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「SEOマニフェスト」で考えるSEO担当者の「べし」「べからず」(後半)

前回に引き続き、マルチネス氏の「SEO」に対するRandの批評の後半をお届けする

SEOコミュニティのリーダーが繰り返し言うように、meta keywordsタグは無視すること。基本に戻って、関連性の高いコンテンツを追加し続けていれば、Askやヤフーはコンテンツに基づいてページをインデックス化して、meta keywordsタグをインデックス化するのをやめるだろう。

これも強く反対だな。meta keywordsタグは競争力を高める最高の情報だ。だから、絶対それを自分のページに用い続けるべし! そうすればきっと、ヤフーやAskよりも君のSEO界の友人がそれを認めてくれるよ。さらに、僕は何年か前にA/Bテストをやってみたところ(ただ、状況はそのときと変わっているかもしれない)、ヤフーはメタタグ内の意味のないキーワードでもインデックス化してくれるが、それで検索順位はまったく上がらないことがわかった。これについては、ダニー・サリバン氏のこの意見に僕は同意するね。

※Web担編注 「上記ダニー・サリバン氏のこの意見」のリンク先で言われているのは、要約すると次のようなもの:

グーグルとlive.comではmeta keywordsタグは何の意味もない。ヤフーとaskでは検索結果に表れるかどうかに関係する。どの検索エンジンでも順位には関係ない。そのため、本文での綴り間違いをフォローしたり、本文では直接使われてはいないが明らかに関連するテーマのキーワードでヒットさせるために入れる程度の価値はある。

PageRankは、関連性には関係がない。グーグルはPageRankを使って、どのページをクエリに最も関連したページとして表示するかを決めている。最も関連性の高いページが実際どこにあるかは考慮されない。

僕が思うに、彼がここで言おうとしているのは、PageRankはグーグルが検索結果の順位を決めるのに使っているものなので、たしかにSEOにとっては重要だけれど、関連性が高くても人気がないせいで多くのページが低い扱いを受けている、ということだろう。この意見には僕も賛成で、関連性は非常に高いのに、検索エンジンに無視されている「メジャー」でないコンテンツやサイトが、確かにたくさんある。だからこそSEOが存在し、効果的な検索ターゲティング戦術を用いることで、すばらしいコンテンツに光を当てる手助けをしているんだ。

「年数の経ったドメイン名」が、「関連性の高いリンク」や「権威あるサイト」「SEOフレンドリー」などという、何の意味もない、議論する価値もない、いい加減なSEOの考え方のリストに加わった。

これは全文に対して強く否定する。どのSEOの考え方もちゃんと意味があるし、会話をする際には特に役に立つ(少なくとも僕にとっては)。実際今日も、SEOのことでシアトル小児科病院の関係者とミーティングをしてきたけれど、上に挙がっているフレーズのうち少なくとも2つは使ったと思うし、それがコミュニケーションの促進に役立ったと思う。念のために、以下に各フレーズの説明を書いておくよ。

  • 年数の経ったドメイン名(aged domain)――検索エンジンに何年も前からインデックス化されていて、長期間にわたって質の高いリンクを獲得してきたドメイン名/ホスト。
  • 関連性の高いリンク(relevant link)――実際に自分のサイトと同じトピックを扱うサイト/ページで、単に生のリンク人気を提供してくれるだけでなく、正しくそのトピックに関連するリンク価値も提供してくれ、実際にビジターのクリックスルーまで提供してくれる可能性のあるサイト/ページからのリンク。
  • 権威あるサイト(authority site)――特定分野の広範なキーワードで非常に高い順位を獲得していて、大量のトラフィックと高いリンク人気を誇るドメイン名。
  • SEOフレンドリー(SEO friendly)――ドメイン名やCMSソフトウェア、特定の戦術を説明するのに使う語で、検索エンジンロボットが、リンクやコンテンツにアクセスして、適切にカウントしたりインデックス化できるよう、正しく構造化されている、ということを意味する。

このように決して無意味なフレーズではないし、SEOの議論をするのに使っちゃいけない理由なんてないよね?

ウェブサイトあるいはやドメイン名の経過年数を本当に重要だと考えているのなら、なぜそのことがあなたにとって重要なのか、その理由をどう説明する? 自分で理由を説明できないのに、いったいだれがあなたの言うことを信じるのだろうか?

これは、およそ人が信じているということについて、すべてに当てはまることだよね。ある考えについて、自分でよくわからない、あるいは正当化する説明ができないのであれば、それは「信仰」と呼ばれるもので、それをSEOキャンペーン(あるいは、宗教の関係しないすべての仕事環境)で使うのはおそらく良くないだろう。

年数の経ったドメイン名が重要ではないと言っているのではない。

そのとおり。確かに彼はそうは言っていない。

あなたが取り組まなければならないことが、リンクとコンテンツだけだとしたら、SEOで何をしろと言うのだろう?

