Web担当者必見! リサーチ データ&市場調査レポート
企業Webサイトに多数のリンク切れ 及第点はわずか2割/有名企業300社Webサイトクオリティ調査

あなたのサイトは大丈夫? 検査項目を一度確認してみることをおススメします

日本と中国を中心にWebサイトのコンサルティングサービスを行うバーチャルコミュニケーションズは、上場企業300社のWebサイトの品質検査の結果を「Webサイトクオリティランキング」として発表した。各サイトのトップページから階層が浅い100ページを抽出し6つの検査項目をスコア化、重要度別の重み付けを反映させ、100点満点で評価している(詳しくは調査概要を参照)。

本調査での「クオリティ」とは、画面のデザインやユーザビリティではなく、リンク切れ(画像やCSSファイルなどの素材データを含むすべてのリンク切れ、別ページへのリンク切れ、ページ内リンクのリンク切れ)や要素の欠落(title要素、metaタグ内のdescription要素、imgタグ内のaltテキスト)といったHTMLの構成を示している。また、本調査記事のタイトルで使用した及第点には、対象とした100ページ内でのリンク切れが10個所を下回った73社(24.3%)の数値を使用した。調査は、同社がASPとして提供しているWeb総合検査サービス「WebSuites(ウェブ・スイーツ)」を利用している。

日本でのWebサイトの品質状況を把握し、比較・分析することで問題点を探るのが目的。また、「よりユーザー視点に立った高品質のWebサイトを提言するための情報収集として使用できるのではないか」(バーチャルコミュニケーションズ)としている。総合ランキングの結果からお伝えしていくことにしよう。

ランキングトップはみずほフィナンシャル

表1 Webサイトクオリティランキングトップ10
順位 企業名 業種 リンク切れ(すべて) リンク切れ(別ページ) リンク切れ(ページ内) タイトル要素なし description要素なし altテキストなし 評価
1 みずほフィナンシャル
グループ
銀行業 5 5 5 5 2 5 97.0
2 ニコン 精密機器 4 5 5 5 2 5 93.5
3 東海旅客鉄道
(JR東海)
陸運業 5 5 4 5 2 5 93.0
4 スズケン 卸売業 5 5 5 5 3 1 92.0
5 みずほ信託銀行 銀行業 5 5 5 5 2 1 91.0
5 日本特殊陶業 ガラス・
土石製品
4 5 5 5 4 2 91.0
7 富士通 電気機器 4 5 5 5 5 1 90.5
8 日清紡ホールディングス 繊維製品 3 5 5 5 1 5 89.0
9 りそなホールディングス 銀行業 3 5 5 5 5 1 87.0
9 日清製粉グループ本社 食料品 5 5 4 5 2 1 87.0

ランキングトップを飾ったのは「みずほフィナンシャルグループ」。description要素の漏れ以外の検査項目はいずれもスコア5(不備なし)で優秀な成績だといえる。発表されていないデータになるが、対象ページを1,000ページに拡大した場合でもリンク切れはほとんど検出されなかった。

次いで「ニコン」が総合2位。リンク切れ(すべて)のスコアが1つ下がって4となったものの評価は93.5ポイントと全体平均の61.5から30ポイント近く高い。3位の「東海旅客鉄道(JR東海)」もほぼ同様のスコアで続いている。

上位10企業のスコアをみると、「リンク切れ(別ページ)」や「タイトル要素なし」の項目は10企業すべてにおいてスコア5(不備なし)の評価を得ている。その一方で、4位以降のサイトが上位3サイトと大きく異なるのはaltテキストの設定漏れだ。4位以下でスコアが大きく下がっていることが確認できるだろう。altテキストは、ブラウザ上で画像が表示できない際の代替テキストや音声ブラウザが読み上げるテキストとして、その画像の本来の役割を果たすために設定が義務付けられている(HTML4)。また、SEO的にみても画像に関連するテキストを入力することが好ましい。

総合評価の分布
図1 総合評価の分布
縦軸に評価(ポイント)、横軸に300社の数値を取っている。ランキングの上位と下位でグラフの傾きが変化しているが、基本的には数値の変化は緩やかで企業間の差異や傾向には大きな特徴はみられない

検査項目の個別スコアには大きな開きが

続いて、個別のスコアを掘り下げてみていくことにしよう。縦軸に評価スコア(0~5の6段階)、横軸に300社の数値を取り、スコアの分布状態を確認してみた。

画像やCSSファイルなどの素材データを含むすべてのリンク切れのスコア分布
図2 「リンク切れ(画像素材すべて)」: 画像やCSSファイルなどの素材データを含むすべてのリンク切れのスコア分布
別ページへのリンク切れのスコア分布
図3 「リンク切れ(別ページ)」: 別ページへのリンク切れのスコア分布
ページ内リンクのリンク切れのスコア分布
図4 「リンク切れ(ページ内)」: ページ内リンクのリンク切れのスコア分布
title要素が設定されていないページのスコア分布
図5 「タイトル要素なし」: title要素が設定されていないページのスコア分布
metaタグでのdescription要素が設定されていないページのスコア分布
図6 「description要素なし」: metaタグでのdescription要素が設定されていないページのスコア分布
altテキストが設定されていない画像のスコア分布
図7 「altテキストなし」: altテキストが設定されていない画像のスコア分布

平均スコアが最も高かったのは「タイトル要素なし」の4.9ポイント(図2)。ほとんどの企業のページでタイトルがきちんとつけられている。ただし、今回の調査ではtitle要素の有無のみで判断しているため、検査結果にはタイトルが重複しているケースも多く見受けられたことを付け加えておこう。

