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Web 2.0ケーススタディ/Facebook入門 〜Googleが敵視するプラットフォーム&ソーシャル広告とは?

田口 和裕 2008/2/18(月) 10:00 tweet1このエントリーをはてなブックマークに追加 印刷用

Facebook

ソーシャル広告やプラットフォーム戦略で注目が集まる今最も熱いソーシャルネットワーク

サービスの概要/特徴

  • 急成長を続けるSNSサービス
  • 2004年2月にスタート
  • 2007年5月に「Facebook Platform」を公開。自由にFacebook上でアプリケーションを構築可能に
  • 2007年11月に「Facebook Ads」を発表。友人に対して企業の商品を紹介できる「Social Ads」の仕組みを提供

急成長中のSNS「Facebook」とは

「Facebook(フェイスブック)」は、今最も注目されている、米国発のSNS(ソーシャルネットワークサービス)だ(図1)。大学生向けのSNSとしてスタートしたが、現在は社会人を含めた幅広いユーザー向けに開かれており、1か月のアクティブユーザーが5900万ユーザーという巨大サービスとなっている。ページビューは月間650億以上と、SNSとしてはMySpaceに迫る規模を誇っている。

図1 Facebookの個人プロフィールページ
図1 Facebookの個人プロフィールページ(図はクリックで拡大)。
※1 アイビーリーグ

米国北東部に位置する8つの有名大学からなるスポーツリーグ。いずれも難関校であるため東京6大学とよく比較される。所属するのはブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、ハーバード大学、プリンストン大学、ペンシルバニア大学、イェール大学。

サービスが開始されたのは2004年2月、当初は創業者のマーク・ザッカーバーグが在籍するハーバード大学の学生のみに使用が制限されていたが、すぐにアイビーリーグ(※1)に属する大学に、そして2005年にはその他の大学にもネットワークが拡大されていった。その後も高等学校や有名企業などにネットワークを広げていき、2006年9月にはついに入会制限を撤廃(13歳未満は利用不可)した。

SNSといえばメンバー同士が友達として登録し合って交流を広げていくのが普通であるが、Facebookの参加者はそれに加えて任意の「ネットワーク」に参加できる(図2)。ネットワークには大学、高校、企業、地域などの種類があり、地域以外のネットワークに参加するには、それぞれ該当するドメインを持ったアドレスを必要とする(たとえばハーバード大学ネットワークであれば○○@harvard.edu)。

図2 ネットワーク「Japan」のトップページ。ネットワークメンバーのみが閲覧できるコンテンツが表示されている
図2 ネットワーク「Japan」のトップページ。ネットワークメンバーのみが閲覧できるコンテンツが表示されている(図はクリックで拡大)。

ネットワーク内には参加メンバーのみ閲覧できる掲示板やマーケットプレイスなどが用意されており、学内(社内)での密なコミュニケーションツールとして利用されている。

一方、個人のプロフィールや投稿した写真などは同一ネットワーク以外のメンバーにも公開できるため、閉じられたコミュニケーションとオープンなコミュニケーションを同時に楽しむことができる仕組みになっている(図3)。

図3 プロフィールなどは個別に公開範囲を設定できる
図3 プロフィールなどは個別に公開範囲を設定できる。

また、個人ユーザーだけではなく企業やショップオーナーなども、ブランドや商品ごとに「Facebook Pages」と呼ばれるページを作成することができ、そこでFacebookアプリ(後述)を配布したり、自社サイトへの誘導などを行ったりできるようになっている(図4)。

図4 「Facebook Pages」を利用して作成された米Coca-Cola社が提供する清涼飲料水「Sprite Sips」のページ
図4 「Facebook Pages」を利用して作成された米Coca-Cola社が提供する清涼飲料水「Sprite Sips」のページ(図はクリックで拡大)。

「Facebookアプリ」で機能の追加も可能

HTMLやCSSを使って大胆にカスタマイズできるMySpaceと異なり、Facebookのプロフィールページの更新はテキストベースとなっている。だが、Facebookには「Facebookアプリ」と呼ばれる仕組みがあり、好みのアプリを追加することによって、ページにさまざまな機能を追加できるようになっている。アプリはさまざまな開発者が作成しており、利用できるアプリ数は2007年11月現在、9000個を超えている(図5図6)。

たとえば「Top Friends」を追加すると、お気に入りの友達をプロフィールページに表示できる。また、「iLike」を追加すると、好きな音楽を友達に紹介できる。

図5 Facebookアプリの一覧ページ。毎日数百個単位で増加している
図5 Facebookアプリの一覧ページ。毎日数百個単位で増加している(図はクリックで拡大)。
図6 毎日オススメのレシピを紹介してくれるアプリ「The Epicurious Recipe of the Day」
図6 毎日オススメのレシピを紹介してくれるアプリ「The Epicurious Recipe of the Day」。

Facebookアプリは、2007年5月に発表された「Facebookプラットフォーム」と呼ばれる規格を利用して一般ユーザー、企業を問わず誰でも開発できるようになっている。具体的にはFacebookの機能にアクセスするAPI群と「FBML」(Facebook Markup Language)だ。この機能によって、Facebookはそれ自身が備えている性能を超えてサービスを提供できるようになった。また、企業が作成したFacebookアプリの中にはPR目的に使用したり、自サイトに誘導したりする機能を持っているものも多い。Facebookのユーザー増加に比例するように、企業が作成するアプリも爆発的に増加している(図7)。

