企業ホームページ運営の心得

ホームページ屋心得。一業種一社の理想と現実

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の百

ついに連載100回を達成したWeb担心得コラム! 連載100回を記念したプレゼントもあります。

記念して根源的なテーマを

連載100回目を迎えました。ひとえに応援してくださる読者のお陰です。ありがとうございます。

連載開始以来、自社サイト発行のメルマガ「伸びる会社は知っている」に登録される「メアド」に「IT企業」の名前を見つけるようになりました。その殆どが「ド素人Web担当者」と銘打つ本コラム経由の訪問です。隣の芝生が気になるのでしょうか。私の目指すところは「業界大手」や「株式上場」ではなく、ホームページ屋を「街角の風景」とすることです。だから「同業者大歓迎」です。

今回は100回記念号「ホームページ屋心得」。理想論と笑われても、弊社が「一業種一社」としている理由です。企業内のWeb担は「業者選び」の参考にしてください。

出自により異なる業種

まず「ホームページ屋(制作業)」とは何でしょう。最近では「ホームページ制作業」として創業した会社も増えていますが、伝統的にはデザイン事務所やソフトハウスからの「転籍組」が多く、「パソコン教室」の副業やコピー機のリース業者が始めた会社もあります。そして、みな「ホームページ屋」を名乗っています。一般論ですが、デザイン事務所はヴィジュアルに長け、ソフトハウスはシステムに強く、レクチャーならパソコン教室ですし、リース業者はテレアポを得意とします。

どの「系」の業者に発注するかは、利用者の選択に委ねるべきで、どれが正解とは言えません。それは床屋(理髪店)かパーマ屋(美容室)、またはカツラ屋の違いに似ています。

そこで判断基準としての「心得」を定義します。

コーダーはホームページ屋か?

あの占い師風にズバリ答えるなら「プロデュース」

サーバーの選定から文章の校正、販促企画にキャッチコピー、ブログが必要か手書HTMLで十分かを吟味し、社内の根回し術を示し、または一緒に考えることで、音楽プロデューサーが楽曲のみならず、振付師の発注から衣装、広報戦略まで考えるようにです。

20年ほど前、SEとはシステム仕様の設計から行程管理まで行う「スーパー管理職」への称号でした。PG(プログラマ)はSEの仕切りの下で各機能単位の開発に従事します。さらにPGの考えたアルゴリズム(手順)をもとにプログラムコードに置き換えていく「コーダー」という職もありました。通常、彼らにアドリブは求められておらず、「直訳系翻訳家」というところでしょうか。

納得もプロデュース

「プロデュース」を心得としたのは、提出された原稿をHTMLに置き換えるだけの「コーダー」との線引きのためです。客がSEやPGのように十分な知識とノウハウを持っていればコーダーは重要な戦力となりますが、英語圏の文化や生活様式を知らない人間に「直訳」を渡しても理解は難しいでしょう。「ネット特有」の文体や集客方法を知らない客は多く、それを「意訳(演出)」するのもプロデューサーの仕事です。「直訳」されただけのホームページが商売に役立つことは滅多にありません。

最近では「Webプロデューサー」という肩書きも見かけますが、「Web」という曖昧な単語で素人(客)を混乱させる好みはなく、「納得」しやすい言葉を用意してあげるのも「プロデュース」の手法と考える私は「ホームページ屋」を採用しています。

リスクの高い理想論……ですが

ホームページ屋は「一業種一社」が理想です。

競合するスーパーAとBの「セール」を同一人物が担当したとします。Aには商品を売るためのアイデアを出し、Bでは来客数が増えるアプローチの提案をします。競合する企業が同じセールをすれば「引き分け」にはできますが、手抜きが発覚すれば取引停止もあり得ます。そこで目先を変えた企画を用意することで、リスク回避しながら「結果」を狙うことができるのです。しかし、スーパーの側に立てば商品が売れ、来客数も増加する企画が理想的です。

裏返せば、同じ人間が担当する以上、一業種多社との取引で「手抜き」は避けて通れないのです。

より残酷なのは「すべての客に全力投球」という姿勢です。敵対する軍隊のそれぞれに最強の武器を卸す死の商人を連想するのは私だけでしょうか。実は会社員時代に「死の商人」と化していました。隣接して営業するライバル3社の担当だったのです。3社にそれぞれ別の企画を持ち込み、全力を投じます。A社が当たれば残り2社が不調となり、B・Cのヒットも勝者と敗者を入れ替えるだけです。告白すれば、最初は快感でした。しばし後、客を「手玉」にとっている自分を見つけ担当を降りました。

それが私の目指す道

営業施策として「一業種一社」は賢明ではありません。業界に特化してからの水平展開は営業効率が高く、特に横並び意識の強い日本では同業者の受注実績は強力な営業ツールとなるからです。

一方、発注者である「Web担当者」は一業種多社に潜む「死の商人」の他のリスクを覚えておいてください。提供される「成功ノウハウ」は同業他社の成果であり、貴社の「成功事例」もライバル業者に転用されるリスクがあるということです。横並びを脱したいのであれば、業者選定の際の受注実績に注意し、ノウハウの流出には「秘密保持契約」の締結をオススメします。

冒頭に述べた「ホームページ屋を街角の風景とする」とは、自動車修理工にコックさん、理髪師に美容師、それに看板屋や印刷屋などと同じく「技術」で稼ぐ職業として認知されることです。濡れ手で粟と巨富を手にする虚業のイメージから脱し「町内会名簿」に載る商売として。「ホームページは必ず商売の役に立つ」という信念があります。だからご近所のお役に立ちたいと。これは私が足立区に拘る理由です。

「プロデュース」を意訳すれば「客のわからないことはすべて請け負う」ということです。手間も暇もかかりますが。しかし、この心得が私を少しだけ物知りにしてくれ、100回分の原稿を書かせてくれました。

♪今回のポイント

企業をプロデュースする稼業。

だからこそ高い理想と客(ホームページ)への愛情を。

最後となりましたが編集部の皆さんいつもありがとうございます。

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