新規顧客をみつけるための10の方法――リードジェネレーション入門
#01 B to Bリードジェネレーション入門講座 ~新規顧客をみつけるための10の方法

伊藤誠(ADKダイアログ) 2008/4/23(水) 10:00 tweet6このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用

[特集]新規顧客をみつけるための10の方法 リードジェネレーション入門

新規顧客をみつけるための10の方法

ネットもネット以外も全部まとめてプランしよう

足だけでがんばる営業なんてやってられない!
戦略的リードジェネレーションへの道

見込み客の獲得はビジネスにおいて欠かせない要素だ。すばらしい製品やサービスも必要とする相手に届かなければビジネスは成り立たないし、リピーターだけでは企業として大きな成長は見込めないため、常に新規顧客を開拓し続ける必要がある。しかし、無闇な宣伝や闇雲な営業では費用対効果が悪い。

ここでは、見込み客獲得のためにはどんな手法があるのか、リードジェネレーションの基本的な考え方や手法に触れ、リードジェネレーション戦略の全体を把握しよう。

見込み客の皆様この指止まれ!

リードジェネレーションとは、「この商品/サービスに興味・関心がある人、この指止まれ!」と購入につながる可能性の高い見込み客(セールスリード)を顕在化する活動の総称である。顕在化の方法としては、詳しい資料の請求をはじめとして、セミナー参加、モニター応募、トライアル体験やサンプル請求、メルマガ登録など多種多様だ。セールスマンは、あらかじめ商品/サービスに関心がある見込み客に対してコンタクトできるので、効率良くセールス活動を展開できる。B to Bにおいては、ほとんどすべての商品/サービスの場合、新規顧客獲得にはセールスリードの獲得→セールスマンのコンタクト→商談/見積もり→稟議→契約というプロセスを踏むため、リードジェネレーションをいかに効率よく実践するかがビジネス成功の鍵を握る。B to Cの場合でも、自動車、不動産、住宅などの高価格商品や金融・保険などの比較検討が必要な高関与商品には不可欠なマーケティング戦略だ。本稿ではB to CよりもB to Bに軸足を置いて、リードジェネレーションの実践的なアドバイスをしていこう。

クロスメディアリードジェネレーション

図1
図1 クロスメディア・リードジェネレーション。初めから1つのメディアに絞り込むのではなく、各メディア、各施策をまず小規模にテストし、費用対効果の良いものを拡大実施する。

リードジェネレーションのためのメディアは多岐に渡る。ウェブサイト、ウェブ広告、メルマガ、オフライン広告、DM(ダイレクトメール)、ファックスメール、テレマーケティング、セミナーやトレードショーなどのイベント、PR、紹介プログラムなどが挙げられる。想定される見込み客属性に応じてターゲティングし、メディア戦略を立て、クリエイティブを開発することは、もちろん重要だ。しかし、肝心なのは、どのメディアが最も効率良く、かつ顧客への転化率(コンバージョン率:CVR)の高い、上質のリードを獲得できるかを小規模なテストで見分けて、結果の良いものに資源を集中することである(図1)。以下、主なメディアにおける留意点を簡単に説明しよう。

オンラインのリード獲得の基本――サイト、ウェブ広告、メルマガ

見込み客を自社ウェブサイトへ誘導するためのSEOやSEMについては、Web担当者である読者の多くはお馴染みであろうからここでは割愛する。しかし、B to Bの場合、これらの検索エンジン関連の施策だけでは不十分だ。なぜなら、B to B商品/サービスは「自分個人」のために購入するのではないため、B to C商品/サービスに比べてニーズやウォンツ(needs / wants)が顕在化しにくく、みずから進んで検索する確率が低いからだ。よって、さまざまなメディアを使ってニーズ/ウォンツ自体を醸成することが必要となる。ウェブ広告としては、Nikkei BPnet、日経ベンチャーオンライン、海bizoceanなどのビジネスサイトやメールマガジンにおけるバナー広告やスポンサード広告が有効な手段だ。

※1 ティザー

商品名やビジュアルなどを隠し、あえて詳細まで紹介せずに興味を引くこと。ティザー広告やティザーサイトなどがある。英語のtease(じらす)が語源。

また、ウェブサイトを構築するうえで心がけたいのは、サイトの目的は「情報を提供する」ことではなく、あくまで「セールスリードを取る」ことである点だ。何もかも説明してしまうことにより、見込み客がセールスマンとのコンタクトの必要性を感じなくなってしまっては元も子もない。よって、ウェブサイトの情報はおいしいところまでは見せないティザー※1的なものにするほうが良い。ユーザーにとってどんな良いことをもたらすのか、どんな問題を解決してくれるのかという最終ベネフィットを中心に訴求し、「もっと知りたい」という気持ちにさせることが重要だ。そのためには、専用のランディングページを構築して好奇心を煽り、説得力溢れるセールスピッチでアクションを喚起することが必要だ。

