ライバルには教えたくないキーワード広告の勝ち組戦略

ビッグキーワードとスモールキーワード、どっちが大事?

ライバルには教えたくないキーワード広告の勝ち組戦略
~成果を出すための達人の思考とノウハウ

日本に上陸してからオンライン広告のあり方を大きく変え、検索エンジンからの集客手段として当たり前となった検索連動型広告。多くのマーケティング担当者がその重要性を理解している反面、そのメリットを十分に活かせていないのが現状だ。いま、広告主には変化が求められている。検索連動型広告を運用する上でマーケティング担当者が成すべきこととは何か、改めて探っていこう。

泉 浩人(株式会社ルグラン)

キーワード選定に関しては、キーワードを「ビッグキーワード」と「スモールキーワード」に分けて語られることが多い。これから始める方に「どちらを重視すべきか?」と問われれば、まずはスモールキーワードの重要性をしっかりと理解することから始めることをお薦めしたい。

ビッグとスモールの定義

まずは「ビッグキーワード」と「スモールキーワード」の定義だが、ビッグキーワードの「ビッグ」は、その言葉の持つ概念の幅が「大きい」、逆に、スモールキーワードは概念の幅が「狭い、小さい」言葉のことである。

例えば、「パソコン」というキーワードを例に考えてみよう。この言葉からどういうパソコンを連想するだろうか? 「VAIO typeP」という具体的な機種を思い浮かべる人もいれば、「ノートパソコン」や「デスクトップパソコン」「ネットブック」といったパソコンの種類を考える人もいるだろう。このように、1つの言葉の中に他の色々な種類の言葉が含まれる言葉が「ビッグキーワード」と呼ばれる。

一方、「VALUESTAR」という言葉だと、NECのVALUESTARシリーズのパソコンに特定される。「VALUESTAR」と言えば誰もが、NECのVALUESTARを思い浮かべるはずだ。1つの言葉が想起させる範囲が狭い言葉が「スモールキーワード」である。

大きい小さいは相対的

もっとも、ここでいう大きい小さいというのは、あくまでも相対的な概念であり、確かに「ノートパソコン」に比べれば、「パソコン」はビッグキーワードということになるが、一方、「家電製品」「事務用品」といったワードとの比較では、スモールキーワードになる。

画像:ビッグキーワードとスモールキーワード

ビッグキーワードは高い集客力

ビッグキーワードが検索に用いられる場合、それによって何を探そうとしているのかという検索ユーザーの「意図」や「意思」は人によって様々だ。だから検索回数は多くなるが、逆に検索ユーザーの「意図」や「意思」をピタリと当てることは難しい。このため、ビッグキーワードをキーワード広告に使うと、多くの検索ユーザーの目に触れるため高い集客力が期待できる反面、コンバージョン率は低く、獲得コストも高くなりがちだ。

スモールは高いコンバージョン率に期待

これに対してスモールキーワードは、概念が絞り込まれている分、個々の単語の検索回数は少ないが、そこに込められた検索ユーザーの「意図」や「意思」は読み取りやすい。このためスモールキーワードに出稿し、ユーザーの意図や意志に即したページに誘導すれば、高いコンバージョン率も期待できるだろう。

つまり、スモールキーワードには、獲得コストが高くなりやすいビッグキーワードを補い、キャンペーン全体の費用対効果を目標水準に近づける、いわば「冷却水」のような効果があるのだ。だが、実際には、見つけやすいビッグキーワードを中心に、限られたキーワードにしか出稿されていないため、ある程度のコンバージョン数は稼げても、キャンペーン全体のコンバージョン率や獲得コストがなかなか改善できないでいる広告主も多い。

まずはスモールキーワードから

これからキーワード広告を始めようと考えている方は、自分のサイトの商品に適合したスモールキーワードを丹念に拾い上げ、それぞれのクリック率やコンバージョン率、費用対効果を考えながら、スモールキーワードにも十分な掲載機会が与えられるよう予算を調整していくことに心がけたい。

今回説明した内容については、拙著『SEM 成功の法則』(ソーテック社、2008年12月刊)の「PART2 検索連動型広告の本当の仕組みを正しく理解する」で詳しく説明してあるので、興味のある方はご一読いただきたい。

用語集
SEM / SEO / キャンペーン / キーワード広告 / クリック率 / コンバージョン / コンバージョン率 / マーケティング / 検索連動型広告
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