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「使える」SEO自動化ツール登場か?――バティスタ氏インタビュー(後半)

この記事は前後編の後編だ。前編では、アフィリエイトマーケティングにおけるバティスタ氏の経験や、ソフトウェアの開発を思い立ったきっかけなどが中心だった。今回は、SEOの自動化と、NEMediaのSEO自動化プログラムRankSenseについてお届けする。

PPCやアフィリエイトマーケティングにおけるバティスタ氏の経験と成功についてひとしきりお話を伺った後、話題を呼んではいるが議論の的にもなっているSEOの自動化について、正面から切り込んでみた。

●SEOmoz バティスタさん、昨日、サントドミンゴで御社の開発チームとお話をする機会があり、RankSenseというSEO自動化ソフトウェアの現行バージョンやロードマップについて、多少なりとも知ることができました。教えていただいた内容には確かに感銘を受けたのですが、SEO自動化ソフトウェアに対しては、支持する声もあれば異論を唱える声もあるようですね。結局のところ、SEOは自動化できると本当にお考えですか?

●バティスタ 問題は、「自動化」という言葉をどう捉えるかだと思います。SEOの自動化というと、URLをランキングの上位へ自動で引き上げてくれる魔法のツールを思い浮かべる人がたくさんいます。そんなツールがあれば誰だって(私も含めて)嬉しいでしょうが、悪玉SEOの謳い文句ではあるまいし、そんなツールは完全にSFの中の話ですね。SEOを完全に自動化するなんて、現時点では不可能です。

そうは言っても、自動化できるものはなるべく自動化することに何の問題もありません。私は、悲観論者がSEO自動化に対して否定的な発言をするのを聞くと、非常に驚きます。そういう人たちの中に、SEOツールを1つも使わずに仕事をしている人などいないことは確実です。たとえば、キーワード調査のことを考えてみればいい。

人類は過去数世紀にわたって、自動化に取り組んできました。進歩というものは効率化と深い関わりがありますし、SEO自動化においてもそれは同じはずです。

NEMediaの本社オフィスとRankSenseの開発者たち
NEMediaの本社オフィスとRankSenseの開発者たち

●SEOmoz では、私の理解に間違いがなければ、要するにSEOを完全に自動化することはできないけれど、競争力を保ったまま事業を拡大するには、最高品質のSEO作業をできる限り多く自動化することが不可欠だと。そういうことですか?

●バティスタ そのとおりです。競争力を保ちながら、ますます高まるSEOに対する需要に応えるためには、繰り返し行うような作業を自動化する必要があります。自動化によって作業の習得も容易になるので、新入社員が仕事をてきぱきこなせるようになるまで、それほど時間がかからなくなります。

RankSenseの「SmartView」のキャプチャ画面
RankSenseの「SmartView」

●SEOmoz すぐに作業を習得できるかどうかは大事なポイントですね。事業を拡大しようとしているSEO業者にとっては特にそうです。では、SEO自動化ソフトウェアの幅広い普及を促進する要因として、どのようなものが考えられますか?

●バティスタ まず、競合相手によるプレッシャーがあると思います。競合相手がSEO自動化ソフトを使っている場合、自分が使っていなければ不利な状況に置かれることになります。それからもう1つは、仕事の量は増やしたいが時間とリソースは節約したいという要求です。RankSenseのようなSEOソフトウェアは、実際に作業を行いながらSEO業務を学ぶトレーニングツールとして使えますが、熟練者でも作業にかかる時間を短縮するのに使えます。広いニーズに応えられる製品なのです。

●SEOmoz RankSenseは、SEO、ブロガー、中小企業、大企業のうち、どこに向けた製品ですか? RankSenseが第一のターゲットにしている市場はどこなのでしょう?

●バティスタ 現段階では、中小企業のオーナーを第一のターゲットにしていますが、RankSenseは、ブロガーも利用できるよう、ブログ用プラットフォームに対応する機能を盛り込んでいます。このソフトは、SEM代理店やSEO業者にとっても、できることがたくさんあるので役に立つと考えています。それから、クライアント/サーバー方式によるエンタープライズ版の制作に取りかかったところですが、これはマルチユーザー対応で、現行版より強力なレポート機能を搭載する予定です。エンタープライズ版は、広告代理店や大企業を第一のターゲットにしています。

●SEOmoz 具体的な企業名は挙げませんが、SEOソフトウェア会社の中には、大した成功を収めていない企業もあるようです。そうした企業に足りないのは何だとお考えですか?