反対に、最も平均スコアが低かったのは「altテキストなし」の項目(図7)。もちろん、サイトの種類によって画像の使用数は大きく異なり一概に平均化することはできないが、他のスコアに比べて1.1ポイントと低い。参考値ではあるが絶対数をみてみると、100ページあたりの欠落個所が270社平均で1,000個所を超えている(表2)。

また、各項目の標準偏差(ばらつき具合)を調べてみると、「リンク切れ(別ページへ)」「リンク切れ(ページ内)」の数値が他の検査項目に比べて高くなった。これらは企業によって品質に差が出やすい項目だと言える。

表2: 各検査項目の絶対数
1社(調査対象となった100ページ)あたり、各検査項目で発見された問題点の平均値(上下5%を除く270社)は次のとおり
検査項目 発見された問題点の個数
画像やCSSファイルなどの素材データを含むすべてのリンク切れ 74.7
別ページへのリンク切れ 8.6
ページ内リンクのリンク切れ 4.7
title要素が設定されていないページ 0.1
metaタグでのdescription要素が設定されていないページ 44.1
altテキストが設定されていない画像 1,084.2

業種別スコアは20ポイントの開き。トップは精密機器の69.7

最後に、調査対象300社を業種別に分けたデータを紹介しよう。

表3: 業種別の平均スコア(※企業数が少ない区分に関しては参考値)
証券コード協議会の「業種別分類表」中分類の33区分から、時価総額上位300社に該当がない「水産・農林業」を除いた32業種
順位 業種 評価 企業数
1 精密機器 69.7 5
2 陸運業 69.3 16
3 その他製品 68.4 5
4 ガラス・土石製品 67.8 6
5 その他金融業 67.8 6
6 倉庫・運輸関連業 67.5 1
7 銀行業 66.7 25
8 卸売業 66.0 11
9 証券業 64.6 5
10 食料品 64.0 12
11 医薬品 63.9 14
12 繊維製品 63.5 4
13 金属製品 63.1 4
14 機械 62.6 17
15 化学 62.0 19
16 小売業 61.8 13
順位 業種/中分類 評価 企業数
17 パルプ・紙 61.5 2
18 不動産業 61.1 7
19 情報・通信 61.0 16
20 ゴム製品 60.3 2
21 鉄鋼 58.8 7
22 輸送用機器 58.7 19
23 電気機器 57.9 32
24 非鉄金属 57.4 4
25 建設業 57.2 9
26 保険業 56.6 7
27 鉱業 55.8 2
28 石油・石炭製品 55.5 6
29 電気・ガス業 51.7 13
30 海運業 51.0 3
31 サービス業 50.0 6
32 空運業 47.5 2
合計 全32区分 61.5 300

証券コードの業種区分に基づき32区分に分けたところ、総合スコアが最も高いのは「精密機械」の69.7ポイント。内訳をみると、総合2位の「ニコン」が93.5ポイント、29位の「HOYA」が80.5ポイントで続く。業種別第2位は「陸運業」で69.3ポイント。こちらは、総合3位の「東海旅客鉄道(JR東海)」や17位の「日本通運」25位の「西日本旅客鉄道(JR西日本)」が牽引している。

総合1位の「みずほフィナンシャルグループ」を含め、トップ10内に3社ランクインした「銀行業」であるが、25社の平均でみると66.7ポイントで7位にとどまっている。

◇◇◇

有名会社300社といえど、サイトマップやナビゲーション内にリンク切れが見つかったり、数10ページに渡って同じページタイトルが設定されたりするケースが随所に見受けられた。リンク切れ1つをとっても、数万ページにも及ぶWebサイトでは人手で調べることはほぼ不可能だ。そこで今回のようにサイトをクローリングして機械的にチェックする専用解析サービスの出番となる。ある程度の規模を持つサイトであれば導入を検討するのもいいかもしれない。

ただし、検出された項目を確認してみると細かなミスが積み重なっているというよりは、そもそも「リンク切れを確認する作業をしていない」「altテキストやdescription要素などを設定する意味や必要性を感じていない」という印象を受けた。ツールの導入も確かに1つの手だが、担当者が知識を蓄えることや問題意識を持つことが最も重要ではないだろうか。

調査概要

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  • 調査対象
    有名企業の公式Webサイト300社
    (2009年4月時点での上場企業、時価総額が高い順に300社を抽出)
  • 調査期間
    2009年4月27日~5月25日
  • 調査方法
    「WebSuites(ウェブ・スイーツ)」
    IBM社の「PolicyTester」を利用したASPサービス環境を利用し、対象となった300社の公式Webサイトのトップページからクローリングを行い、浅い階層の100ページまでを調査。JavaScriptやFlashファイルへのリンクに対しても解析を行った。
  • 検査項目
    • 「リンク切れ(画像素材すべて)」: 画像やCSSファイルなどの素材データを含むすべてのリンク切れ
    • 「リンク切れ(別ページ)」: 別ページへのリンク切れ
    • 「リンク切れ(ページ内)」: ページ内リンクのリンク切れ
    • 「タイトル要素なし」: title要素が設定されていないページ
    • 「description要素なし」: metaタグでのdescription要素が設定されていないページ
    • 「altテキストなし」: altテキストが設定されていない画像
    「ページ遷移切れ」を全体の40%の重み付けを行い、ほかユーザーがアクセスする際に違和感を感じると思われるものや検索時に不適切な設定などを順に重み付けを行った。
  • 調査実施機関
    バーチャルコミュニケーションズ株式会社
  • 調査の特徴
    アプリケーションでの検査の為、人為的なミスなどが生じない。また、目視では判別することが困難なJavaScriptやFlashファイルの問題も把握できる。
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