プレスリリース・ニュースリリースの書き方&活用基礎講座

マスコミ関係者の好感を得るリリースメールとは/リリースの書き方基礎講座#12

リリースメールは、一歩間違えれば自分たちの首を絞めることにもなりかねないのです。
リリースの書き方基礎講座

この連載では、主に企業の広報担当者に向けて、初めてでもわかるリリースの書き方から、ネット時代に即したリリースの書き方など、明日から役立つ基礎情報をお届けします。

前々回前回とインターネットでニュースリリースを利用するためのカスタマイズ法を紹介してきました。今回は、カスタマイズが終わったリリースをネットで活用する具体的な方法として、メールでマスコミにリリースを届ける効果的なポイントを説明します。

リリースを作成する目的は、マスコミをはじめ一般消費者や取引先などの利害関係者に自社の活動を広く知ってもらうことです。せっかくリリースを作っても、読んでもらいたい相手に届かなければ意味がありません。連載の第9回で、新聞社、雑誌編集部、テレビ局といったマスコミ宛てのリリースは紙に印刷してFAXか郵送する方法が向いていると説明しました。しかし、それら以外のニュースサイトなどのオンラインメディアや一般消費者、取引先宛てにはインターネットの活用がメインになります。

自社にマッチしたメディア選定を

リリースをメール送信する際は、当然ですが送り先のメールアドレスを指定しなければなりません。マスコミ宛てなら、各メディアのリリース受付やリリース受付担当者のメールアドレスを知っておく必要があります。

まずは自社の事業内容やリリースで取り上げた商品・サービスに合致したメディアを選定することから始めましょう。1つずつサイトを回って、そのサイトで扱っているニュースの性格を把握しながら、自社にマッチしているかどうか判断します。ニュースサイトなどのオンラインメディアの多くは、リリース受付用のアドレスを公開していますから、自社の商品・サービスとの親和性が高いと感じたメディアのリリース送付先アドレスを収集し、リスト化するのです。

このときに注意したい点は、新聞社や出版社など大手マスコミのサイトに書かれている「問い合わせ先」と「リリース受付」は違うという点です。この問い合わせ先は、サイトに関する問い合わせを受ける窓口で、多くの場合がサイトを管理している情報システム関連部署に届きます。そのため、メディアに記事として掲載してもらおうと考えてこの問い合わせ先アドレスにリリースを送っても意味がありません。また、リリースを受け取った情報システム関連部署が、わざわざリリースの内容を読んで関係する編集関連部署に転送してくれることもあり得ないといえるでしょう。

ではどうすればいいのでしょうか。サイトにリリース送付先のアドレスを公開していないメディアに関しては、そのメディアに知り合いがいないのなら、編集部に電話して問い合わせすることになります。サイトに書かれている会社の代表電話番号に電話をかけて、該当する編集部を呼び出してもらいます。新聞や雑誌はFAXや郵送が好まれる傾向にあるので、電話でメールアドレスを尋ねる際にどんな送り方を望んでいるのかを確認しておきましょう。FAXや郵送にしてほしいと言われたらそのように対応すればいいのです。

マスコミのメール送信先リストは、基本的にこのように手作業でコツコツ作成していく必要があるので手間がかかることは事実です。しかし、一度リストを作りさえすれば、後はアドレス変更がないか定期的にメンテナンスするだけです。とはいえ、手間をかけずに済ませてしまいたいというのなら別の方法で解決することもできます。

リリース配信サービスという選択

自前で送信先リストを作成する方法とは別に、リリース配信サービスを行っている会社に、マスコミへのリリースメールの送信を依頼するやり方があります。広報コンサルティング会社やPR代行会社も媒体へのリリース配信を行っていますが、単にリリースを送信したいだけならリリース配信サービスを活用すればいいでしょう。