これは声明じゃないから、マニフェストやマニフェストへの反論の形式にはなじまないんだろうけど、SEO界でリンクとコンテンツ以外に、本気で取り組まなくちゃいけないことって何があるんだろう……。

履歴やユーザーデータ? でも、これらだってリンクとコンテンツのくくりに入ってしまうし(後者は前者よりさらにそうだよね)……。オフラインのマーケティングやソーシャルメディアなら、直接はコンテンツとリンクに関係するものではないかもしれない。けれども、それだって僕はやはり「コンテンツ」の内に含まれると思うし、オンラインのサイトについて話をしている場合は特にそうだよね。

年数の経ったドメイン名を買いたいというのは、既存のリンク価値をさらに上げたいと考えてのことだろうか? すべてのドメイン名から吸えるだけ甘い汁を吸おうとしている悪質なスパマーが利用するブログやフォーラムのドメイン名を買うつもりだろうか? あなたは、そのドメイン名が潜在的な長期のブランド価値を持っていて、問題をすべて解決してくれると思っているのだろうか? その年数の経ったドメイン名で価値を築くのに、これまで使用されていないドメイン名で価値を築くのに必要と考えられる以上の時間と費用を注ぎ込む覚悟はできているか?

たしかに、これらの質問は皆、ドメイン名を購入するときに自問する価値のあるいい質問だと思う。

年数の経ったドメイン名の本当の価値は未来にあるのであって、過去に存在するのではない。

この文はパラドックスだよね(あるいは、より正確に言うなら遂行文として矛盾している)。でも、もしかしたら彼はこの文で、「年数の経ったドメイン名の本当の価値は、それが今後あなたのために為し得ることにあるのであって、必ずしも過去の実績にあるのではない」ということを言おうとしているのかもしれない。だとしたら、僕はまったくもってその意見に賛成だ。

どのリンクもすべて、あなたのバックリンク解析時には解析の対象となる。しかし、すべてのリンクが検索エンジンの結果に考慮されるとは限らない。

その通り。バックリンク解析がすごく大変なのは、そのためだ。

どのリンクが検索エンジンにとって価値があるかは判断できないが、どのリンクが自分にとって重要かは決められる。

これも正しい。

リンクページを構築する、リンクパートナーを見つける、リンクリソースを使う。これらの違いがよくわからない人は、他人が混同して使っていても驚いてはいけない。

僕も、上に挙がっていることをすべてやるのはいい考えだと思う。でも、それらを明確に区別しないまま使うとなぜいけないのか、それをするとどんな危険があるのか、僕にはよくわからない。僕は、マルチネス氏がどうしてこれをそんな風に表現したのか、その理由について説明が聞きたい。彼は、僕らが「リンクページを見つける」ことや「リンクリソースを構築する」ことを心配しているのかな?

SEOはリンクがすべてだなどと言う人は、SEOが何を論じているのかについてよく理解してないのだ。

むー……。僕にとってSEOとは何ぞやなんて話そうとは思わない。この文の問題は……SEOはリンクがすべて、ということだ。ページを最適化したり、関連性の高いコンテンツを作るのはだれでもできる。しかし、正しくキーワードを使って意味論的に筋の通ったマークアップを行うだけでは不十分で、コンテンツが獲得できるリンクこそが重要だと理解しているのはSEO担当者だけなんだ。

自分のビジネスを設計するとき、ユーザー体験を構築するとき、コンテンツのブレーンストーミング行うとき、マーケティング戦略を作成するとき、それぞれで個別にリンクのことを考えているようでは、リンクにより詳しい競争相手に後れを取ることになる。

キーワードを適切な場所に配置する方法や、良いURLと良いサイト構造を構築する方法についての情報は、だれでも簡単に入手できて、だれでも簡単に実行できることなんだ。情報が広まっている以上は、ページ上で行うSEOに競争上の利点はない。リンク獲得に的を絞ったコンテンツと、オンラインユーザーやネットワークから関心を集めることのパワーを正しく認識したビジネス戦略に、競争上の利点があるのだ。

逆に言えば、マルチネス氏の言うことは正しくて、SEOはときに、すばらしい順位やトラフィックを妨げる問題にばかり目を向けてしまう。NPRからYelpマイクロソフトからFast Company(その他たくさん)まで、僕らは大企業顧客を多数手がけてきたけど、それぞれの目標は、ページの正規性やURL構造や内部リンクのシンプルな修正という、はるかに絞り込まれたものだった。しかし、公平に言って、サイトのデザインや開発、コンテンツ制作、あるいはマーケティングの場面でリンクの議論がふたたび出てくることはほとんどない。基本的に、リンクは選挙の票のようなもので、僕らとしてはウェブの有権者(オンラインの「有力者」)に、僕らに1票を投じてほしいんだ。おそらく、マルチネス氏と僕の見方が異なるのは、この点だと思う。


ふう! やってみて結構おもしろかったよ。君たちも、自分と同じ業界の人間と、賛成か反対か議論してみるといいと思う。

僕も、マルチネス氏と僕はどんなところで意見が異なるのか、もう少し追究してみたいしね。もちろん、君たちの意見も聞きたい。僕とマルチネス氏のどちらか、あるいは両方とも的外れなことを言ってるところはあっただろうか?

用語集
PageRank / SEO / meta keywords / metaタグ / インデックス / キャンペーン / ソーシャルメディア / ドメイン名 / ヒット / リンク / ロボット / 検索エンジン
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