●バティスタ SEMPO(Search Engine Marketing Professional Organization)のレポートに目を通したことがありますが、興味深かったのはSEO/SEMソフトウェア会社に対する関心の低さです。売れていないソフトウェアというのは、大した役に立たないのか、あるいは複雑過ぎて使いにくいのだと思います。

わかりやすく言いなおしましょうか。すぐに成果が出せる製品ならば、みんなが買うでしょう。しかし、ソフトウェアを使うのに2週間もトレーニングしなければならないとしたら、普及率はがくんと落ちます。求められているのは、すぐに使えて成果の出るツールです。私たちはこの2点を常に頭に置いて、RankSenseを開発しています。

RankSense のさまざまなスクリーンショット
RankSense - さまざまなスクリーンショット

●SEOmoz ご存知のように、市場にはウェブベースやスタンドアロン型の「SEOツール」が数多く出回っています。RankSenseが他の製品と異なる点はどこですか? それから、RankSenseには特許技術を使用していますか?

●バティスタ RankSenseの一番大きな特徴は、特定のSEO作業を実行することよりも、SEO業者の生産性を高めることに重点を置いている点です。つまり、プロセスだけでなく、成果も大事にしているのです。これについては、「Microsoft Office」や「Adobe Creative Suite」といった生産性ソフトウェアと同じように考えてみてください。こうした製品は作家やアーティストにとって、すばらしい作品を生み出すのに必要なツールです。SEO業者にとって、RankSenseはそれとまったく同じ役割を果たします。これは単一のツールというよりも、調査したり、アイデアを練ったり、サイトのSEOを行ったりするための生産性プラットフォームなんです。すばらしい成果を上げることができるのですよ。

使いやすさの面では、RankSenseは、革新的な技術や特許申請中の技術をいくつか採用しており、SEOを行う際の技術的障壁を減らすか、あるいは取り除いてくれます。同時に、利用者に代わってソフトウェアが大部分の判断を行ってくれるので、非常に便利で簡単です。RankSenseは、SEOを始めから終わりまで1つのプロセスとして扱い、すべてのツールを組み合わせてページを最適化します。ですから、SEO技術には明るくないが、SEOを学びたい、またはサイトのSEOを行いたいと思っている人にとって、特に魅力的な製品でしょう。

もちろん、すぐに使えるSEO関連ツールを満載していますから、SEOの専門家にとっても、従来のツール以上に使えます。というか、この部分は自分自身のために開発したのですよ(笑)。現時点で市場に出回っているような、特定のタスクしかできないツールとは違い、RankSenseはさらに高度な統合型SEOスイートといえます。

●SEOmoz RankSenseを正式にリリースしたのはいつですか?

●バティスタ RankSenseはすでに試用と購入ができますが、製品の正式なリリースはまだです。予定では、2008年3月末のSMX Westで発表することになっています。当社はブースを出展し、「The Future of SEO Automation(SEO自動化の将来)」と題したプレゼンテーションも行う予定です。

●SEOmoz RankSenseは開発に3年以上かけたとのことで、ソフトウェアへの投資額も半端ではなかったと思います。RankSenseの市場投入に際し、事業拡大のための投資は自己資金でまかない続けるのですか?

●バティスタ ええ、最初はそのつもりでした。しかし、開発には予想以上に時間とお金がかかりましたし、そのために個人的な犠牲もかなり払いました。妻は僕の頭がおかしくなったと思っていますよ。まぁ、無理もありませんが(笑)。将来的には、製品が市場で認められたら、ちゃんとした投資家を探そうと思っています。その辺は、以前よりも現実的な見通しを立てているんです。

●SEOmoz 最後の質問です。SEOmozの読者やSEO業界の人が、RankSenseを試用して動作を確認することはできますか?

●バティスタ もちろんですよ。今、発売に向けて新しいサイトとビデオを制作中なんですが、www.ranksense.comに行けば、全機能が使える無料の試用版をダウンロードできます。RankSenseを売って手数料を得たいとお考えの方には、アフィリエイトプログラムやパートナープログラムも用意しています。

●SEOmoz きっとたくさんのSEOmoz読者が、RankSenseを試用して感想をフィードバックしたいと思うことでしょう。バティスタさん、今回はありがとうございました。RankSenseの成功をお祈りしています。

●バティスタ どういたしまして。マグワイアさん、こちらこそありがとうございました。

◇◇◇

このインタビューと記事の執筆を行ったショーン・マグワイアは、テキサス州オースティンに本社を置く360SELL, Inc.のマネージング・パートナー兼主席コンサルタントだ。同社は、販売とマーケティングに関するコンサルティング業務を手がけている。情報を開示しておくと、360SellはNEMediaにコンサルティング・サービスを提供している。

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