連載いしたにまさきのブロガーウォッチング
過去の自分に向けて書く/大橋悦夫さんのブログ論(第7回)

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大橋さんの自薦エントリーベスト5

ということで、大橋さんには自選エントリーベスト5を選んでもらいました。

自薦ベストエントリー
順位 ブログタイトル はてブ数 公開日
1 ブログを書き続ける目的を考える 8 2006/01/30
2 ブログを書き続ける理由 1 2006/06/29
3 「けものみち」の心得と実践 17 2007/12/15
4 ラクに生き抜くための自分の運び方 22 2007/12/17
5 ブログを書くことで得られるの3つの効用 33 2008/03/03

いしたに ランキングが、はてブ数の順番とは一致していないのがおもしろいですね。

大橋 そうなんです。今回はあえてはてブの少ないエントリーをピックアップしました。ずいぶん前に書いたエントリーもあるのですが、今の自分の方向性にマッチしているかどうか、という基準で選んでいます。

いしたに 選んだエントリーを見返してみて、何か気づいたことってありますか?

大橋 ノミネートは20エントリーぐらいあったのですが、ざっと読み返してみて、ブログに関するエントリーがほとんどであることに気づきました。ブログのテーマは仕事術なので、「メールを効率良く処理する」とか「仕事のスピードをアップさせる」といったエントリーも上位には来るのですが、書いていてしっくり来るのは、「ブログをうまく書けるようになるには」「ブログを長く続けるには」「ブログというツールを自分の仕事に役立てるためには、どうすればいいか」という課題に取り組んでいる時のようです。最近、企業経営者や士業(会計「士」や税理「士」など)、あるいはこれから本を書こうとしている方に向けて、ブログ講座というのをやらせていただいたのですが、この仕事がものすごくしっくり来ました。何というか、やりがいのある仕事だな、と。そんなわけで、ブログがらみのエントリーが上位に来たようです。

いしたに ああ、なるほど、そういう意味だとさっきの延長なんですね。ブログが自分の仕事に役立つというのは、そうなってしまった人にはあまりにも自明すぎて、説明がしにくいというか辛い(苦笑)。でも、わざわざやることで、大橋さんの場合はそれもさらに仕事になっていると、さすがすぎる……。

大橋 もはやほかの仕事はできないくらい一点張りしてしまっているので……(笑)

大橋さんが気になってついつい読んでしまうブログ

いしたに さて! 大橋さんのおすすめブログ、お願いします。いつも読んでいるブログ、これだけは外せないブログ、3つぐらい教えていただけますか?

大橋 実はよそ様のブログはあまり読んでいなかったりしますが(汗)、そんな中でも、気になってついつい読んでしまうブログを挙げるとすると、「Lifehacking.jp」、「カワイタクヤの頭の中」、あとブログではないんですが、「糸山英太郎さんの日記」ですね。

いしたに では、順番に簡単に見てしまう理由を教えてください。

大橋 はい。まず「Lifehacking.jp」は管理人の堀 E.正岳(mehori)さんのキャラが好感度高すぎで、実際にお会いしてみて、そのまんまなところがおもしろいです(いい意味で)。まぁ、それはともかく、そういうキャラの割に、ガンコ職人なところを時折垣間見せ、それがこのブログのトンガリとなって、ついつい読ませるのかな、と思っています。僕自身はWindows+WILLCOMなので、Mac+iPhoneな堀さんの記事はけっこう「?」な感じなのですが、アナログガジェット(モレスキンとか万年筆とか)とデジタルガジェット(MacbookとかiPhoneとか)に対する思い入れとかこだわりというレイヤーで見ると、ものすごく共感できる部分があり、かつ読書家でもいらっしゃるので、その読み方や仕事への援用のしかたなど、いちいち感心させられます。次に、カワイタクヤさんですが、彼とは一度お会いしたことがありまして……。

いしたに 私も、ものすごくよく知ってます(笑)

大橋 彼も別の意味でライフハックギークなところがあるんですね。そういう「こだわりレイヤー」に反応したというのが大きいのですが、それ以上に、紹介したブログが「1.肉体が移動中に、2.最小限の言葉で、3.携帯から書く」というルールに則って書かれているところが、ブログレイヤーにもビンビン響くのです。さらに、もともとコピーライターを目指しかけたところがあったため、その羨望からの眼差しも若干あります。

いしたに カワイさんは株式会社ヒマナイヌの代表取締役社長兼ディレクターでもありますからね。

大橋 最後の糸山さんは、僕自身が世間知らずということもあるので、こういう辛口トークくらいでちょうどいい、というか中途半端な情報だと頭に入ってこないので、そういう意味では社会情勢のスパルタ教育と思って、読ませてもらっています。

いしたに アナログ的なところで共感するのって、機能とかじゃなくて、センスの問題が大きいから、そういう人って大事ですよね。

大橋 そうですね、一緒に仕事をしたくなる理由もそういうところから匂ってきますから。それに、アナログ的なところってその人にビルトインされてしまっていますから、隠せないし、偽れないんですよね。デジタル的なものは簡単にスイッチ可能ですから。

いしたに 余計にあぶりだされますよね。最後の糸山さんなんてのは、まさにネットのおかげですよね。ネットがなかったら、こんな人の話を聞くだけでも大変だったわけですから。

大橋 まったくです。こんなに偉そうにモノを書く人がいるんだーと最初は衝撃を受けました(笑)。

いしたに ありがとうございました、

大橋 こちらこそありがとうございます! 楽しかったです!

まとめ:迷ったら振り返れ

今回の大橋さん、さすがに7つもブログを失敗しているだけあって、そもそもブログを書くとはどういうことか?というのを、考えられています。それがさらに大橋さんのブログのエンジンになっている印象を受けました。

こういうことを考えるのは、ブログを始めたばかりではむずかしいとは思いますが、今回のインタビューが終わった後、大橋さんからは、「迷ったときは、振り返れ」という拠り所になるステキな格言(?)をいただきました。ある程度継続して運用している場合は、一度、ブログを始めた当時の自分を振り返って考えてみるのもどうでしょうか?

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いしたにまさき(ライター&ブロガー)

1971年大阪府生まれ。ライター&ブロガー。みたいものを見つめて、日々それをレビューするブログ『みたいもん!』を運営中。2002年メディア芸術祭・特別賞受賞メンバー。

共著に『ソーシャル・ネットワーキング・サービス 縁の手帖』『マーケティング2.0』『クチコミの技術』。

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