プレスリリース・ニュースリリースの書き方&活用基礎講座

5.本文追記誰が読んでもわかる内容になっているか

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5.本文追記
誰が読んでもわかる内容になっているか

リリースの内容的に、あとは「一括検索」がどのような仕組みでどうやって使うのかを記しておけば、ほぼ完ぺきだと言えます。残念ながら、一括検索についてはプレス向けのプレゼンテーション資料(※2009年1月16日リリース発表時点のもの。現在のサービス内容とは一部異なる)にも詳細な説明がなく、リリース本文に付け加えることができませんでした。「一括検索」というキーワードは見出しでもリードでも使われているので、本文内でしっかりと文章で説明することが適切だと言えます。

読み手がさらに知りたいこととしては、利用方法があります。利用するにあたってどんな条件があるのか。会員登録が必要なのか、料金はかかるのか、といった内容です。サービスを提供する側は、ある程度の業界常識レベルというのがあり、「通常この種のサービスは無料の会員制であるのが当たり前」のように考えてしまいがちです。しかし、そのような常識は記者や一般消費者には通じません。リリースでは、情報提供側が当然だと思うようなことでも、読み手の視点(業界の常識がない目線)に立って再考する必要があります。リリースは誰が読んでも誤解なくわかるよう、かゆいところに手が届くようにしなければなりません。

「一括検索」の補足説明や利用方法を加えることで、本文は3段落目、4段落目と増えていきます。サービス内容の補足説明が一通り終わったところではじめて、雇用情勢の悪化というサービス提供の背景説明になります。元のリリースでリードに書かれていた「厚生労働省が発表した2008年11月の有効求人倍率は~雇用情勢の厳しさが増す中での求職活動を積極的に支援していきます」の文章をそのまま使えばいいでしょう。

このあたりまで本文が進んでくると、分量的にはちょうどいい長さに達します。長過ぎず短過ぎず、興味のある人が一気に読める文章量になるでしょう。そして、サンプルリリースの2枚目の最初にある今後の方針「今後も『COPO』の更なる利便性向上のために~積極的に進めていく方針です」を、本文の最後の段落にするのもいいでしょう。経済関係の記事では必須となる、提供項目の利用者見込みや収益モデルについて書いておくとさらに効果的です。

その他補足資料は別紙に

これ以上の補足説明やサイトのキャプチャー画像、細かなコンテンツの紹介は別紙にまとめます。この場合「サイトの画像、メニュー詳細、会社概要などは別紙をご参照ください」などと別紙への誘導の文章を、リリース本文の最後に「注」として書いておきます。そうしないと、別紙の存在に気付いてもらえないかもしれません。別紙では、サンプルリリースにもある会社概要(サンプルには「当該会社の概要」とありますが「当該」は不要です)と、プレゼンテーション資料に掲載されているサイトのトップページ画像やコンテンツ一覧と一言説明、「口コミ機能」の画面写真などを入れます。

問い合わせ先は、リリース本文の文章量との兼ね合いもありますが、別紙ではなくリリースの最後に入れておいた方がいいでしょう。

添削後のリリース例(別紙を除く)

ヘッダー

ニュースリリース

2009年1月16日
株式会社インディビジョン

見出し

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
求職者向けに特化した企業情報検索サイト「COPO」(http://co-po.jp/)オープン
~6万社を超える企業の給与・福利厚生・財務情報等を一括検索~
雇用情勢が厳しさ増す中、求職活動を積極的に支援
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

リード

情報サイト開発・運営の株式会社インディビジョン(本社:横浜市西区、代表取締役社長:板倉広高)は、求職者向けに特化した企業情報検索サイト「COPO」の運営を2009年1 月19日に開始します。COPOは、上場・未上場合わせて6万社以上の給与・福利厚生・財務情報をさまざまな観点から一括検索できることが特長です。厳しさを増す雇用情勢の中、COPOのオープンによって求職活動を積極的に支援していきます。

本文

「COPO」では、上場企業が開示している有価証券報告書や東洋経済新報社などから提供を受けた企業データを基に、上場・未上場合わせて6万社を超える企業の情報が一括検索できます。各企業の給与・福利厚生・財務情報等をさまざまな観点から詳細に検索できるほか、求職者が最も気になる各企業の口コミ情報や求人情報を掲載することで、求職者にとってより利便性の高い情報を提供します。

「給与情報」は、各企業の平均年収や有給取得状況を提供。「福利厚生情報」では各企業の福利厚生制度の概要が閲覧できます。「財務情報」として各企業の財務情報・収支状況をグラフで見ることも可能です。さらに、一般ユーザーから寄せられた各企業の「社内レポート」「面接レポート」「給与レポート」の閲覧・投稿で構成した「口コミ情報」のコーナーもあり、ユーザーのレポート投稿によって各企業の企業満足度、残業時間、社風、面接に関する生の声を知ることができます。「求人情報」では、インディビジョンが運営する求人サイトの求人情報を提供します。

「一括検索」機能を使用することで、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
本サービスの利用にあたっては、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

厚生労働省が発表した11月の有効求人倍率は、2008年10月から0.04ポイント悪化して0.76倍となり、12ヶ月連続で1倍を割り込みました。インディビジョンでは、現在運営する転職・派遣・アルバイトサイトのほか、「COPO」のオープンを通じて、雇用情勢の厳しさが増す中での求職活動を積極的に支援していきます。

今後も「COPO」の更なる利便性向上のために、現在運営している転職・派遣・アルバイトサイトとの連携を強化していくとともに、「COPO」におけるコンテンツアライアンス・モバイル対応・広告媒体化等を積極的に進めていく方針です。

(注)サイトの画像、メニュー詳細、会社概要などは別紙をご参照ください。

問い合わせ先

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社インディビジョン COPO事務局
担 当 :奥山 / 降籏
TEL :045-640-5790
FAX :045-640-5791
E-mail :pr-iv@indivision.jp

◇◇◇

これでリリースの形としては、より完成度が高くなったと思います。ただし、リリースによって記者や消費者の目を引くかどうかは、何よりもその内容にかかっています。「何がすごいのか」「他にないオンリーワンのサービス、コンテンツは何か」「求人業界で初めてのサービスは何なのか」、このあたりがわからないと、どのくらいニュース性が高いのかを容易に判断できないのです。

これといったオンリーワンがないから触れていないのか、と読み手に思われてしまうと、リリースの価値は下がります。確かに、新サービスを開始したという事実そのものが新しい事実=ニュースです。しかし、そのサービスは他の同様サービスと比べてどんなにすごいことがあるのかが最大のポイントになります。そこがメディアのニュースになるか、消費者が試してみたくなるかの分かれ目でもあります。リリースでは、スタイルの完成度を高めると同時に訴求ポイントを明確に示す必要もあります。

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