プレスリリース・ニュースリリースの書き方&活用基礎講座
メールでのリリース配信のカスタマイズ法――読まれるリリースメールはここが違う/リリースの書き方基礎講座#10

メールでリリースを配信する際の注意点と、読みやすさを重視したメール文のカスタマイズ法を紹介していきます。
山川 健 2009/4/10(金) 10:00 このエントリーをはてなブックマークに追加
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この連載では、主に企業の広報担当者に向けて、初めて書く人でもわかるリリースの書き方から、ネット時代に即したリリースの書き方など、明日から役立つ基礎情報をお届けします。

前々回の第8回にテキストベースで作ったリリース文書を紙に印刷して配布するケースを紹介し、前回の第9回では紙のリリースの活用法を説明しました。今回からはインターネットでのリリース公開、配布について解説します。まず、テキストで作成したリリース文書をメールで送信する場合のカスタマイズ法を取り上げます。

ネットを活用したニュースリリースの配布は、メールでのリリース配信とサイトでのリリース公開の2つが基本になります。メールの配信はマスコミあてをメインに、場合によっては取引先、株主、消費者などいわゆる利害関係者に向けて送ります。今回はまず、メールでのリリース配信について詳しく考えてみます。

リリースメールの開封は件名と差出人で決まる

メール本文のカスタマイズ法を説明する前に、まず注意してほしいのがメールの件名送信者名です。

メールで受信するリリースの中には「プレスリリース掲載のお願い」「◇◇◇システムズのニュースリリースです」のような件名のメールが数多く見受けられますが、これではどんな内容のリリースなのか本文を読むまでわかりません。送信者名(差出人名)も同様で、メールのアカウント名(@以前の文字列)やメールアドレスをそのまま設定しているような場合は、どこの会社からのメールか判断がつきません。毎日多数のメールを受信しているマスコミ関係者は、知らない相手から送られてきた内容がわからないメールを、わざわざ本文を開いて読もうとはしないと考えたほうがいいでしょう。

受信したメールをクリックして内容をしっかりと読んでもらうためには、件名にはリリースであることや会社名、リリースの内容を、送信者名にはどこの会社が発行したものなのかを明記する必要があります。通常配信しているメールを見返してみて下さい。ひょっとしたら、そのメールは内容を読まれる以前に捨てられているかもしれないのです。

ニュースリリースの件名と送信者名の例

× 悪いニュースリリースの件名と送信者名

送信者名 件名
yamakawa ニュースリリース
takeshi@example.com プレスリリース掲載のお願い

○ 良いニュースリリースの件名と送信者名

送信者名 件名
インプレスグループ広報部 【ニュースリリース】インプレスがWebマーケティングの専門カンファレンスを開催
山川健(インプレス) 【Release】Webマーケティングの専門カンファレンスを開催(インプレス)

件名は長くならないように短く削り込み、要点だけを一言で言い切るようにします。会社名も必須です。リリースの受け手としては、どこの会社がどんな内容のリリースを送ってきたか、件名を読んだだけで概要を理解したいものなのです。メールでリリースを送信する際は、件名や送信者名が何よりも重要になるとも言えるでしょう。質の悪いリリースメールはその会社の評価を下げることにもつながります。場合によっては、スパムメールと間違えられかねないので注意が必要です。

重要事項はメールの本文内に記載

次にメールの中身について触れていきます。メールでリリース内容を伝えようとした場合、メールの本文にリリース文書を張り付ける方法と、リリース文書のファイルを添付書類にするケースがあります。

ファイルで添付する場合は、現状ではWord形式かPDF形式が一般的になっています。Word形式は、前々回の第8回で説明した紙のリリースにする際のカスタマイズ法にのっとって完成していれば、そのまま転用してメールに添付することが可能です。PDFファイルは、WordファイルをPDF作成ツールで変換することで簡単に用意できます。