さらに、各ページには問い合わせのための電話番号を明示すべきだ。多忙なビジネスマンの多くは、メールを書くよりも電話で聞いた方が手っ取り早いと思っているからである。

メルマガ登録はセールスリード獲得の常套手段だが、メルマガはよほど関心のある内容でないと開封されないばかりか、オプトアウトのリスクをともなうことを肝に銘じるべきだ。注目率だけを見れば、意外だがメルマガよりもファックスメールの効果が上がるケースが多い。自分のデスク上まで運ばれてくるのだから、当然といえば当然だろう。ぜひお試しあれ。

One to Oneで直接訴求――ダイレクトメール

B to Bリードジェネレーションのための有効なメディアとして、ダイレクトメール(DM)がある。インターネットリテラシーが低い零細企業の経営者に有効なのはもとより、直接本人の手元に郵送物が届けられるDMは、企業規模を問わず注目度、説得力が高い。もちろん、DM制作のノウハウを踏まえ、きっちり作ればという条件付だが。

※2 ハウスリスト

セミナーや展示会、過去の営業活動などで得た、その企業が独自に保有する社内の見込み客の情報。一般的に名前とメールアドレスなどの連絡先までがセットになったものを指す。過去に購入取引があったかは問わない。

B to BのDM送付先リスト(名簿)には上場・非上場とそれに準ずる優良企業の役職者を対象とした「ダイヤモンド職員録」、国内企業のほとんどを網羅している「帝国データバンク」や「東京商工リサーチ」のリスト。さらにはNTTの電話帳である「タウンページ」のリストや日経BP社の雑誌購読者リストなどの外部リストがある。しかし、それらの外部リストを利用する前に、まず「ハウスリスト※2」を再点検しよう。

ハウスリストとは、過去に取引やコンタクトのあった顧客や見込み客のリストだ。過去の資料請求者、セミナー参加者、セールスマンのコンタクト先などが含まれる。きちんとデータベース化されていなかったり、名刺のままデスクに眠っているケースも多いかもしれないが、一度でも自社や自社商品/サービスを購入したり興味を持ったりした人のリストなので、DMに対する注目率は外部リストを使ったものに比べて数倍~数十倍の効果が見込める。通常、ハウスリストを使ったDMで効果が出なければ、外部リストを使ったDMで効果が出る可能性はないといわれている。

さて、B to BのDMを制作するに当たって、留意すべきことを2つ挙げよう。まず第1に開封してもらうための工夫である。企業の管理職ともなると1日に何通ものDMが来る。その中で、ともかく注意を引くためには外封筒のサイズ、色、ティザーコピー(開封させるための興味を引くキャッチコピー)や開封するための仕掛けが決め手になる。費用対効果を検証しなくてはならないが、立体3Dの凝ったDMもテストする価値がある。2つ目の留意点は、受取人がビジネスマン、特に管理職だからといって、堅苦しい内容に終始することはないということだ。人はだれでも心の中に子供を持っている。遊び心に満ちたギミックや仕掛けが、好結果に結びつくケースは多々ある。

以上の2点を留意したDMの成功事例をご紹介しよう。ある通信会社のIP電話のリードジェネレーションのDMだ。まず、外封筒のサイズを約20cm×20cmの正方形にした。郵便の定型サイズやA4サイズがほとんどのDMの中では当然異彩を放つ。さらにDMの中に糸電話組み立てキットを挿入し、赤い糸が外封筒の窓から見えるようにした。デジタルなIP電話とアナログの糸電話というコントラストの妙がミソだ。ティザーコピーは「私どものVoIPソリューションが貴社の経費削減をお約束します。話の糸口の詳しい説明はこの中に。今すぐご開封ください」。さらに、このDMには見込度を測るアンケートを挿入し、アンケートの返信者には、抽選でグリコのお菓子詰め合わせを提供した。B to Bの場合、レスポンスを刺激するためのオファー(プレゼントなど)は、返信者個人に提供されるものより、職場で分け合えるものの方が効果的である。このDMとフォローアップの電話コールとの組み合わせにより、当初の予想をはるかに超えるセールスリードの獲得を実現している。

リアルで読者に語りかける――オフライン広告

ここでいうオフライン広告とは主に、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌のマスメディア、専門誌、業界紙誌を使った広告である。インターネットメディアにおけるオンライン広告に対比するものとして、オフライン広告と呼ばれる。B to Bの場合、テレビ、ラジオはターゲットが絞りにくく無駄が多い。やはり、新聞、雑誌が中心となるだろう。新聞でいえば、なかでも日経新聞は有効だ。企業の管理職ならほとんど読んでいるし、発行部数も約300万部に昇る。ただし、広告掲載料も高額だ。少ない予算でテストからという筋には、日経ビジネスや週刊ダイヤモンド、東洋経済、プレジデントなどのビジネス誌、日経BP社の各専門誌や業界誌などが候補となる。

