連載いしたにまさきのブロガーウォッチング
狭くなることを恐れない/日本のライフハックに「ひとこと言いたかった」堀 E.正岳さんのブログ論(第8回)

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堀さんの自薦エントリーベスト1

いしたに さて、堀さんのベストエントリーです。これまでの方にはなんとなくベスト3とかベスト5をピックアップしてもらってきたのですが、今回は頑固な堀さんらしくベスト1の1個のみです(笑)。2008年11月11日の「一流の研究者と「80:20の法則」の落とし穴」ですね。

 アクセス数ベスト1ではないのですが、ブログを成長させてくれたベスト1のシリーズです。

いしたに 自薦のベストエントリーがアクセス数No.1でないことはよくあります。

 このシリーズは、たまたま本業で同室になることになった、今では伝説的な研究者の方がいて、その人の言動をまとめたものです。それまでは、「今日は何かいいネタがないか」と受動的に書いていたブログを、「次はこの側面で書いてみよう」「この側面でこの人を観察しよう」という取材としての書き方を定着させてくれたシリーズでした。方向性を絞って、「このテーマでネタを探す」と決めてしまうと、膨大な情報の海から面白い物を探さなくてもいいので、結果的に楽なんです。

いしたに ブログを書き続けていると、ある日突然、ネタ探しってしなくなりませんか? ネタが勝手にやってきてくれるというか。

 ええあります。Google Readerに2000近く記事がたまっていても、フォローする必要のない時期がわりとあります。「テーマを決めて探す」と、かえって楽に、クォリティが上げられる、という簡単なことを気づかせてくれたシリーズ記事でした。

いしたに フィルタリングも速くなりますよね。「できるだけ楽しよう」という姿勢は、ブログを続けるためには必要なマインドですね。

 そうですね。そういった意味で、私はいつも「地味にブログを書いてます」と口にするようにしています。あまりアグレッシブには書けませんから。

堀さんのネタソース&気になるブログ

いしたに さて、その堀さんのGoogle Readerに登録されているブログからオススメをお願いします。

 はい。実は欧米の情報がほとんどなんです。日本のライフハックブログは追ってはいるものの、記事の重複を避けるためで、そこからネタを拾うことはあまりありません。

いしたに なるほど、それもノウハウですね(笑)

 その中で一番影響を受けているのがやはりMerlin Mannの「43Folders」です。

キャプチャー:43Folders
43Folders

 彼は「最短時間で」「読者に良いものを提供する」ということを徹底していて、「43Foldersの使い方」なる、最短時間で情報を拾ってサイトから離れるための記事まで書いています。「ライフハックとは効率化」「その効率化の邪魔になってはいけない」ということを徹底して考えて読者第一に書いているところがいつも魅力的です。

いしたに 徹底的にライフハックな人ですね。

 2番目は、ブログを書くための情報収集として「ProBlogger」は欠かさず読んでいます。「ブログで収入を稼ぐためのブログ」というと、嫌がる人も多いですが、「価値ある物を提供して、対価を受け取る」という基本を非常にわかりやすく書いてくれています。

いしたに 対価を受け取るというのは大事だと思います。

 そうなんです。でないと、続かない側面もありますし……。

いしたに ブログはホント続いてなんぼなので、続くためには対価というのは、どういう形でもいいのですが大事だと思います。

 本当にそう思います。3番目がちょっと変わっているのですが、おそらくほとんどの方が知らない、名古屋ローカルの話題、NHKの話題を書いている「M's Blog」という方を、挙げました。

キャプチャー:M's Blog
M's Blog

いしたに 堀さんは名古屋在住なんですよね。

 ええ。実は夫婦でこの人のファンです。というのも、けっして暗くならずに、毎日のできごとをユーモアで切り取る、しかもおおむね3行程度で。

いしたに それはすごい!

 これも文体だと思うのですが、このブログの著者からは、いろんなつらいことも経験したうえで、それを笑いに変えているようなパワーを感じます。こうした、明るくて、個性があって、どこか変というブログがあるのを見つけると、本当に「なんでもあり」だなと痛感します。いずれ、「Lifehacking.jp」がその役割を終えたら、次のブログでは違う文体で違うことを書いてみたいです。

いしたに 最近また本を出されたとお聞きしたのですが。

 今回の話にも出てきた「減らして楽にすると、能率だけでなく成果も上がる」という理屈を1冊の本にまとめた『情報ダイエット仕事術』という本を大和書房から、12/20に出版しました。

いしたに 今回のインタビュー内容に興味をもたれた方は、こちらの本を読むと、もっと参考になることがたくさんあるかもしれませんね。ということで、ありがとうございました。

 こちらこそ、ありがとうございました。

まとめ

今回は、やっぱりテーマ設定、という話だったと思います。そのテーマに沿った文体で書き続けていくことが大事で、それである程度「狭さ」が出てきてしまったとしても、恐れるな、ということですね。狭いところを突き詰めていったら、案外普遍的なところに通じていたりして、多くの人の共感を得ることができるかもしれません。ただ、狭くしたら、基本に忠実に、ちゃんとアクセスログをチェックすることも、同じぐらい大事です(笑)

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いしたにまさき(ライター&ブロガー)

1971年大阪府生まれ。ライター&ブロガー。みたいものを見つめて、日々それをレビューするブログ『みたいもん!』を運営中。2002年メディア芸術祭・特別賞受賞メンバー。

共著に『ソーシャル・ネットワーキング・サービス 縁の手帖』『マーケティング2.0』『クチコミの技術』。

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