連載編集長ブログ―安田英久
ウェブ検索の10%がナビゲーションのため、10%が購入のため

安田英久(Web担 編集長) 2008/4/15(火) 13:00 この記事をはてなブックマークに追加 印刷用印刷用
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ペンシルバニア州立大学情報理工学部のジム・ジャンセン助教授を中心としたグループは、ウェブ検索に関する調査を行い、その概要を発表した。

数十万ユーザーによる150万回の検索データを調査したところ、ウェブ検索の行動はおもに「情報探索目的」「ナビゲーション目的」「購入目的」の3種類に分けられ、情報探索のための検索が全体の80%を、ナビゲーションのための検索が全体の10%を、商品などの購入のための検索が全体の10%を占めていたという。

IST researchers classify Web searches(英語)
http://live.psu.edu/story/29879

ここでいう「ナビゲーション目的」の検索とは、行きたいウェブサイトが決まっていて、そこにたどりつくために検索エンジンを使うもの。また、「購入目的」の検索とは、特定の商品やサービスの購入に関する情報を探すために検索エンジンを使うものを指している。

この調査は検索をアルゴリズムによって機械的に分類することためのもので、アルゴリズムで全体の8割ほどは自動的に分類できるのだという。

「ペルソナ」という検索が、ユーザー志向デザインのペルソナと、ゲームのペルソナのどちらを意味しているのかや、「クルーズ」という検索が、トム・クルーズを探しているのか、優雅な客船での夕食を探しているのかなど、単純に検索キーワードだけでは判断しづらい面もあるだろう。しかし、検索の意図を8割も判別できるのならば、検索エンジンやECサイトにとって朗報だろう。

検索キーワードといえば、オーバーチュアは、新プラットフォームへの移行の際に「キーワードアドバイスツール」を切り捨てた。ユーザーがどんなキーワードで月間何回ぐらい検索したのかを数字で表示し、関連キーワードも表示してくれる便利なツールだった。もちろん新プラットフォームのパナマで同様の機能を提供しているし、グーグルのアドワーズ広告でも同じようなことができるが、以前のオーバーチュアのキーワードアドバイスツールほど明確なわかりやすさと使い勝手はない。

そもそも、検索マーケティングに携わる人にとって、「キーワード」は非常に大切な要因だ。世の人がどんなキーワードで検索しているのかを把握せずに検索マーケティングをプランすることは、路線図も時刻表も持たずに旅行するようなものだからだ。

実際に、オーバーチュアのキーワードアドバイスツールは、キーワード広告を出稿するときはもちろん、オーガニック検索(いわゆるふつうのウェブ検索)のSEOをする人間にとって非常に重宝していたため、終了が決まったときには、業界で「キーワードアドバイスツール供養祭をしようか」という話が出たほどだ。

英語圏では、さまざまなソースからのデータを使った検索キーワード調査/提案ツールがあるが、日本では長らくキーワードツール不在時代が続いていた。しかし、その暗闇の業界に一筋の光明をもたらすサービスが登場した。アイレップ、アユダンテ、クロスリスティングの3社が共同で開発した「キーワードハンター」だ。

SEO・SEM対策用キーワードアドバイスツール「キーワードハンター」のβ版が提供開始
http://web-tan.forum.impressrd.jp/n/2008/04/10/2978

キーワードアドバイスツールは無償で利用できたが、キーワードハンターは1調査あたり30円〜(ベーシックプラン)という有料サービス。

また、データの元となるのは、大手ISPのポータルサイトと提携しているクロスリスティングの検索データ。データの母集団を考えると、比較的ネットリテラシーの低いユーザーに偏ったデータになると想像されるため、ネットリテラシーが高目のユーザーが比較的多いといわれるグーグルが重要な場合は注意が必要だろう。

とはいえもちろん、キーワード調査・分析の助けとなる、日本市場の実データを元にしたサービスの登場はありがたい。

他人が作ったネットのコンテンツをもとにビジネスを行っているヤフーやグーグルには、コンテンツ作成者へのフィードバックの意味も含めて、もっと検索に関する情報を開示してほしいところだが、技術的な面も含めてなかなか難しいところだろう。

個人的には、IEやFirefoxのアドオンとして非常に普及しているものを作っているサードパーティが、検索エンジンでのキーワード利用状況に関する統計をとってくれるといいのに、と思っているのだが、今のところ、そういった動きはみられない。しばらくは、スポンサードサーチとアドワーズ広告のキーワードツールを使いつつ、もっと具体的なデータに関してはキーワードハンターを使いこなすという方向になりそうだ。

いずれにせよ、検索マーケティングにとってキーワードは非常に重要な要因であることには変わりはない。まずは素直に市場の前進を喜びたい。

この記事は、メールマガジン「Web担ウィークリー」やINTERNET Watchの「週刊 Web担当者フォーラム通信」に掲載されたコラムをWeb担サイト上に再掲したものです。

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