企業ホームページ運営の心得
月3万円でできること。最大50万円安くなるワケ

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の八十九

騙される方が悪い世界

相談者に「どうしようもないですね」と告げます。小さく溜息をついたことを確認し「騙される方が悪いのがビジネス」と追い打ちをかけます。相談者のご友人の話しです。軟らかい表現を使い曲解されることを防ぐために、あえて厳しい表現を用います。

状況はこうです。ホームページ制作業者が現れました。50万円相当の新規制作料が無料といいます。しかも更新は弊社の画期的システムにより自分たちで行え「更新料0円」(人件費は別途)。また弊社のコンサルタントによるアドバイスも受けられるので安心だと胸をたたきます。すべてまとめて月々たったの3万円の“5年契約”にて。ご友人はサインをしました。

月々3万円は高いか安いか? 今回の記事は事実を再構成した「フィクション」とします。あらかじめお断りしておきますが業者非難が目的ではありませんので。

グーグル八分とならないことを祈るばかり

業者のサイトにご友人が実績として紹介されており、そこに下記のリンクを発見しました。

「足立区 不動産」「足立区 賃貸物件」「足立区 貸家」

ご友人のサイトへのリンクで、テキストリンクによるSEOかと思われますが、脈絡のなく大量に設置されたリンクがグーグルに「スパム」扱いされないことを祈るばかりです。もっとも「ページランク」は「0」で相手にされていませんが。

消費者庁の創設をはじめ「消費者保護」への取り組みは日に日に強化されていきます。しかし、これが「BtoB」となると「自己責任」のままです。ビジネス上の取引は「利益活動」とみなされ保護の対象外なのです。もちろん、陥れる目的での取引は認められませんが、条項が記された契約書にサインをすれば契約成立。「騙された」と叫んでも、制作料や更新料0円という「メリット」に飛びついたといわれれば後の祭りです。

電卓でできる業者チェック法

後でお祭りをしないための業者のチェック方法を紹介します。ネット検索よりも数字でチェックします。まず会社案内のパンフレットやサイトから売上を探します。業者のサイトには5億円とあるので、3万円で割り算します。

50,000万円÷(3×12か月)=1388.8件

単純計算ですが、これが1か月当たりの契約顧客数です。

次に従業員数を見ると総数60名。IT系では「営業マン」を「コンサルタント」と称する企業が多いのですが、顧客対応し注文を取る人間を一般的に「営業マン」と呼びます。そこで営業マン1人当たりの担当数を割り出してみます。

1388.8÷60=32.1件

この顧客が受け持ちで、さらに「新規」を口説き、制作時の打ち合わせもします。「総数」の中には非営業マンも含まれ、実際の担当数はもっと増えます。その状況でどれほどのアドバイスが期待できるでしょう。

業者チェックの見落としがちな視点

売上がわからない場合は「採用情報」に注目します。初任給は24万円で未経験者歓迎とあります。社内研修でノウハウを身につけ、先輩によるフォローで安心だと謳います。ということは「総数」には「未経験」も含まれているということです。

ここまでからの疑問をまとめます。

  1. 多くの担当者を持つ営業マンから十分なアドバイスが受けられるのか
  2. 月に24万円で有能な経験者が集まっているのか
  3. コンサルタント未経験者の割合は
  4. 未経験者が社内研修で身につけるノウハウとはどの程度なのか

未経験でも才能により個人差があるので「疑問2・3」はさておき、「疑問1」から1つ仮説が浮かび上がります。「実際には3万円の契約以外に料金が発生するのでは?」。これなら顧客数は少なくても5億円は可能です。そして未経験者でも身につきコンサルティングできるノウハウへの疑念が「疑問4」から派生します。

コインパーキングと月極駐車場

採用情報の「昇給」に企業の体質が見えます。随時、インセンティブ、四半期とあれば「営業」に軸足を置く会社です。売上や契約件数といった「営業成績」を月給に反映することでモチベーションを高める仕組みです。一方、顧客サイトの売上を「成績」とする企業の場合は、顧客との契約は月々の固定制ではなく「成果報酬」や楽天市場のように「税金」で徴収しています。そうしなければ社員に支払う「原資」が確保できず、「月3万円」の固定費の場合、会社の利益を削らなければ社員に支払うことができません。

誤解のないように記しますが善悪優劣ではなくどういう会社かを知った上で「契約」をしましょうという話しです。

議論を沸騰させた「相場の早見表」では200万円オーバーの制作費も珍しくなく「0円」なら魅力的です。地元東武伊勢崎線 竹の塚駅前の「エミエルタワー」の駐車場は1時間300円で、月極なら2万円です。圧倒的に300円の方が安いのですが

24時間×30日×300円=216,000円

と、1か月放置すれば月極の10倍です。

3万円が高いか安いか

100円パーキングと呼ばれる由縁は「15分」「20分」が100円だからで、月々3万円の5年契約をこうみることができます。

3万円×12か月×5年=180万円

つまり180万円のホームページ制作費ということです。そして冒頭の台詞を告げる前の私の台詞です。

「小学生がなんでだろうと踊りJ-PHONEがVodafoneになったアテネオリンピックの前年。ついでにいえば旧ライブドアが球団買収に新規参入する前年。それが5年前」

変化の早いITの世界で途中解約できない5年契約がなにを意味するでしょうか。そしてビジネスは自己責任。契約書にサインする前に電卓をたたきます。

月々3万円が悪いのではありません。最近は定額制でコンテンツを制作、更新する業者も増えてきました。アルバイトを雇うことを考えれば、プロをスタッフとして使え交通費も各種保険も必要ありません。ただこういう業者は「制作」に忙しく、「営業」が弱いのでなかなか出会えないのですが。この手間を惜しまなければ……3万円って結構使えます。

♪今回のポイント

ビジネスはお互い様。自分だけ得するなどあり得ない。

お得な話しを聞いたときは相手の利益計算をする。

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