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なぜ著作権は登録しておかなければならないか?

このところ私は、著作権問題にちょっとばかりハマっている。耳について離れない歌のように、頭の中にこびりついているわ。みんなにはこんな経験ってある?

いえ、冗談を言ってるわけじゃないわ。前回私が国際著作権問題に関する記事を投稿したあと、皆さんから鋭い質問や疑問をいくつかいただいたの。中には大事な質問もあったわ。たとえば、訴訟費用を考えると、著作権で「弱い立場の人間」を効果的に保護できるのか、とか、提訴することでどのようなメリットがあるか、とかね。そこで今日は、こういった問題に触れていきたいと思う。

この記事に読むだけの価値があるかどうか、まだ迷っている? だったらちょっとおどかしてみようかな。

著作権を登録しているかしていないかで、弁護士費用1万5,000ドルを負担するか、それとも法的に損害が認められて賠償金15万ドルを手にするかが変わってくる可能性がある、ということを皆さんはご存じかしら? これは本当のことなの。もし、きちんと登録していなければ、たとえあなたが勝ったとしても、結局は損するかもしれないのよ。言い換えると、きちんと登録しておけば、自分の弁護士費用も相手に支払わせて、いくらかは自分のポケットにも入る可能性があるってこと。この記事は、時間を割いて読むだけの価値があると思うけどな。いかが?

それじゃ、大きく深呼吸して、好きなカフェイン飲料でも飲んで頭をスッキリさせたら、刺激的で一度ハマれば病みつきになる著作権登録の世界に入っていきましょうか。

まずは目次から。

  • どのようなものが著作権で保護できるか?
  • 商標権と著作権は何が違う?
  • オリジナルコンテンツであれば著作権は当然保護されているはず。それならなぜ、登録したりすべてのページに告知を掲載したりといった面倒なことをわざわざしなければならないのか? そんな時間があるなら、他にもすることがあるのに!
  • 「著作権の告知」とは正確には何か? 自分の著作権を登録することと同じことか?
  • 著作権の告知には、どのような内容を記載しなければならないか?
  • オンラインコンテンツの著作権はどのように登録すればいいか?
  • えっ?! オンラインコンテンツを「預託」しなくちゃいけないの?!
  • 著作権の登録には弁護士が必要?
  • 著作権を登録するのは、だれかを提訴したいと思ってからでいいか?
  • 私はどんなことがあっても、裁判なんて嫌な体験はしたくない。だから損害賠償なんかどうでもいい
  • 著作権についてもっと知りたい人へ

おっと、あやうく免責条項を書き忘れるところだったわ:筆者は、法律上の助言を提供することを意図するものではなく、また、そのような助言を提供することもできません。法律上の助言とは、個々の事例について弁護士が法律を適用することを指します。本記事においては、法律に関する情報を提供しています。著作権問題を抱えている読者は、正規の資格を有する弁護士を探すことをお薦めします(ふーっ。私だって自分の弁護士資格が大事だからね。ここでその資格を棒に振るなんて考えたくないわ)。

じゃあ始めましょ。

※Web担編注

この記事は主に米国での著作権に関するものであることに注意してください。

日本でも著作物を創作した時点で著作権が自動的に取得できる無方式主義となっているため、著作権を登録しなくても権利は得られる。しかし日本の著作権法でも、著作権に関する法律関係を公示したり、権利変動に関して取引の安全を確保するための登録制度が設けられており、たとえばペンネームで著作物を公表した場合に実名を登録する場合などに利用される。

また、「入選作品の著作権は主催者に帰属する」作品コンテストなどで、応募者が複数のコンテストに応募していると同じ作品の著作権者が複数存在することになる。そのため著作権法では、著作権譲渡の登録を先にしたほうが第三者に対抗できる制度を設けている。

ただし、こういった著作権登録は、米国での著作権登録のような、裁判において明確な立証効果があるわけではないことに注意してください。

どのようなものが著作権で保護できるか?

オンラインの著作物の場合、テキスト、グラフィックス、音声などのオリジナルのコンテンツに対して著作権を主張できる。これには、メール、ブログの投稿記事、そしてオリジナルコンテンツを集めたウェブページなどが含まれるわ。これが一般原則ね。

じゃ、次に例外についての話。著作権保護の例外となるのは、こんなもの。

  • 著作に関するアイデアや手続き、システム、方法は著作権保護の対象にならないの。したがって、これから書こうとしているブログ記事のアイデアや、燻製菓子のおいしい作り方などは、著作権で保護できないってこと。