WordファイルやPDFファイルをメールに添付する方法は、印刷して配布するA4用紙のリリースができていれば、追加の作業が発生しないため便利だといえます。受信する側は、添付ファイルを印刷すればしっかりレイアウトされた紙のリリースとして再現できます。しかし、特にマスコミにリリースを送る場合、できるだけWordファイルやPDFファイルを添付することは避けた方がいいでしょう。少なくとも、メールの本文にリリース内容を書かずに、「詳しくは添付ファイルをご参照ください」として、添付ファイルだけでリリース内容を伝えようとすることは避けましょう。

自分が添付ファイルのあるメールを受信したときのことを考えれば理解できるはずです。どうしても必要な書類や必ず読まなければならない資料だったら別ですが、そうではない場合、添付書類をわざわざWordやPDFリーダーを起動してまで読もうとするでしょうか。しかも、WordファイルやPDFファイルは、それなりのファイル容量があります。リリースの別紙に写真や図版を多数張り付けてあると、数MBにもなり、受け取る側にとっては迷惑この上ないのです。

メールでリリースを送る場合は、ファイルを添付する方法に比べ、テキストベースで作ったリリース文書を張り付ける方法が最適だと考えます。一般的にはHTML形式ではなく、プレーンテキスト形式を用います。次の章では具体的なカスタマイズについて説明していくことにしましょう。

読みやすさを重視したメールのリリース、7つの基本ポイント

内容自体はすでに作成済みの原稿を利用することに変わりはないのですが、メールの本文内にリリースの原稿を記載する場合、レイアウトを整えるなどのカスタマイズが不可欠です。基本となるポイントは以下の7つです。

  1. 飾りの要素は最低限に抑える。1行は全角35文字程度まで
  2. リリース本文の書き出しには発行日と会社名、タイトルを添える
  3. リードは簡潔に。空白行を活用して文章を区切る
  4. 段落は行間を空けて読みやすくする
  5. 補足資料は項目ごとに見出しを立てるなど工夫をする
  6. 図版などの詳細情報はサイト上に掲載して誘導する
  7. 文末には問い合わせ先と会社概要を忘れずに記載する

それぞれの手順について詳しく説明していきます。

1.飾りの要素は最低限に抑える。1行は全角35文字程度まで

プレーンテキストは、文字の大きさや書体を変えることができません。特定の文字列の強調や、文書の飾り付けができない状況で、いかに読みやすくできるかがポイントです。さまざまな記号を駆使して飾り付けしているメールマガジンをイメージすればわかりすいでしょう。とはいえ、企業が広く発信する公式文書というリリースの性格を考慮して、目立たせようとして派手になりすぎないように注意しなければなりません。「★」「♪」などの記号での飾りは稚拙に見えるため信頼性がなくなり、企業イメージもダウンします。あくまでも、テキストのカスタマイズは目立たせるのではなく、読みやすくして理解してもらうことが目的です。飾りは最低限でいいでしょう。

テキスト1行あたりの分量は全角35文字程度までと考えます。メールは受け手の環境やソフトの設定によって1行の表示数が異なります。1行の文字数を多めにしてしまうと、受け取った側では2行目に数文字だけ表示されて読みにくくなります。逆に1行がやや短めでも、さほど苦にはなりません。パソコンで読まれることを想定して、1行32~33文字程度で改行していくと、レイアウトを崩すことなく比較的読みやすく表示することができます。

2.リリース本文の書き出しには発行日と会社名、タイトルを添える

メールの本文では、簡単なあいさつ文とリリースのタイトル、内容の一言紹介を書いた後に、実際のリリース内容を記載します。最上部に「News Release」や「発表資料」などを左寄せで入れます。紙のリリースでは、企業やサービスのロゴマークを入れていましたが、テキストでは不要です。紙のリリースで右寄せにしていた発行日や会社名は、1行あたりの文字数を考えて右側に寄せてもいいのですが、無理に設定する必要はありません。「News Release」の文字の次の行を1行空白にして、その下に入れても問題ないでしょう。リリースタイトルは、上下に「------------」といった罫線程度の比較的地味な飾りを入れてリードや本文と区別します。