ユニークなところでは総務部を対象とした月間総務という雑誌もある。こうした専門メディアであればターゲットも絞りやすい。

広告は当然のことながら、詳しい資料請求やセミナー参加、またはサイトへのアクセスなど、読者のアクションをレスポンス獲得するダイレクトレスポンス広告になる。成功するダイレクトレスポンス広告の制作にはさまざまなテクニックやノウハウがあるが、ここでは10のキーポイントを列挙しよう(図2)。

この内のほとんどはウェブサイトの制作にも当てはまるのでよくかみ砕いてほしい。

また、新聞社や雑誌社の編集部と提携して作る“編集タイアップ広告”も有効だ。企業からの一方的なメッセージではなく、客観的な記事の体裁になるので、信頼性が向上して高レスポンスにつながるケースが多い。

ダイレクトレスポンス広告制作 10のキーポイント
  1. ヘッドライン(見出し)で勝負が決まる。読者の関心を捉えよ

  2. 目の前の「あなた」に語りかけるように訴求せよ

  3. 問題を提起し、解消せよ

  4. スペック(仕様)ではなくベネフィット(便益)で口説け

  5. 利用者の声を伝えよ

  6. 実証データがあれば活用せよ

  7. 好奇心を煽ってすべてを読ませろ

  8. 中学3年生が理解できる言葉で語れ

  9. レスポンスにはできるだけオファー(インセンティブ)をつけろ

  10. 良い広告だといわれるよりも良い商品だといわれろ

図2 ダイレクトレスポンス広告制作 10のキーポイント

鉄は熱いうちに打て!――リードフォローアップ

さて、いろいろなメディアから集めた、リード(見込み客)に対しては、できるだけ早くフォローアップ(関係構築)をしなくてはならない。資料請求者に対しては資料キットの送付、アンケート回答者にはそのお礼、セミナー参加者に対しては参加賞の送付、デモンストレーションやセールスマンのコンタクト希望者には電話やメールでのアポ取得などだ。できる限り、24時間以内にアクションを起こすべきだ。ビジネスマンは忙しいし、業務上の課題を複数抱えている。興味や関心がピークのときにコンタクトを仕掛けなくては、せっかくの関心が次の課題に移ってしまう可能性もある。

見込度を見極めてセールスフォースを集中――リードクオリフィケーション

集まったリードを見込度の高い順にランキング(大きく分ければHot、Warm、Coolなど)することを「リードクオリフィケーション(見込み客の選別)」という。セールスマンがセールス活動をするとき、見込度の高い見込み客から訪問できれば、セールス活動の効率が飛躍的に向上する(図3)。

図3
図3 リードジェネレーションの精度アップのサイクル。ネットとリアルを問わず、リードジェネレーションにおいてもPDCAのサイクルを回すことが重要である。

リードクオリフィケーションのためには、まず既存顧客の属性を分析して見込度スコアリングモデル(見込み客のランキング)を作る。簡単にいえば、「どのような企業のどんな人が買っているか」がわかれば、「どのような企業のどんな人が買うだろう」かがわかるわけだ。もちろんアンケートによる関心度や購入意向の度合いもポイントとなる。

また名刺1つをとっても、セミナーの受付で得たものなのか、終了後に直接質問があって交換したものなのか。営業訪問して交換したものなのか、問い合わせがあってから直接来社して得たものなのかによって見込度は異なるはずだ。

もっと単純にコンタクトした回数などでもいいが、エクセルなどで顧客情報をデータベース化して管理するときは、単に名刺情報を入力するだけでなく、こうしたコンタクト情報もデータベース化してスコアをつけていこう。

リードを育ててHotに――リード育成プログラム

最も見込度の高いHotの見込み客から順に、セールスマンがフェイストゥフェイスのコンタクトを仕掛けるのと同時に、Warm(熱心ではないが可能性はある)やCool(まだまだ様子見)の見込み客に対してはHotにランクアップすべく継続的にコミュニケーションを図らなければならない。たとえば、Warmレベルの見込み客に対しては、テレマーケティングやDM、メール、もしくはそれらの複合でコミュニケーションを継続する。Cool見込み客にはメールやファックスでコミュニケーションというように、見込度が高い見込み客ほどリーチコストが高く、説得力があるメディアでコミュニケーションするのがROI(費用対効果)を向上させる基本である(図4)。

図4
図4 戦略的なリードジェネレーションのフロー。セールスリードの獲得からリード育成へと至り、最終定期にセールスマンが成約へと落とし込むのだ。
◇◇◇

最後に、本稿はまさにB to Bのリードジェネレーションのほんの入り口に触れただけで、100の内30程度の説明にしか至っていない。リードジェネレーションは緻密な施策と検証の繰り返しであり、実施に当たっては弊社、ADKダイアログのようなダイレクトマーケティングの専門エージェンシーに依頼するのが得策だ。そう、本稿はとりもなおさず弊社のリードジェネレーション施策にもなり得るのである。

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