  • 事実や、純粋に機械的かつ事務的な著作物は著作権保護の対象にならない。電話帳がいい例ね。

  • あまりにもありふれた著作物は著作権保護の対象にならない。ポピュラー音楽のタイトルや歌詞には、ありふれた言い回しが出てくることがよくあるでしょ。たとえば、歌詞に「I love you baby」っていうフレーズを書いたとしても、このフレーズが著作権で保護できるなんて期待しない方がいいわ。

  • パブリックドメインに帰する著作物は著作権保護の対象にならない。どんなものがパブリックドメインに帰するのかって? それについては、もっと詳しい記事を書く必要があるけれど、一般的に言って、非常に古くて著作権の保護期間が終了した著作物はパブリックドメインに帰すると考えていいわ。著作権の保護期間を決定する規則には、さまざまな種類があるの。だから、ここでは「ケースバイケース」と答えておくしかないんだけど、初めて公になったのが1923年以前の著作物であれば、間違いなく今ではパブリックドメインに帰しているわね。

  • 米国政府が刊行した著作物は著作権保護の対象にならない。だから、政府の報告書や法律などは、「米連邦政府」の発行物であることを明記することなくいくらでも引用できるの。おもしろいことに、そうはいかない国もあるのよ。たとえば、英国なんかがそうね。

  • いわゆる「公正使用(フェアユース)」についても、著作権保護の対象にならない。これは非常に重要なだけでなく、議論の的にもなっているし、変化し続けている概念なので、いつか別に記事を書かなくちゃね。ただ一般論として言うと、報道や教育を目的とした公正使用であれば、著作権で保護された他人の著作物でも使用できるってこと。米国では、他人の著作物をパロディに使用することも認められているわ(イェイ!)。

商標権と著作権は何が違う?

広告という流れで考えた場合、商標と著作権は特別な関係にあるから、この両者の区別については簡単に述べるにとどめておくわ。SEMでは両者を一緒に使うことが多いので、概念が混同されやすいの。

商標権と著作権は、どちらも有形の知的財産を保護する目的で定められた法制度なので、とってもよく似ているわ。

だけど、著作権と違って商標権は、知的財産の一形態である商標のみを保護するものなのよ。これに対して、著作権の保護対象はもっと広いの。だから、商標権の保護対象は、名前とか短い語句とかが多いわ。いい例がKleenex(クリネックス)ね。「クリネックス」は、商標法によって保護されている商標であって、著作権で保護された独創的な著作物じゃないのよ。

この記事では、著作権だけに話題を絞っているけれど、著作権関連の問題で訴えられた場合、おそらく商標に関する問題も絡んでくることは知っておいたほうがいいわよ。

オリジナルコンテンツであれば著作権は当然保護されているはず。それならなぜ、登録したりすべてのページに告知を掲載したりといった面倒なことをわざわざしなければならないのか? そんな時間があるなら、他にもすることがあるのに!

たしかに、著作権で保護されていることを告知しなくても、また登録してなくても、あなたのオリジナルコンテンツは著作権法で自動的に保護されているわ。この先も、私は同じことを言うつもりだし、ウェブ上のあちこちにもこのことは書かれているはずよ。その結果、著作権告知の一文を用意したり、著作権を登録したりという余計なことをする人はいなくなる。

実はこれが大きな問題なのよ。なぜかというと、米国の著作権法は告知と登録によって強制力を発揮できるものだから。もちろん、そんなものなくてもちゃんと保護されているのは間違いない。けれども、裁判の後に残るものが、あなたの主張を認めるという1枚の書類と弁護士からの請求書だけだとしたら、そんな保護が何の役に立つっていうの? そんな採算の合わないピュロスの勝利なんてビジネスのやり方じゃないわ。

本当に著作権法の恩恵を受けるためには、告知とコンテンツの登録をしておかなければならない。こういったことをきちんとしておけば、著作権所有者の弁護士費用は著作権侵害者が負担しなければならないとする法律の条文も活かせるし(イェイ!)、高額の費用がかかる専門家を雇ってこちらの被った損害額を証明しなくても、賠償金を受け取れるのよ。

自分に著作権があることを明示して、米著作権局にコンテンツを登録しておけば、著作権法を自分の味方につけられるわ。

「著作権の告知」とは正確には何か? 自分の著作権を登録するのと同じことか?