図7 デベロッパー向けページ。Facebookプラットフォームを利用してアプリを開発するためのドキュメントやツールが公開されている
図7 デベロッパー向けページ。Facebookプラットフォームを利用してアプリを開発するためのドキュメントやツールが公開されている(図はクリックで拡大)。

ちなみに、ソーシャル機能を持つアプリケーションを開発するための共通API「OpenSocial」をGoogleが2007年に発表したのは、力を増し続けるFacebookに対する牽制であるとの見方が大勢を占めている。

賛否両論の最新ソーシャル広告システム「Facebook Ads」

Facebookは2007年11月6日にソーシャルネットワークの特質を生かした新しいタイプの広告をFacebook上で制作し配信するためのプラットフォーム「Facebook Ads」を発表した。Facebook Adsは3つの独立したサービスから成り立っている。

1つ目は年齢、性別、職歴、興味などFacebookメンバーのプロフィールデータを利用して絞り込んだ対象にダイレクトに表示できるターゲティング広告「Facebook Social Ads」。広告は左側のバナースペースとユーザーページの「News Feed」と呼ばれる部分に表示される(図8〜図10)。

図7 デベロッパー向けページ。Facebookプラットフォームを利用してアプリを開発するためのドキュメントやツールが公開されている
図8 Facebook Social Adsを利用してNews Feedに表示された広告。
図9 Facebook Social Adsの出稿用インターフェイス。対象を絞っていくと右側に対象ユーザー数がリアルタイムで表示される
図9 Facebook Social Adsの出稿用インターフェイス。対象を絞っていくと右側に対象ユーザー数がリアルタイムで表示される(図はクリックで拡大)。
図10 広告費用はアドワーズと同様上限となる金額をビッドしていく方式だ
図10 広告費用はアドワーズと同様上限となる金額をビッドしていく方式だ(図はクリックで拡大)。

2つ目は広告主が自らのサイトにFacebookユーザーが利用できるアプリケーションを用意し、ユーザーが推薦したり、購入したりした商品を友達にFacebookのフィードを通して推薦できる「Facebook Beacon」。オークションサイトeBayが2008年初頭にこの仕組みを使ったサービスを実装すると発表されている。

3つ目は広告主に提供される匿名マーケティングデータ統計サービス「Facebook Insights」。このサービスは「Facebook Pages」または「Social Ads」の利用者に無料で提供される(図11)。

図11 Facebook Insightsを利用して管理するFacebook Pagesの統計を表示したところ
図11 Facebook Insightsを利用して管理するFacebook Pagesの統計を表示したところ(図はクリックで拡大)。

「Facebook Social Ads」の発表時にはコカコーラ、チェイス銀行、ソニーピクチャーズを初めとする12社の協力企業もあわせて発表されており、すでにFacebook Social Adsの仕組みを利用したいくつかの広告も配信されている。お気づきのとおり、こちらもGoogleのアドワーズ広告と直接バッティングしている。

発表時にはその斬新さからから注目を集めたFacebook Social Adsだが、その反面、個人情報を利用した広告システムへの反発も強かった。特にFacebook外のサイトも含めたユーザーの行動情報が共有されるFacebook Beaconに関しては強い非難が集まり、激しい議論が交わされた。結果として、サービス開始からさほど間をおかずに、Beacon広告プラットフォームの利用情報を共有できるのは、明示的に参加の意思表示したFacebookユーザーだけ(オプトイン)のように方針が変更された。

図12 個人情報を利用するFacebook Social Adsに、抵抗を示すユーザーも多い。写真はSocial Adsに反対するユーザーグループのページ
図12 個人情報を利用するFacebook Social Adsに、抵抗を示すユーザーも多い。写真はSocial Adsに反対するユーザーグループのページ(図はクリックで拡大)。

Facebook旋風は日本にも吹き荒れるのか?

もちろんウェブマスターにとっていちばん気になるのは、Facebookの日本での展開だろう。現在のところ日本人ユーザーの数は公開されていないが、11月26日現在プロフィールの居住地を日本で登録しているメンバーは11万5220人。結構な数字ではないだろうか?

とは言え、Facebook Adsを広告媒体として視野に入れるのは、一部のアーリーアダプターを対象にした広告以外では、まだまだ時期尚早かもしれない、なぜなら、この人数の多くは日本に住んでいる外国人(多くは米国人)であると予想されるからだ。逆に在日外国人へのリーチを望んでいるのであれば、現時点でもベストの選択だといえるだろう。

すべてのサイトに対して広告を打つことが可能なGoogleアドワーズ広告と異なり、Facebook Adsの対象はFacebookユーザーに限られる。この閉鎖性は膨大な会員数を持つ米国国内では利点になっても現在のところ日本では欠点にしかなりえない。また、日本最大規模のSNSであるmixiも「OpenSocial」への対応を表明している。結論としてFacebookの現時点での日本人向けの媒体価値は小さい。だが、ネット界の覇王Googleの牙城を崩すポテンシャルを持った数少ないサービスであることは間違いない。注目しておいて損はないだろう。

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