私が知る限りでは、現在10社ほどの会社がリリース配信サービスを行っています。各サービスとも1,000媒体程度(オンラインメディアのほかに雑誌や新聞も含む)の送信リストを持ち、配信料金は月額1万円ぐらいからです。FAX送信に対応しているリリース配信サービスもあります。それぞれのサービスごとに内容や料金が大きく異なるので単純な比較は容易ではありません。各サービスのサイトを確認してじっくり検討してニーズに合ったサービスを選ぶ必要があります。

リリースの内容に合わせてリリースを送る媒体を選定してくれるサービスもありますが、提示されたリストの中から選ばなければならないケースも少なくありません。その際、欲張って各サービスのリストにあるすべての媒体に自社リリースを送ることだけは絶対に避けるべきです。リリースの内容とは明らかに関係ない媒体にまで送ってしまうと、受け取った媒体側は迷惑メールと判断して送信した会社のイメージは大きくダウンします。たとえば、IT関連のサービス開始のリリースをペット関連媒体に送るとか、東北地方の地元イベントのリリースを九州地区の媒体に送るといったことです。

これは、リリース配信サービスに限らず自社で各媒体に直接リリースをメール送信する場合にも言えることです。リリースメールは「数打てば当たる」という性格ではありません。リリースに限らずメールの常識でもありますが、求めていない相手にいくらメールを送っても無意味なばかりか反感を買うだけです。もちろん、郵送でもFAXでも同じです。自前で作成する場合にも述べたように、マスコミにリリースを送る場合は媒体の特徴を理解して、自社の商品やサービスに合致するかを考えることが第一になります。

リリース配信サービスを利用するのは確かに便利なのですが、そのリリースメールを受け取るマスコミの立場を考えてみてください。メディアの特性や各配信サービス会社の登録状況にもよりますが、多い日だと1つの配信サービス会社から1日50件近いリリースが届き、複数の配信サービス会社からのリリースを受信している場合では1日数百件にもなります。

リリース配信サービス会社から送られて来るリリースの送信者(差出人)は、そのリリースを発表した会社ではなくリリース配信サービスのサービス名か会社名に設定されています。そのため、配信サービス会社からのリリースメールは一切受信しない(読まない)で、メールソフトで振り分けてしまうマスコミも存在します。また、すべてではないにしても特定の配信サービスからのメールは受けないというケースもあります。リリース配信サービスは便利ですが、こうしたリスクを理解しておくことも必要でしょう。

最初に手間はかかりますが、自社でリリースメール用の送信リストを作って直接媒体にメールを送る方法がマスコミには好感がもたれるのは事実です。送信者(差出人)を気にしない記者や編集者もいます。もちろん、最も重要なのはリリースの内容なのですが、少なくとも私は配信サービス会社から送られるメールよりも直接送って来るメールに熱意や誠意を感じます。広報体制が確立されている大手企業で、マスコミ宛てのリリースメールを配信サービスから送るケースはほとんどありません。逆に、もし大手企業から配信サービス経由でリリースメールが送られて来たら、大企業なのに広報担当者は何をしているのだろうと思う人もいるでしょう。

複数の宛先への一斉送信には要注意

マスコミ宛てにリリースをメールで直接送る際のカスタマイズに関しては、連載の第10回で詳細に解説しました。ここではもう1つ送信にあたっての注意点を挙げておきます。それは、1件のリリースメールを1度に複数の媒体に送る時は、メールの「宛先」欄や「CC」欄に送信先のアドレスを入れないことです。

そんなことは当たり前だと思うかもしれませんが、かつて顧客宛のメールを送信する際、多数の顧客のメールアドレスをCC欄に並べた企業が「個人情報の流出」として問題になりました。これは顧客情報の例ですが、リリースメールの場合も同じで、今でも各媒体のメールアドレスをメール受信者すべてが見ることのできる宛先やCCに並べて送ってしまう会社があるのが実体です。

一斉送信する際は、宛先には送信者(自分の会社)のアドレスを入れ、各媒体のアドレスは「BCC」欄に入力します。こうすれば、受信者には宛先欄に入っている送信者のアドレスしか見えません。このようなやり方を採った際は、メールの本文の最初の部分に「各報道関係者様にBCCでお送りしています」などと一言断り書きを入れて置くと親切ですし失礼にもなりません。

