知って得するドメイン名のちょっといい話
「ドメイン名紛争」って何だ?/知って得するドメイン名のちょっといい話 #3

ドメイン名は自分の好きな名前をインターネット上のアドレスにできる。
JPRS通信 知って得するドメイン名のちょっといい話

ドメイン名は自分の好きな名前をインターネット上のアドレスにできる。だが、この「好きな名前」というのは、あの人にとって大切な名前だったり、そしてある会社にとってはビジネスの成否を左右するほど価値ある名前だったりする。

ドメイン名の売買

1月24日、ロイター通信が「sex.comが1200万ドル(約14億円)で売買された」というニュースを伝えました。これまで知られていたドメイン名売買の最高額は1999年の「business.com」で750万ドル(約8億円)でした。

情報が溢れ、ユーザが検索でインターネットをさまよう時代。企業は消費者を確実にウェブサイトに導くための手段として、ドメイン名に注目しています。

ドメイン名は安価ですが、登録は早い者順。良いドメイン名は誰かがすでに登録していることがほとんど。そこでこのような高額売買が生まれます。そのドメイン名にいくらの価値を見出すか、という市場原理が働いているのです。

大きな取引でなくても、オークションサイトなどでのドメイン名売買も最近は多いようです。ドメイン名売買は、両者が合意し、レジストリに対して必要な手続が行われていれば問題ありません。

JPドメイン名でも2000年10月まではドメイン名の譲渡を禁止していましたが、現在は可能となっています。

ドメイン名の紛争

JPドメイン名で譲渡を禁止していた大きな理由は、他人の商標や商号(会社名など)と同じ文字列のドメイン名を登録して高値で売りつける、という行為を防ぐためでした。

例えば、このような譲渡制限のない.comでは、1998年に石油会社のエクソンとモービルが合併を発表した際、韓国の青年が「exxonmobil.com」と「exxon-mobil.com」というドメイン名を先に登録していた、という事件がありました。安価なドメイン名が高額取引の材料となるとして大きなニュースになりましたが、その後同様なドメイン名登録が投機的に行われるきっかけにもなりました。

他にも、ライバル会社の社名と同じドメイン名を先に登録し、その会社のドメイン名登録を妨害するなど、ドメイン名に関する紛争が社会問題化すると、これを解決するための枠組みとして、.comなどではUDRP(統一ドメイン名紛争処理方針)が、JPドメイン名ではJP-DRP(JPドメイン名紛争処理方針)が策定されました。制度の仕組みはどちらも同様です。

JP-DRPによりドメイン名の紛争が解決できるようになったため、これを機にJPドメイン名でも譲渡可能としたのが2000年10月のことです。

JP-DRPが扱う「紛争」

JP-DRPは、JPドメイン名に対して正当な権利(商号登記や登録商標など)を持たない者が不正な目的で登録・使用しているときに、権利を持つ者が申し立てを行うことで、そのドメイン名の登録を停止させたり、自分のものにしたりすることができる制度です。

もちろん、裁判で解決を図ることもできます。2001年には不正競争防止法が改正され、ドメイン名の不正な登録・使用も対象に含まれるようになりました。

しかし、JP-DRPの特徴は、裁判に比べて短期間で裁定が出ることにあります。

損害賠償請求などは裁判に持ち込むしかありませんが、悪用されているドメイン名の早期停止のためにはJP-DRPは有効です。また、費用も裁判に比べて安価です。

JP-DRPの申立条件

以下のすべてを満たしていること。

  1. ドメイン名が、申立人が権利または正当な利益を有する商標その他表示と同一または混同を引き起こすほど類似していること。
  2. 登録者が、当該ドメイン名の登録についての権利または正当な利益を有していないこと。
  3. ドメイン名が不正の目的で登録または使用されていること。
JP-DRPが定める「ドメイン名の不正な登録・使用」

以下のいずれかに該当すること。

  1. 高額で販売することを目的に登録しているとき。
  2. ある商標等の権利者がそれと同じか類似したドメイン名を登録できないように妨害する目的で登録することを繰り返しているとき。
  3. ライバル会社の事業を混乱させることを目的に登録しているとき。
  4. 一般ユーザーに意図的に誤認混同を起こさせ、不当に利益を得るために、そのドメイン名を使用しているとき。

JP-DRPの抑止力

JP-DRPの策定後、企業名のドメイン名を先取りして高額で売りつけようとしたり、有名サイトによく似た名前のドメイン名で一儲けを企んだり、ということはできなくなりました。そのようなことを行っても、JP-DRPによりドメイン名が奪われてしまうため、不正な利益を得ることが難しくなったからです。

JP-DRPは紛争解決のための制度ですが、紛争そのものが発生しにくくなるという抑止力もあります。現に、2000年10月以降JP-DRPの対象となった紛争は42件しかありません。

ドメイン名を安心して使うことができる、というためにはドメイン名が悪用されないという支えが必要です。JP-DRPはそのために大きな役割を果たしています。

図01
図1 ドメイン紛争とJR-DRPの役割

ドメイン名登録時の注意

ドメイン名を登録するユーザの立場では、他者の権利を侵害しないよう注意が必要です。「誰かに売れるかも」と思って会社名や商品名、有名人の名前などのドメイン名を登録したりしていると、それが悪意ではなくちょっとしたいたずら心からのものであってもドメイン名紛争の火種になりかねません。自分が正当な利用目的で必要とするドメイン名を登録することを心がけましょう。

JPRSからのお知らせ〜その1

前回で「偽サイトに誘導される?」と題して危険なDNS状態についてご説明しました。JPRSでは2006年1月より、JPドメイン名のDNS設定状態を定期的に確認し、不適切な状態にあるDNS設定を削除することで危険性の低減を図ることとしました。詳細はJPRSのウェブサイトにある解説をご覧ください。

JPRSからのお知らせ〜その2

日本語JPドメイン名の利便性と可能性を多くの方々に体感していただくため、「駅街ガイド.jp」というサイトを開設しました。駅周辺で「食べる」「遊ぶ」など、生活に役立つ情報をそろえていますので、ぜひ一度、日本語JPドメイン名に対応したInternet Explorer 7やFirefoxなどのブラウザでアクセスしてみてください。

※この記事は、レンタルサーバー完全ガイドの発行する雑誌『レンタルサーバー完全ガイドVol.4』(2006年2月28日発売)に掲載されたものを再編集して掲載しているものです。

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