成功と失敗を分けるSEMの見極め力

第10回 アクセス解析を利用すべきポイントとは

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第10回 アクセス解析を利用すべきポイントとは

佐藤 健史(株式会社セプテーニ)

アクセス解析ツールは無料のものから高価な有料のツールまでさまざまな種類があり、機能もさまざまであり、利用方法はユーザーのニーズによって変わってくる。中には「どのようにツールを利用したらいいのかわらない」という人もいる。

今回は、アクセス解析ツールで着目すべき項目のうち、特に広告にまつわる利用方法をいくつかあげていきたい。

アクセス解析ツールを利用すべき3つのポイント

アクセス解析ツールを利用すべき目的としては、「広告の成果の確認」「媒体の評価」「コンバージョンしたユーザーの把握」の3つがあげられる。

以下、順に見ていこう。

(1)広告の成果の確認

いくら「効果が良い」と勧められた広告枠でも実際掲載してその成果を計測してみないことには、その効果は明確にはならない。アクセス解析ツールごとに設定方法は変わるが、広告のリンク先URLの末尾に計測用のパラメータを付けるなど、計測用のURLを利用することで基本的には計測ができる。「どの広告から何件クリックがあったか」「何件コンバージョンしたか(資料請求などの最終目的ページに辿り着いたか)」を確認することにより、本当に自社に合った広告は何かを把握していくべきだ。

(2)媒体の評価

広告枠単位ではなく、媒体単位で効果を見極めることも必要だ(キーワード広告、バナー広告、メルマガ広告など)。実際、媒体によってユーザーの反応率(クリック率、コンバージョン率)が大きく異なってくる。たとえばバナー広告は、ユーザーへの認知として効果を発揮するが、コンバージョン率は低く「看板」みたいなものだ。逆にキーワード広告はユーザーのニーズに合わせて表示するので、一般的にはコンバージョンに結び付きやすい。

このときにアクセス解析ツールを使い、効率の良い媒体の組み合わせを見極めていくのだ。具体的には、媒体ごとの「直間比率」と「コンバージョン率」を元にグラフ化し、媒体の特性を確認していくことになる。直間比率とは、ユーザーがある広告Aを見てすぐコンバージョンした場合の成果を広告Aの「直接効果」、広告Aを見たあとに別の広告から再度訪問し、コンバージョンした場合の成果を広告Aの「間接効果」とした場合の比率を指す。直接効果の比率が高ければ、すぐコンバージョンに結び付く広告だといえるだろう。これらの情報とコンバージョン率とコストを併せて見れば、どの媒体が認知型の広告で、どの媒体が直接的なコンバージョン率が高いか、またコストが高いかが一目でわかる。

このように媒体ごとの特性をマッピング表示して把握することで、コストをかけるべき広告なのかどうか、また、どのような広告を組み合わせると良いのかなどがわかってくる。媒体の評価の方法は紹介した以外にもいろいろあるので、指標を設定しその指標に沿って媒体を評価するといいだろう。

(3)コンバージョンしたユーザーの把握

コンバージョンをしたユーザーを知ることで、「どのようなユーザーが自分のサイトに興味があるのか?」を分析することが可能だ。ツールによっては、コンバージョンをしたユーザーの性別、年齢、利用金額などの情報を取得することも可能だ。それらのデータを集計することで、ユーザーの特性を把握できる。

自社で蓄積している顧客データからもユーザー特性の解析は可能だが、わざわざツールを利用する理由としては、「どの流入元から何円の売り上げがあるのかを知るため」と、「流入元ごとのデータと自社で取得している顧客データとの結び付けを行うため」だ。

後者の活用例として不動産会社を例にあげてみよう。不動産会社のウェブサイトは、その目的として「資料請求や来場予約を得ること」が設定されることが多いだろう。しかし、ビジネスとしての最終目的は「成約や購入を得ること」である。

これについて考えてみると、インターネット上では、どの流入元から来た訪問者が資料請求や来場予約をしているかを計測できても、その人が最終的に成約に至ったかどうかは判別できない。逆に、不動産会社側の顧客データでは、どんな人が資料請求して成約に至ったかはわかるが、インターネット経由なのか、はたまたチラシからなのか、アンケートを行わない限り流入元の特定が難しい。つまり、この状態では、いくらインターネットからの資料請求が多くても、実際に成約に結び付いているかは不明なため、インターネットでの本当の効果というのが見えてこないのだ。

そこで、アクセス解析ツールによって「コンバージョン時のユーザー属性」を取得し、不動産会社側の資料請求番号など、顧客データとデータの紐付けを行うことで、「どの流入元から何件資料請求・来場予約があり、成約まで至ったのは何件か」といったデータを得ることができるようになる。インターネット上で広告を出稿していた場合に、その広告の“真の成果”を見ることができるのだ。

以上3点については、特に広告を出稿している利用者向けの利用方法になる。ぜひ一度確認してみてほしい。

図1 グーグル・アナリティクスでは、[目標]を設定しておけば[ユーザー]や[トラフィック]など各表示の[コンバージョン]タブで、さまざまな流入元やユーザー属性ごとにコンバージョンを分析できる。各キャンペーンの効果とユーザーの振る舞いを理解することが、広告施策の改善・最適化につながる。

アクセス解析ツールのトレンドはモバイル用解析ツール

最近、特に引き合いが多いものに、モバイル向けサイトのアクセス解析(モバイル用解析)がある。パケット定額制の普及と共に、モバイルリスティングも普及し、モバイルのネット市場はますます拡大している。必然的にモバイル用解析ツールへのニーズも高まっている。

現状のモバイル用解析ツールはPC用解析ツールと同様の機能をすべて備えているわけではないが、各広告からの流入数や自然流入数などを見ることができ、広告からの経路分析が可能なツールもある。PC用と同様に属性情報を取得できるモバイル計測ツールもあるので、モバイル用でも同様に顧客データと解析データの紐付けを行うことで、「どの流入元から何件成約まで至ったのか」というデータが得られる。モバイル広告を出稿していた場合には、その広告の真の成果を見ることができるわけだ。

モバイル解析ツールの仕組みは、ウェブビーコン型・サーバーログ型・パケットキャプチャ型があり、この点でもPC用と変わらないが、近頃注目されているのが、ウェブビーコン型の自動貼り付け方式(モジュール)だ。通常、アクセス解析ツールを導入するには、計測用のタグを手動で全ページに埋め込む必要があるが、モジュールを利用することでタグの埋め込みが自動化されるため、導入の手間が省けるのだ。

モバイル用解析ツールにも、広告の効果を測定するもの、経路分析を行うもの、属性情報まで取得できるものと、目的に応じてさまざまなツールが存在する。近頃ではLPOツールもなども登場し、PCのアクセス解析ツールと大差のない解析が可能になってきており、まさにこれからの活躍が期待されているといえるだろう。

図2 アクセス解析をサイト内だけの情報に限定せずに、顧客情報などと紐付けて解析してみよう。
見極めのポイント
  • 「広告の成果」を、客観的な数値として認識する。
  • 「媒体ごとの特性」を視野に入れ、効果的な組み合わせを考える。
  • 「コンバージョン時のユーザー属性」と実際の結果を結び付けて、本当の効果を確認する。
  • モバイルにおいても、仕組みや狙いはPCと同じ。
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