連載編集長ブログ―安田英久
Google検索で登録制サイトでもヒットさせられる「First Click Free」ポリシーが明らかに

安田英久(Web担 編集長) 2008/10/28(火) 13:00 (8)この記事をはてなブックマークに追加(17) 印刷用印刷用
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イメージ画像:First Click Free

グーグルは、同社のWeb検索における「First Click Free(FCF)」ポリシーの概念を公式に示しました。今回は、この仕組みについて解説しましょう。

「First Click Free」とは、「1クリック目は無料で」という意味。つまり、サイトのコンテンツを見るのにユーザー登録をしたり購読料を支払ったりする必要のあるサイトでも、グーグルの検索結果から飛んだ最初の1ページは、登録や支払いなしにそのままコンテンツを見られるようにしておくのなら、そのコンテンツが検索インデックスに含まれるようにしていい、というグーグルのポリシー。

元はグーグルニュースのためのポリシーだったのですが、それが2008年の6月あたりから(非公式に)普通のグーグル検索にも適用されており、今回、公式にガイドラインが明確化されたもの。これをわかりやすく表現すると、グーグルから見て「不正なクローキング」だとみなされない形でのコンテンツ表示の操作が認められたことになります。

どういうことかというと、これまでは、ユーザー登録や購読料が必要なサイトのコンテンツがグーグル検索でヒットするようにしようとすると、グーグルのガイドラインに違反することになっていました。具体的に説明しましょう。通常、登録が必要なサイトでは、登録していないユーザーがコンテンツページのURLにアクセスすると「登録してください」といったページが表示されます。しかし、検索エンジンのクローラ(ロボット)がアクセスしてきたときだけはページのコンテンツをすべて表示するようにしておけば、検索エンジンでヒットするけれども、人間のユーザーは登録しないとページを見られないようにできます。しかし、この状態は、グーグルの定義する「クローキング」に該当していました。

クローキングとは、ユーザーと検索エンジンとで異なるコンテンツや URL を表示することです。user-agent に基づいて異なる結果を表示するサイトは、偽装の意図があると見なされ、Google インデックスから削除される場合があります。

しかし、First Click Freeポリシーに則った動作をするようにすれば、不正なクローキングだとはみなされなくなったのが、今回の目玉。First Click Freeポリシーのガイドラインは、具体的には次のようなものです。

  • グーグル検索からクリックしてあなたのサイトに来たどのユーザーも、ユーザー登録や購読料の支払いなどなしに、アクセスしようとしているコンテンツすべてを、見られるようにしておくこと。

  • グーグル検索からクリックしてあなたのサイトに来たどのユーザーに対しても、グーグルのロボット(Googlebot)に対して表示されるものとまったく同じものが表示されるようにしておくこと。

  • ページ分割している記事の場合、グーグル検索からクリックしてあなたのサイトに来たどのユーザーも、記事全体を読めるようにしておくこと。そのためには、グーグル検索からクリックしてきたユーザーと、Googlebotに対しては、そのコンテンツすべてを1ページで見せるなどするのがいいでしょう。または、クッキーなどを使って、分割されたページに関しては、ユーザー登録や購読料の支払いなどなしにアクセスできるようにすることもできます。

今回発表されたグーグルのFCFガイドラインより(日本語訳はWeb担編集部)。

登録や購読料が必要なコンテンツをグーグル検索で探せるようにするには、グーグルのロボット(Googlebot)がサイトにアクセスしてきたときは、ページのコンテンツをすべて表示するように、ユーザーエージェント名(ブラウザ名に相当するもの)によってサーバーやCMSの動作を変更します。また、普通のブラウザを使っているのにユーザーエージェント名はGooglebotだと名乗ることも可能なので、アクセス元がグーグルのIPアドレスであることもチェックする必要があります。そうすることで、検索エンジンのインデックスにページが含まれるようになります。

訪問者がグーグル検索から来たのかどうかを判別するには、アクセスごとにHTTPリクエストのヘッダーに含まれるリファラーを確認して、リファラーがグーグル検索に関するURLだった場合には、コンテンツをすべて表示するように、サーバーやCMSの動作を変更します。

ガイドラインで重要なのは、「グーグル検索からの1クリック目」はすべて無料で見られるようにしなければ、クローキングとみなされてしまう点。つまり、1日に何ユーザーであっても、同じユーザーが1日に何回であっても、グーグル検索から来たのならば、該当するコンテンツをすべて見せなければいけません(検索で該当するコンテンツを表示したあとに、ユーザー登録などを促すようにするのはOK)。

このポリシーに関しては、「うまいこと検索するユーザーには、グーグル検索経由でサイトの全コンテンツを見られてしまう」「すべてのアクセスでリファラーをGoogle.comにするようにブラウザに細工をするユーザーがいたら全コンテンツを見られてしまう」といったウェブマスター側の反論も出ています。

しかし、First Click Freeプログラムは、あくまでも、採用したいウェブマスターがやればいいもの。そのメリットとデメリットに関して、価値と発生の確率をバランスとして考えて、やる価値があると判断したらやればいいだけのことです。First Click Freeを採用しない場合、登録が必要なページはグーグル検索にインデックスされないようにしておけばいいだけのことで、今までと変わりません。

Web担は幸い、ユーザー登録しなくてもコンテンツをすべて見られるので、FCFを採用する必要はありません。しかし、各種コミュニティや、企業サイトなどでも、FCFをうまく利用することで、サイトの認知や集客を増やせるケースは意外と多いのではないでしょうか。技術的な修正が必要になる場合がほとんどでしょうけれども、検討する価値はおおいにある仕組みだと思います。

この記事は、メールマガジン「Web担ウィークリー」やINTERNET Watchの「週刊 Web担当者フォーラム通信」に掲載されたコラムをWeb担サイト 上に再掲したものです。

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