Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
ちゃんとしたSEO業者はなぜ検索結果での順位を保証しないのか その5つの理由

Moz(旧SEOmoz) 2008/10/23(木) 9:00 tweet5このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用
イメージ画像:SEOと保障

今夜、僕の手元に、おなじみの質問のメールが届いた。SEO関係のコンサルタントと開発サービスを提供している大手企業が、めったに検索結果での順位を保証しない(そして事実上、それをマーケティング戦略として決して使わない)のはなぜなのか、その理由を問うものだ。

このテーマは最近話題になった問題だし、なかなか絶えない懸念に対処するのと同じように、この問題には時間を費やす価値があると思ったんだ。

SEOmozをはじめ、僕らと協力関係にあったり、僕らのお奨めする多数の企業が、検索エンジンのランキング「保証」を回避せざるを得ないのには、確固たる5つの理由があるんだ。

理由1:SEOと保証に関しては、忌まわしい過去があるから。

1996年から現在に至るまで、SEO関係の詐欺では、うまい話に騙されやすい顧客を引き寄せるため、あざといキャッチフレーズが用いられてきた。それが「順位とトラフィックの保証」だった。この結びつきが業界全体に染み渡った結果、「保証」という文句の使用を検討する企業さえも嫌悪の対象となった。保証という名を使った、いわゆるSEO企業によるいかがわしい謳い文句をいくつか見てみよう。

原文)当社の検索エンジン最適化ソフトウェアは、保証どおりの検索順位を実現するために、最新のリンク人気およびWebサイト最適化用のツールを備えています。このインターネット上で最良の検索エンジン最適化ソフトウェアでは、以下のものを提供します。

  • リンクポピュラリティおよび相互リンク用ツール
  • Webサイト登録ソフトウェア

相互リンクとWebサイト登録用の自動ソフトウェアだって? SEOのやり方について10分程度かけて詳しく調べてみれば、こうした謳い文句は、過去5年間にわたり効果のなかったような戦略に、わざわざ深く入り込むものだということがわかるだろう。

原文)年会費は399ドル。DMOZ、Netscape、Google、MSN、AltaVista、LYCOS、FAST、ASK/Teoma、その他100種以上の検索エンジンやポータルにおいて、すばやい掲載を保証! トラフィックを追跡し、より上位にランクインすることを保証します!

掲載やトラフィックを保証するだけでなく、迅速にそれを実現すると保証している。僕は、脳にクレヨンを再び差し込まれた『ザ・シンプソンズ』のホーマーが発した、「拡大保証? そりゃ、絶対お得だ」という悪名高いセリフを思い出す。

原文

  • 毎月、検察結果の1ページ目に掲載されることを保証します。1ページ目に掲載されなかった月の料金は無料です。
  • 最大100種のキーワード・フレーズでWebサイトを最適化することをお約束します。
  • 1ページ目におけるお客様の掲載順位を記録した報告書を、毎月1回提供することをお約束します。

いまだにランキングを保証しているSEO企業の多くは、自分たちで選んだ一定数のキーワードについて保証するという、巧妙なやり方を実践している。この方法の場合、彼らは得てして競争の激しくない語句を選び、かなり高い率で成功する。これらのキーワードによるランキングが、本格的なトラフィックをもたらすかどうかについては、まるっきり別の問題なんだ

単刀直入に言おう。リゾート施設の共同所有で「無料」なのは短期の週末利用だったり、中古車の世界にはしつこいセールスマンがつきもののように、SEOの世界にも、正当な業者だったら忌まわしいものとして回避する、業界固有の狡猾で紋切り型の謳い文句があるということだ。

理由2:保証に関して、検索エンジンが明白に警告しているから。

僕がグーグルの検索エンジン最適化(SEO)に関するガイドラインを示すことはあまりないが、SEOと保証に関する色んなクエリでこのページが検索結果の上位に来るため、顧客がSEO業者のサービスについて調べる際、このページが見つかるのは事実上避けられない。特に目を引くのは以下の文だ(しかも太字で書かれている!)。

誰も Google で最上位に掲載されることを保証できません。

その内容は、多少違う文脈の意味で使われているものの(「サイトの掲載順位を保証したり、Google との『特別な関係』や Google への『優先登録』を主張している SEO には注意してください」)、伝わってくるメッセージは非常に明確だ。もし潜在顧客が、保証は偽りだと伝えるグーグルのWebサイトを読んだら、SEO市場が提供してくれるサービスについて詳しく調べるうちに、おそらく業者たちを色眼鏡で見るようになるだろう。

理由3:本質的にランキングは変わりやすいから。

もし、ここシアトルで「SEO Company」というクエリを使って検索し、それから3時間車を運転して南のポートランド(あるいは3時間北に向かってバンクーバー)に行き、そこで同じクエリで検索を実行したら、おそらく検索結果はまるで異なったものになるだろう。僕が自分のグーグルのアカウントにログインして、パーソナライズ化検索を実行したり、検索の過程において別のデーターセンターに出くわした場合でも、やはりその結果は変化するだろう。あるクエリの検索結果ページを再読み込みすると、結果が変わったり検索順位が入れ替わったりするという奇妙な体験は、多くの検索ユーザーが知っていることだ。