リリース本文の書き出しの例

News Release

2008年10月14日
株式会社インプレスビジネスメディア

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3.リードは簡潔に。空白行を活用して文章を区切る

タイトルに続くのはリードです。リードはリリースの内容を350文字程度までで簡潔に記す文章です。リードによってリリースで伝えたいことを示し、続く本文では、重要なことがらから順に補足説明をしていく、というパターンがしっかりできていれば、リードをタイトルのように飾る必要はないでしょう。タイトルの下の「------------」の次の行を空白にして、その下にリードの文章を入れます。リードが終わったら、次の行を空白にして本文です。本文でも、段落と段落の間の1行分は空白にしてつないできます。

4.段落は行間を空けて読みやすくする

日本語で文書をつづる場合、段落の始まりは1文字分あけることが原則です。しかし、近年インターネットの世界では、この1文字あけの原則があまり守られていません。段落と段落の間の1行分を空白にすることで段落の違いはわかりますし、場合よっては技術的な理由もあるでしょう。たとえば、新聞社サイトのニュースでは1文字あけていますが、Googleニュースのトップページのニュース記事はあいていません。どちらが正しいというわけではないですが、1つのリリースの中で、1文字あいている個所とあいていない個所が混在する状態だけは避けなければなりません。

5.補足資料は項目ごとに見出しを立てるなど工夫をする

紙のリリースの別紙だと、写真や図版などの補足資料を見やすいように自由にレイアウトできますが、テキストの場合はそれができません。その代りに、本文の情報を重要だと思われる順に、見出しを立てて記していきます。

リリース本文内の見出しの例

■プログラム■
1: 編集長あいさつ
2: 講演「効果的なリリースの書き方」
3: プレゼンテーション「SEOの実状」
4: パネルディスカッション
5: パーティー

■場所■
東京カルチャーカルチャー
 (東京都江東区青海1丁目パレットタウン Zepp Tokyo2F)

6.図版などの詳細情報はサイト上に掲載して誘導する

補足資料の説明でも記したように、プレーンテキストのメール本文には写真や図版を入れることはできません。かといって、添付ファイルで送るのも避けるべきです。どうしても写真や図版が必要な場合は、サイトにあらかじめ掲載しておいて、そのURLを示す方法か「写真データを用意しています。必要なら連絡してください」などの文言を入れて対処します。連絡の手間を省くためにも、URLを示す前者の方法がベターです。表組みの図版は、表の中のテキストデータを取り出し、各要素をテキストで書き入れます。

7.文末には問い合わせ先と会社概要を忘れずに記載する

忘れてはならないのが会社概要や問い合わせ先です。入れるべき項目は第6回で説明したとおり多岐にわたります。これらの要素はタイトルと同じように、罫線などの装飾を上下に入れるとわかりやすいでしょう。

紙のリリースの場合であれば、1枚目に収まるように問い合わせ先を入れて、2枚目の別紙で補足的な要素を記載していました。しかしメールの場合は、問い合わせ先は補足説明が終わった、一番後に書いておいた方がいいでしょう。補足的な内容がまだ続くのに、その前に問い合わせ先を入れてしまうと、そこでリリースが終わってしまうような印象を与えかねないからです。

◇◇◇

次回は、リリースをサイトで公開するケースでのカスタマイズを中心に解説します。

第十章のポイント
  • メールが読まれるかどうかは件名と差出名で決まる。件名を読んだだけで、どこの会社のどんな内容のリリースか判断できるのが望ましい
  • リリース文章はメールの本文に入れる。リリースファイルを添付したりリンク先を記載するだけでは、読まれる可能性が大きく低下する
  • プレーンテキストで表現できることをしっかり把握し、読みやすさを心がけたカスタマイズを行う
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