝費をかけない分、中身にお金をかけているというイメージがあるので、一定の信用を置いています。CMをバンバン流しているところより、そっちの方が良心的なのかな? という気がするんですよね。

じゃあ僕から聞くけど、資生堂の「TSUBAKI」をどう考える? 莫大な宣伝費をかけて、女性の有名タレントを6~7人使って、バンバンCMを流して、シェア1位になった。僕はあのとき、ネット社会なのにマス広告はまだ強いんだな、と思った。

それは、好奇心で1回買ってみようかなと思っただけなんじゃないですか?だいたい、シェアって信用できません。政権支持率と同じようなもので。麻生さんだって、支持率7%ぐらいだったのが、小沢さんの献金事件があっただけで20%くらいになるなんて。

(笑)。数字の正確性はともかく、これまではマスメディアに頼った商品広告や記事報道だったが、また別の視点や別の考え方がみんなの目に触れるようになったことは大きいね。大手のメーカーも、ネットをチェックして、どういう人が使って、どういう欠点があるかチェックして、いち早く察することが大事になる。代理店などに人任せにしないで、自分達で真摯に早い対応をすることが求められている。自社でやらなければ問題意識が出ないからね。通販会社は一日の長があって、比較的、顧客の声を聞く体制ができている。ネット社会では、1人の意見が広まる可能性があるので、おざなりの対応はできないんだ。

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・ネット通販は疲れる?
・縦割り思考はもう要らない!

日本ダイレクトマーケティング学会
(JASDM)

ダイレクトマーケティングの理論的および実証的研究を行い、ダイレクトマーケティングの発展を期することを目的として、2001年に設立。現在、テーマ別・地域別に研究部会が6つあり、研究を行っている。

年に一度の全国大会のほか、3か月に一度セミナーを開催している(ともに一般の参加が可能)。

2010年3月 12日(金)に、日本ダイレクトマーケティング学会九州部会 第1回発足セミナーを開催します! (株)JIMOS の林田七恵氏、(株)ファンケルの中村光輝 氏をお招きし、データベースマーケティング の観点から今後のダイレクトマーケティングのあり方と指針を考察します。講演会終了後、別会場にて懇親会も予定しておりますので、沢山の方のご参加をお待ちしております。
詳しくは九州部会オープンセミナーのご案内をご覧ください。

 
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