連載いしたにまさきのブロガーウォッチング
ブログは1000記事を超えると何かが変わる/橋本大也さんのブログ論(第11回)
アルファブロガーはブログ脳!? ブログという病
いしたに 大也さんとガジェットの話をするのは危険でした(笑)。話は尽きないのですが、ここで大也さんに過去のご自分のエントリーからベスト3を選んでもらいました。
橋本 まず「書きたがる脳」です。私は昔から字を書くのが好きだったのですが、これはハイパーグラフィア(書かずにいられない病)というのがあるという話。自分のことを言われているみたいだなと思った本で印象深いのです。
いしたに ブログを書いている人には思い当たるところがありそうですね。
橋本 ブロガーになる人、ならない人って、ある程度、先天的に決まっている気がしますね。とくに長く続ける人は。
いしたに ぼくも少しドキッとしました。エントリ文中に「強烈なハイパーグラフィアは一種のビョーキ」とありますが、アルファブロガーは一種のビョーキと読んでしまいました。ブログ脳ですね(笑)
橋本 そういうことですね。ブログのコミュニティは「ブログという病」を相憐れむ仲というわけです。
いしたに でも、ブログと個人の資質というのは切っても切れないものですよね、むしろ切れないからこそ価値があるという気さえします。
橋本 確かに。毎日書いていると、表現をコントロールしているつもりでも、自然に素や性格が出てしまう。
「出版社の目録サーフィン」で本を探す
いしたに 猛烈にこの本読みたくなりました。なかなか書店に言っても目に触れることがない本との出会いというのは、最近はほとんどこういったブログが中心になってます。
橋本 出版社の目録を集めてきて、休み時間に目録サーフィンしています。
いしたに それはすごい! やっぱり、そういう裏技というか、努力があるんですね(笑)
橋本 新聞各社の書評欄は見るのですが、それを参考にしすぎると他と同じになってしまうので、自分の発掘分も混ぜないといけないという編集上の工夫です。古典発掘が今年の裏テーマ。写真本とかビジュアル本を意図的に多く選んでいた時期もありました。
いしたに では、続いて「フェルマーの最終定理」。
橋本 感動的な科学読み物。こういう本を発見していきたい。これは私が最高と思ったし、読者にもウケた。
いしたに これはいい本ですよねえ。僕も読みました。
橋本 こういう本をたくさん取り上げられるといいんですが。
いしたに この手の本で感動というのがあるんだと、驚きました。
橋本 私は趣味が少々偏っているので、自分の趣味と世の中の趣味が合致すると嬉しい。
いしたに ブログを続けられるというところと、自分の趣味が受け入れられるというところは本来別の話ですけど、やっぱり受け入れられると嬉しいですよね。
橋本 週に1回くらいはウケるとよいですね。その他は我が道を行かせてもらいます。
いしたに ウケるというのはPV? ブックマーク?
橋本 一概には言えないですが、PV、はてブ、言及ですね。
いしたに まあ、それぞれ違いますよね。記事の中身によっても反応違いますし。
橋本 ソフトウェア評の記事の方がアクセス数は多い傾向があります。
いしたに なるほど。それにしても『フェルマーの最終定理』はブログでオススメされてなかったら読まなかったと思います。タイトルだけだとまったく意味がわからないし、意味がわかっても、自分には関係ない本だと思ったと思います。
開始してからしばらくは読者10人くらいだった
いしたに では、もう1つ、「Blogをはじめてみます」。
橋本 個人的には記念すべき最初のエントリ。書いた時にはまさかこんなに続くとは思いませんでした。開始してからしばらくは読者10人くらい。
いしたに 今はどれぐらいですか?
橋本 いまは1日1万人くらいですね。
いしたに 1000倍、すごいなあ。
橋本 PVですけどね。まあだいたい一緒です。ブログのアクセス数は2005年くらいまではブログブームでぐぐぐっと伸び続けたんですが、その後は横ばいです。ブログが増えたのが原因だと思いますが、そのかわり濃い読者、趣味が適合した読者層が増えました。
いしたに そうですか。
橋本 ニッチメディアの運営者としては、適合率はこれぐらいでよいかもと思っています。
いしたに それはなんとなくわかります。
橋本 ブログブームのころは話が噛み合わない読者も多かった。
いしたに 「勝手にやらせてもらう=ニッチでよし」ですね。
いしたに では最後のコーナーです。いつも読んでいるオススメブログを3つお願いします。
橋本 「百式」「俺と100冊の成功本」「たつをのChangeLog」です。
いしたに なぜか、全員この連載に出ていただいているみなさんです(笑)
橋本 情報がおもしろいのは当たり前ですが、友人という関係性で読んでいる部分もあります。実はあんまり「いつも読んでいる」というブログがありません(笑)。ブログ検索に引っかかったのを読む、リンクしてくれたのを読む、ランキング系で読む、という感じです。
まとめ
今回、話を聞いていて、やはり大也さんは自分のスタイルを徹底していると改めて思いました。自分というエンジンを動かし続けることに徹底しているという言い方でもいいかもしれません。ツールのような枝葉へのこだわりではなく、ある意味自分自身をツール化していくような印象です。あとインプットとアウトプットのバランスに気をつけているというのも印象的でした。
大也さん自身「毎日更新して6年目でライフスタイルになってきた
」とおっしゃってましたが、続けることでしか、自分にとっての本当の読者(企業ブログにとってはお客さん)は見えてこないし、定着しないのかもしれません。企業情報を見てくれるお客さんも同じように考えていいでしょう。これを実感するまでは、時間もかかるのでなかなか難しいかもしれませんが、まずはお客さんを一過性のものと考えない姿勢が大事です。現在目の前にいるお客さんをつかむことばかりに必死になっていると、逆に本当のお客さんが逃げていってしまう可能性もあるということを、今回のインタビューでは改めて痛感しました。
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