今からでも遅くない! これから始めるケータイマーケティング入門
今からでも遅くない!これから始めるケータイマーケティング基礎講座 - 携帯マーケ入門#1

1億人にアクセスできるもっとも身近なメディア
[特集]今からでも遅くない! これから始めるケータイマーケティング入門

ケータイマーケティング入門

ケータイ小説のヒットや、モバゲータウンの会員数が1000万人を超えるなど、マーケティングの場でも「ケータイ(モバイル)」を耳にする機会が多くなった。本稿では、これから初めてマーケティングにケータイを導入してみたい方から、とりあえずケータイサイトを作ってはみたけれど次の一手が見つからないと悩んでいる方まで、マーケティングにおけるケータイ活用を基本から解説する。

PCの市場に並んだケータイのネット利用

携帯電話の契約者数は、2008年3月時点で1億台を突破した(電気通信事業者協会調べ)。そのうち、インターネットに接続できる端末は約8,870万台、高速なデータ通信が可能になる3G端末の普及率は、2007年9月時点で、契約数の約80%に達している。これにより、携帯電話(PHS、携帯情報端末)からのインターネット利用者数は7,287万人に達し、PCからの利用者数7,813万人にほぼ並ぶまでに増加している(図1)。同時に、パケット定額制の普及率も全体の42%に達しており(『ケータイ白書2008』発表)、通信速度の高速化と通信料金の定額化の普及が、ケータイからのインターネット利用を後押ししていることが明らかである。

図1インターネット利用端末の種類
図1 インターネット利用端末の種類(出典:総務省・平成19年「通信利用動向調査」)

こうしたケータイインターネットの高速化・定額サービスの普及は、消費者の購買行動にも影響を与えている。富士経済が2007年2月に発表した「通販・eコマース市場調査」によると、ケータイ通販の市場規模は、2006年の1,837億円(見込み)から2008年には2,954億と実に161%の伸び率を示すと予測されている。

これに呼応するように、市場としてのケータイインターネットも拡大基調にある。2007年4月に電通総研が発表したモバイル広告費の調査によると、2006年の実績で390億円の市場が、2010年には1,108億円と、1,000億円を超える市場規模になると予測している(図2)。ケータイソリューション市場についても、2007年12月に野村総研が発表した市場規模予測によると、2012年度には7,060億円に達するとされている。これらのデータを見るだけでも、ケータイ市場が急速に拡大していることがわかる。

図2インターネット広告費予測
図2 インターネット広告費予測
2005年と2006年の実績については電通『日本の広告費』より引用。 インターネット広告費の総額からモバイル広告費と検索連動広告費を除いた金額を「固定ネット広告費」とした。 2007年以降のモバイル検索連動広告費はモバイル広告費に算入した。
(電通総研発表「2007年〜2011年のインターネット広告費に関する試算」より)

筆者は、ケータイのインターネットが通信環境と通信コストにおいて、PCインターネットと同じ拡大の過程を辿ると考えている。先ほど述べたように、すでに携帯端末の大半は3G端末だが、さらに今後は3.5G(第3.5世代)携帯電話であるHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)に移行しようとしている。事実、NTTドコモの2007年冬モデルFOMA905iシリーズはすべてHSDPA対応端末であり、今後もFOMA90xiシリーズはすべてHSDPA端末になる模様だ。NTTドコモの姿勢からも、さらなる高速通信を可能にする携帯端末の普及加速が推察できる。まさに、かつてADSLの普及により、PCインターネットが爆発的に成長した過程をケータイも歩んでいるのである。

ケータイは魔法のツール? 理解すべきケータイの特徴

「ケータイ市場が拡大しているのはわかった。しかし、自社のビジネスでどのようにケータイを活用すれば、マーケティング上の効果を得られるのかがわからない」そんな読者の方に、まずご理解いただきたいのは、「ケータイは魔法のツールではない」ということだ。ケータイマーケティングを実践するにはケータイの特徴をよく理解し、ケータイで何を達成したいのかを明確にする必要がある。そうしないと、「とりあえずPCのウェブコンテンツを流用してケータイサイトを作り、会員登録を募ってはみたものの、まったく効果がない」というようなことになってしまう。実際、こんな経験をしている企業が多く存在するのだ。

ケータイの特徴としてまず挙げられるのは、「1億人へリーチできるメディア」であるということだ。個々の企業も活用の仕方によっては、テレビ並みの潜在的能力をもつメディアを保有していることになる。2つ目は「常時30センチ以内メディア」であること(図3)。たいていの人は、朝起きてから寝る直前まで、常に携帯電話を手元に置いているのではないだろうか。これが、30センチ以内メディアといわれる所以である。3つ目に「手軽に使えるメディア」である点だ。子供からシニアに至るまで、幅広い年齢層のユーザーが手軽に接することができる最も身近なメディアだと言っていい。最後が「ワンクリックで実現できる双方向メディア」ということ。企業と消費者は、ケータイサイトやメールを通じて簡単に双方向でコミュニケーションを取ることができるのだ。普段なにげなく手にしている携帯電話だが、ひとたびマーケティングという視点で捉え直すと、大変魅力的で潜在能力の高いマーケティングツールとして見ることも可能なのである。

