RIAシステム 構築ガイド Essential 2007

開発体制と求められる人材 /RIAシステム構築ガイド #10

RIA システム 構築ガイド Essential 2007

RIAシステム 構築ガイド Essential

RIAコンソーシアムが発行する、RIAの普及促進や開発に関するガイドライン『RIAシステム 構築ガイド』の2007年版である『RIAシステム 構築ガイド Essential 2007』をWeb担向けに特別にオンラインで公開するコーナー。

キャストとスキルの対応例

RIA開発では、これまでのWeb開発と比較して、サーバー側・クライアント側といった区分が難しくなっています。初期フェーズにおいても、お客様のニーズを適切に分析するには、デザイナ/エンジニアの両センスが問われます。時代のトレンド的な表現も、どこまで実装可能かを想定するスキルも要求されます。このような要求スキルの拡大は、各チームに求められる役割分担の拡大と、柔軟なチーム構成の必要性につながっています。

図10-1

工程管理
例)WBS展開/ガントチャート

開発が始まってしまえば、それがRIAであろうが、通常Webシステムであろうと、粛々とプロセスを進ませる必要があります。そのために、開発チームメンバーへの教育はあるにせよ、即効性のある共通言語が必要となります。それがスケジュールです。

いつまでに、どこまでのタスクが完了しないと、そのプロジェクトがどうなるのか。そうした、先読みした責任感を各タスク別小グループは意識しながら自らのタスクをこなさなければなりません。これらは、ガントチャートで記述し、タスク間の関連性もそこに記述されていることが一般的でしょう。可能な限り、プロジェクト開始とともに、これが出来上がっており、逐次問題が生じるたびに改定され、定期的に最新の進捗状況がモニタリングできることが、工数(プロセス)管理のスキルです。

開発業者によって大きな差が生じるのは基本的にはここで、特殊な分野でない限り、余り技術スキルでは差が生まれません。スキル差は、それはどこまで技術探求するかという個人のプロ意識に基づく部分だからで、そうした探究心はプロジェクトの大きさには依存しないからです。

しかし工程管理系のスキルは、そうした個人の能力ではないところで差がつきます。工程管理は、プロジェクトの規模によって必ずしも比例的に複雑になる訳ではありません。四つの部署間のコンセンサスを得る重みは、二つの部署間のそれの単純な二倍ではありません。コミュニケーションは、登場人物が増えるほど混み入っていき、収拾を図るには強力なリーダーシップも必要となります。優れたアルゴリズムを書けることと、皆をまとめる力とは本質的に違うことです。名選手が名監督になれる訳ではないというスポーツ界の話と似ているのかもしれません。

マイルストーンという言葉もよく使われますが、時間という概念こそが、全ての関係者に共通している項目です。そして、Web開発ではその「時間」というリソース(資源)が一番大切なものではないでしょうか。ずるずると延期が繰り返されるプロジェクトが成功したという話は殆ど聞きません。時間というリソースが無駄に浪費されていくプロジェクトでは、開発意欲もそがれますし、アイデアもしぼみます。

ですので、時間を管理するために、こうした「表」を中心に危機管理意識を高めることは、プロジェクト管理上必須の事項となります。そして、この情報が容易に正確な状態に更新できることも、マネージメントのコアスキルです。そのためには、組織的な改良だけでなく、情報収集・共有ツールなどの活用も必要になります。

図10-2
『RIAシステム 構築ガイド』について

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RIAコンソーシアムのトップ画面

この記事は、RIAコンソーシアムが発行した『RIAシステム 構築ガイド Essential 2007』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。※掲載されている内容は2007年5月発行時点のデータに基づいています。

RIAコンソーシアムの活動記録とも言える本ガイドは、RIAの普及促進、開発に関するガイドライン、課題解決などについて、マネージメント、ユーザーインタフェース、テクノロジーの3つの視点からみた、それぞれのテーマについてまとめています。

冊子のご購入や「無料お試し版」ダウンロード、過去の構築ガイドに関してはこちらをご覧下さい。

https://www.ria-jp.org/about/guide.html

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