企業ホームページ運営の心得
自治体主催のセミナーがダメな理由。時間浪費型セミナーを見分ける方法

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の九十壱

久しぶりに時間の無駄遣いをしました

定期的にセミナーや講演会に足を運びます。内容はもちろん、演者の息づかいや間の取り方から学ぶことがあり、放たれる「オーラ」から刺激を得るのが目的です。書籍やインターネットとは異なる学び方の1つです。もちろん「セミナー」にもよるのですが。

先日「1億稼ぐWeb2.0ビジネスマン(仮名)」と称する方のセミナーを受講しました。スケジュールが空き、知人も行くというので足を運んだのですが、講師のしゃべりは途切れ間延びし、オーラは中小企業の主任クラスで「しょっぱい」中身に途中退席しました。時間を浪費したと呟きながら、申し込む前のリサーチ不足を悔いました。

愚かな私は過ちを繰り返します。この手のセミナーはわずかなリサーチで見抜けるというのに。

1億稼ぐセミナーのネタ

講師は語ります。ブログを書き、それを元にメルマガを発行し、続いて小冊子に起こし、引いてはセミナーを主催して稼ぎましょうねと。毎日一遍のブログを書けば、1年で365本のネタになり、さらに「出版社は著者を探している」と刺激し、持ち込めば本になると煽ります。

……どこからつっこんで良いのかわからず軽いめまいを覚えました。出版社が著者を捜しているのは本当ですが、これはタレント事務所のスカウト活動と同じくデビューできるかとは別次元の話しで、書けば本が出るわけではありません。そして365日続けて「ひと言」や「つぶやき」でお茶を濁すことなく、読むに値する文章を書き続けるのは困難です。ここをスルーして「楽して儲かる」を強調します。

技術を軽んじる姿勢

楽して儲かるも夢がある話しで、「やる気」が点火されれば時間を割いて受講したかいもあります。しかし、ケーススタディで「思う」「らしい」と想像と仮定が続き、実例は知人の話しばかりで体験がありません。そして息継ぎの度に話しが止まります。緊張していたのかも知れませんが、その話し方で「セミナーを開きましょう」といわれて信用するほどお人好しじゃありません。セミナーの内容はといえば……古いのです。ホバーウィンドウ(ドロップウィンドウ、スクロールウィンドウ)を最新ノウハウとして紹介するぐらいに。

私はセミナーの途中退席は滅多にしません。時間を割き、足を運んだ以上、1つぐらいは何かを学んでいこうと「貧乏性」が首をもたげるからです。しかし、あるJavaScript系の技術を紹介し「どこにでも落ちている」といい、「ちょっと詳しい人に“ちゃちゃっと”つけて貰えばいい」と言い放ったので席を立ちました。ネットの事実とはいえ「技術」への敬意を持たない人と過ごす時間が耐えられませんでした。

税金でやっているところはダメ

端的にいえば「税金」が投入されているセミナーは商売の役に立たないケースが多いでしょう。このセミナーも地方自治体が後援者に名を連ねていました。理由はシンプル。セミナーの許可をだす役人が商売の世界を知らないからです。多くの公務員にとって「ビジネス」は縁遠いのですが、「産業振興」という施策のために取り組まなければなりません。そこで頼るのは「実績」です。商売のではなく自治体との「取引実績」です。

ある企業が電子メールやホームページのセミナーを自治体から民間委託で受託しました。受託企業をグーグルで検索すると「不動産会社」とあり、辿ってみると不動産関連の資格講習を皮切りに、何かと話題の「随意契約」で各種「勉強会」を請け負っていったようです。役人批判が本旨ではないので実名とこれ以上の実例は控えますが、取引実績がある企業の「提案」は通りやすくなります。役人の習性である「前例主義」と重なるからです。そして、「役立たず」が量産されます。

そもそもなセミナーのカラクリ

1億円稼ぐと自称する講師の講演料が1回100万円だとして、年100回で1億円。全国を飛び回り3日に1回語り続ける計算です。旅暮らしは不安定な生活の代名詞です。そこで疑問が浮かびます。「自分が話す1億円稼ぐ方法」と「セミナー講演で稼ぐ方法」どちらが楽して儲かるかです。

時々刻々と変化するネットビジネスで、1回100万円のギャラに見合う「ネタ」があるのかということも。そして一般的な講演ギャラは数万円です。実はセミナーは儲からないのですが、今日もどこかでセミナーが開かれます。会場の選定に集客、資料作りに懇親会の準備と手間がかかり、無料セミナーなら赤字です。それでも明日も開催されるのは「営業活動」だからです。

セミナーに集まるのはSEOや検索連動型広告での訪問者と同じく「興味を持っている見込み客」です。彼らを「勉強会」に誘い込みます。そして「顧問(コンサルティング契約)」をとるのが「方程式」です。「月額数十万円」のコンサルフィーで簡単に赤字を取り戻せ、そのための大切な仕事は「さくらの手配」です。セミナーに空席があるとありがたみが薄れます。そこで仲間や友人を動員して盛り上げ、何も知らずに参加した「カモ」を調理します。

情報起業家のビジネスモデル

コンサルや「情報起業家(よろしければ「インフォプレナー」の回も)」の営業セミナーは、企業ウェブと格闘しているものには「時間の浪費」となりやすいので注意が必要です。興味を持ったら講師のサイトをチェックします。そして「オススメ」や「友人」のサイトを幾つかクリックします。リンク先の半分以上で「ノウハウ」「まぐまぐ」「必勝法」という文字が見つかれば「その系」とみてよいでしょう。時間の浪費と嘆く前に、数分のサイトチェックを。

演出と嘘は紙一重です。この講師はクライアントのサイトに掲載された客の写真をプロジェクターに映しだし、実は自分だと笑い「やらせ」をノウハウと披露します。この日の参加者を自分のブログで「50名」と綴っていましたが実数は30人ほど。情報起業家を否定はしませんが、最近「阿漕」と断じたい人たちが増えており、自治体が絡んだセミナーに出没していることに警句を発します。

♪今回のポイント

自治体の絡んだセミナーにはご注意を。

時間を無駄にする前に講師のサイトチェックを忘れずに。

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