ランキングの揺らぎが持つ不条理な性質と、ある時点における特定のコンピュータで検索した結果を見ても、将来はもちろん現在の状況すらほとんど何もわからないということを考えると、経験豊富なSEO企業が保証を敬遠するのは当然のことだ。

理由4:総合的な成果を計るうえで、検索順位は確固たる指標にならないから。

検索順位はトラフィックと等価ではない

SEOキャンペーンがうまくいったかどうかは、検索エンジン由来のトラフィック増加量と、増加した分のトラフィックがサイト上において望ましい行動につながった割合によって判断されるべきだ(後者は、コンバージョン率に関するサイト最適化も契約条件にある場合の話)。検索上位に食い込むことは、(多くの場合)常に目的を達成するための手段であって、目的そのものではない(唯一の例外は、評判管理キャンペーンだ)。

後世のために、あるいは自尊心を満たすために検索上位に入ることを求めている人たちは、SEO会社にとって顧客として選ぶべき相手ではないかもしれない。確かなビジネスモデルを持ち、なおかつそれを支えるすばらしいコンテンツやサービスを持っている顧客は、質が高く関心も強い検索エンジン由来のビジターを求める。そういった顧客の願望は、自らのWebサイトによって実現できるものだからだ。確かに、一般論として検索結果の第1位になれば、2位以下よりも多くのトラフィックを獲得できる。しかし、ただひたすら検索順位に執着するような態度は、僕らが目にしてきた多くのキャンペーンや、僕らが実際に手がけたいくつかのキャンペーンにおいて障害になっていた。

成果の測定基準は常にトラフィックであるべきだ。検索トラフィックが増加したということは、SEOが自分の仕事をちゃんとやっているということなんだ。全体的な検索トラフィック以上に、検索量の多いいくつかのキーフレーズでランク入りすることを優先すれば、不首尾な結果しかもたらさない。検索量の70%は、需要曲線のロングテール部分にあることを忘れてはいけない。多くの場合、その場所こそ旨みの多い成果を得る可能性が大きいのだから。

理由5:自分が制御できないものについて保証すれば、倫理上の問題を引き起こすことが避けられないから。

政治家たちはいつも、果たせそうにない約束を結ばされるという罠に陥っている。幸いにも、政治が始まって以来、政治家は人々の期待を裏切り続けているため、政治家に対しては比較的低い基準が設けられている。だが、ビジネスの世界においてこれは通用しない。もしFedExが明日までに荷物を配達すると約束するのであれば、それは正当な保証だ。なぜなら、FedExは配達手段を掌握しているんだからね。一方、もしカメラメーカーが、どんな写真でも美しく撮れると約束したら、それは無責任というものだ。もし悪役俳優のゲイリー・ビジーにレンズを向けたとしても、その約束は果たされるのだろうか?

これと同じ原則がSEOにも当てはまる。

SEO企業が保証でき、かつ保証すべきなのは、顧客のサイトがより多くのトラフィックを獲得する上で役に立つ、可能な限り最高のアドバイスを提供することだ。顧客のサイトを調査した後で、検索トラフィックを少なくとも10%、20%、30%、あるいはそれ以上増やせると保証することもあるかもしれない(僕らもかつて、すばらしい可能性を秘めているくせに、とんでもなく下手くそなSEOを実施しているサイトをいくつか目にして、少なくとも言葉の上でこのような約束をしたことはある)。だがSEOでは、FedExが荷物の配達状況を把握できるように、あるいはCoca Colaがコーラの味を保証できるようには、検索結果を思いのままに操ることはできない。ランキングの方法に関与し、その内情に通じているのは、検索エンジンだけなんだ。

僕の個人的な意見だが、任意のキーワードで一定の検索順位を獲得できるということに、大金を賭けても構わないと思ったことがある。だがそれは、保証することと同じではない。保証とは約束だ。サービスを提供する側から受ける側に対して、確実にそうなるだろうという期待を常に抱かせる、基本的な契約なんだ。こうした論理をごまかし、直接把握できる範囲外の約束を行うことは、倫理とビジネスの両面で、怪しい行動を取っていることに他ならない。

◇◇◇

これらの理由によって、僕は自分たちのコンサルティング業務に関して、「保証」という言葉を使うことさえ避けている。実際には、顧客が満足できるだけの成果を出すこと(少なくともこれまでのところ、その約束は果たしてきた)、そしてもし僕らのアドバイスに従がってくれるならば検索トラフィックが増加すること(ただしこれは、本当に「もしも」の話になりがち)、さらには僕らの取り組みによって、顧客が検索エンジンからペナルティを受ける危険を冒すことにならないこと、これらの点については保証する。こうした類の約束を請け合うのは、完全に許容範囲内だだと思う。ただし「検索エンジンでの順位」を保証するのは回避しよう。自分の首を絞めているようなものだ。

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