ただし、BCC欄による一斉送信も受け取る側にしてみれば多くの媒体に送っているリリースだということがわかってしまい、失礼ではないものの気分がいいものではありません。さらに、受信側のメールソフトやメールサーバーで迷惑メールの扱いをされてしまう可能性もあります。メールソフトで宛先情報による振り分けもできません。宛先欄やCC欄に送り先を並べるのは論外ですが、BCC欄を使っても問題はあるという事実は知っておかなければならないでしょう。

ではどのような方法がいいのでしょうか。本来は、1媒体ずつメールを送ることが理想的です。宛先はその媒体の記者や編集者個人だけ。メール本文の最初には送る相手の名前や、時候の挨拶、近況、お礼などの個人的なメッセージを少し書き添えます。そうすると、受け取った方は多数の宛先に一斉に送っているのではなく自分だけに書かれたメールだと理解でき、相手への好感度が上がり邪険にしにくくなります。迷惑メールと判断されることもありません。とはいえ、送り先が多い場合は相当手間がかかります。送る相手を絞るか、それができないのなら、普段から付き合いのある相手やどうしてもリリースを読んでもらいたい媒体には各宛先別に直接メールを送信し、それ以外はBCC欄で対応するというやり方もあるでしょう。

受信者の立場になって考える

連載の第10回では、リリースをメールで直接送信する場合、メール本文に補足資料分を除くリリース文をすべて入れると説明しました。最近では、「詳細はサイトを参照してください」とメール本文にリリースのタイトルとリリースを公開しているURLだけを記したメールを送る企業も少なくありません。これも1つの方法とも言えますし、信念や事情があってのことかもしれません。ただ、そのようなやり方であっても、メール本文にはタイトルとURLだけでなくリリースの概要がわかるように最低でもリード部分は入れるようにした方がいいでしょう。

いくらインターネットが当たり前の現代でも、リリースメールを受け取ったマスコミ関係者がいつもネットにつながる環境にあると考えるのは無理があります。私自身、出掛ける前にそれまでに届いているメールをすべて受信し、移動中の地下鉄や飛行機の中で読むということをよくしますが、URLだけしか書かれていないとその先の内容を見ることができなくてイライラします。そして目的地に着いてネットに接続する頃には、そのリリースのことを忘れてしまいます。そもそも記者や編集者はいつもデスクにいる訳ではありません。多くの人に読んでもらうというリリースの目的を考え、こういった細かな点にも考慮するべきでしょう。

マスコミとして好感が持てるだろうリリースメール

最後に連載の第10回と今回の内容を踏まえ、編集部と私が話し合った「マスコミとして好感が持てるだろうリリースメール」をまとめてみました。この通りでないと困るということは決してありません。メディアの特性や編集者ごとに好みは異なるでしょうから、1つの意見として参考にしていただければと思います。

  • リリースメールが各企業から直接送られて来る
  • リリース発行日当日に送信され、商品の発売日やサ-ビスの開始日が明記されている
  • メール本文の最初に、リリースについて一言説明などが添えられている
  • メール本文にリリース文の全文が掲載されている
  • カタログサイトなど関連情報へのURLが掲載されている
  • 補足資料がある場合、添付書類の形式はPDFかWordで画像は大き過ぎない
  • 補足資料がある場合、添付書類は1~2点まで
  • 補足資料がある場合、添付書類は圧縮されていない

次回は、マスコミに加え一般消費者や取引先をターデットにした、Webサイトを使ったリリース活用法を紹介します。

第十二章のポイント
  • マスコミにリリースを送る場合は、媒体の特徴を理解して自社の商品やサービスに合致するかを重視する
  • リリース配信サービスはメリット・デメリットを理解した上で効果的に活用する
  • 理想的な送信方法は1媒体ずつあいさつ文を添えて送ること。常に受信者の立場になって考える
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