図3-1日の生活導線とケータイの関係
図3 1日の生活導線とケータイの関係 30センチメディアの威力。テレビなどのメディアに接触できない、外出活動時間帯や休憩時間帯の接触率が高いのもケータイの強みだ。
ケータイ(モバイル)の特徴
  1. 1億人へリーチするメディアである

  2. 常時、ユーザーの30センチ以内にあるメディアである

  3. 手軽に使えるメディアである

  4. ワンクリックで実現できる双方向メディアである

目的とゴール設定から始めるケータイマーケティング実践

ケータイマーケティングを実践する上で注意するべきなのは、まず目的を明確にして、ビジネス上のゴールを設定することである。たとえば、「商品を販売する」「ブランド認知を高める」「消費者を囲い込む」など、マーケティング上達成するべきポイントを明確にするのである。これをしないと、目新しいメディアであるが故に、過度な期待からいろいろなことをやろうとしてしまい、結果何も達成できず予算だけが膨らむのである。ケータイマーケティングでは、PCでのインターネットマーケティングと比較しても、目的をより明確にする必要があると考えてほしい。

次に、競合を分析すること。競合他社のケータイサイトやケータイマーケティングへの取り組みについて分析するのである。分析のポイントとして、「集客」「コンテンツ」「ユーザビリティ」「コンバージョンへの導線」は押さえておきたい。すでに自社のケータイサイトをお持ちの企業であれば、さらに自社のケータイサイトと競合サイトを比較してみよう。こうした作業は、自社で行ってもいいが、制作会社やコンサルティング会社に相談するのも1つの手だ。客観的な視点で自社の競合優位性や他社と比較した客観的なポジションを分析してくれるはずだ。

目的設定と競合他社分析を終えたら、次はターゲットの選定をする。ケータイマーケティングの対象を明確にするのだ。高校生か、主婦か、F1層(20〜34歳の女性)か、ヘビーユーザーか、できるだけ多くの世代をカバーしたいのか、などである。ターゲットの選定は、後述するケータイサイトの制作方針に大きく影響してくる。またサイトそのものだけでなく、サイトへの導線を考える上でも重要な要素となる。

KPI

Key Performance Indicator:主要業績評価指標

最後に、KPI*の設定である。訪問者数やコンバージョン率、PV数など、ケータイマーケティング成否の評価を具体的な数値で行えるようにすることが、PCでのネットマーケティング同様重要である。これらは、アクセス解析ツールの導入や、アンケート調査によって行えるものなので、ケータイサイト制作とあわせて考慮するべきであろう。

ケータイサイトを作ったからといって、自然に誰もがアクセスしてくれるわけではない。しかるべき目的を持ち、ターゲットを設定して、コンバージョン(目的)まで落とし込むシナリオ作りがケータイマーケティングを実践する上で、最も重要なことであることを忘れないでほしい。

補完型・参加型メディアとして既存メディアの効果を拡大

図4ケータイコンテンツへの接触経路・タッチポイント
図4  ケータイコンテンツへの接触経路・タッチポイント(ビデオリサーチインタラクティブ「ビデオリサーチケータイ2008」をもとに作成)

ケータイマーケティングを考える上で見落としてはならないのは、ケータイは各種メディアの補完メディアとしての性質を持っているということである。ケータイは単独で活用するよりも、さまざまなメディアのハブとして活用したほうが効果的であることが多い。読者の中にも、テレビで缶コーヒーのCMを見てケータイサイトにアクセスし、ゲームをしたり懸賞に応募したりした経験がある人は多いのではないだろうか。消費者は、さまざまなタッチポイントを通して情報に接触している(図4)。ケータイ以外でも、マーケティングに取り組む際は、特定のメディアだけではなく、さまざまなメディアを組み合わせて戦略設計をするのが常となっている。ケータイは、マスメディアが到達しにくい日中や移動中はもとより、テレビやラジオ、ウェブなど他のメディアに接触している間にも消費者にリーチすることが可能だ。この特性を活かして、既存メディアの効果増大にケータイをハブと活用してみてはいかがだろうか。

また、ケータイは消費者参加型のメディアである。ゲームを楽しんだりコミュニティに参加したりすることで、商品やブランドに接してもらい、ブランド理解や商品の認知を促進することがケータイでは可能だ。こうした取り組みはクチコミをねらったマーケティング施策の1つとして活用するのも効果的であろう。

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