「著作権の告知」とは、自分のコンテンツが著作権で保護されていることを、著作権侵害を犯す可能性のある人物に知らせる短い声明文のこと。著作権の告知は、米著作権局への登録と同じことじゃないけど、比較的簡単なことだし、これで自分の利益が保護できるんだから、ぜひやっておくべきね。

コンテンツが著作権で保護されていることを明示しておけば、著作権が侵害されたときに、故意にやったことではないと言い逃れされずに済むわ。そのコンテンツがだれかさんの所有物であるとわかりやすく書いてあるのに、それが他人の所有物であることを「知らなかった」だなんて言い逃れが通用するかしら? そんなことできっこないわよね。故意ではなかったことを相手がきちんと証明できなければ、こっちにとっては、その著作権侵害が「故意」に行われたものであることを立証できるチャンスが増えるわけよ。そのことが証明できれば、この勝負もらったも同然! 賠償金を増額できる。

私からのアドバイス:もしあなたがかなりの面倒くさがりで、登録手続きは行わなかったとしても、「最低限」著作権の告知だけはしておくこと。

著作権の告知には、どのような内容を記載しなければならないか?

論文みたいに大げさなものにする必要はないけれど、次のことだけはきちんと伝えておくこと。

  1. そのコンテンツは著作権で保護されているという事実

    そりゃそうよね。その著作物が保護されていることはきちんと述べておかなきゃ(ここまで読み進めてきてよかったでしょ?)。

    これは、「この作品は所有物であり、著作権で保護されています」のように、きちんと言葉を費やして文章にしてもいい。もしくは、著作権保護物であることを示す©や(C)のマークだけでもいい(注:このマークは世界的に通用するから、英語がわからない人にも理解してもらえる)。

    私はというと、エレガントでシンプルな書き方が好き。「Copyright」ね。

    省略形はあんまりいい趣味だと思えないけど、法的な通知にはちょっと気取った書き方もするわよ。「Copr.」なんて(キザーッ!)。

    TKO勝ちを狙いたいなら、両方使うといいかな。「Copyright ©」

  2. コンテンツの所有者

    これは、本来の作者のことよ。もしあなたがプライベートな時間を使って個人で使用するために作成したものであれば、所有者はあなたってことになるわ。でも、それを仕事として作成したのであれば、所有者はあなたの雇用主よ。たとえば、今この記事を書いているのは私だけど、この記事の所有権はSEOmoz, Inc.に帰属するわ。だから、著作権の告知にはSarah BirdじゃなくてSEOmoz, Inc.の名を記載しておくの。

    もし、そのコンテンツの作成に複数の人間が関わっていたら、その関係者をすべてリストアップする。「Copyright 2007 by John Doe and Jane Doe」という具合。

  3. コンテンツが初めて公開されたのはいつか

    もちろん初公開の日付を書いておくのよ。とっても簡単なこと。たとえばこの記事だったら「November 29, 2007」と記せばいい。

    さて、たとえば私がこれを1年後に修正するとしましょうか。その場合は、改訂の日付と最初の投稿の日付を両方とも記載するの。「Copyright by SEOmoz, Inc. Originally published November 29, 2007. Revised on November 30, 2008.」というふうに。

    中にはかなりの凝り性で、日付をローマ数字で書く人もいる。これはしゃれた書き方だけど、私はそこまでやろうとは思わない。そんな柄じゃないもの。

オンラインコンテンツの著作権はどのように登録すればいいか?

米著作権局に自分のオンラインコンテンツの著作権を登録するの。何枚かの用紙に必要事項を記入して手数料を支払い、著作権局にすべての素材とコピーを送る。登録手続きは変更されることもあるので、その点についてはあまり詳細に述べたくないわ。米著作権局のウェブサイトに行けばすべて書いてあるから、そちらを参照してちょうだい。だからここでは一般的なことを以下に記しておくわね。

  1. 登録用紙を入手する

    ウェブサイトのコンテンツを登録する人がほとんどで、テキスト(グラフィックスや音楽ではなく)中心のコンテンツであると仮定すると、その場合にはおそらくForm TX(PDFファイル)を使うことになるでしょうね。これは基本的な記入式の用紙よ。作品名、そのコンテンツの説明、作者の氏名と国籍、判明している著作権請求者全員の身元、作品が改訂版か、派生物か、編集物かということ、などがわかっていればOK。

    さて、もう少し具体的なアドバイスを。この書類は、いつか法廷で使われるかもしれないということは頭に入れておいたほうがいいわ。ということはつまり、読みやすく、かつ正確に記入されていなければならないってこと。所有者の氏名については、法律上正しいものを書くように特に気をつけてね。ここでいい加減なことをしちゃだめ。また、所有者が企業の場合は生年月日の項目を記入する必要はなし。会社の創立年月日を書いちゃだめよ(用紙に文句をつけないで!)。また、これは非常に大切なものなので、送付した物はすべてコピーをとって保管しておいたほうがいいわね。それから、コンテンツの説明のところは、「ウェブサイト」だけじゃなくて、コンテンツの種類を書き記しておくこと。たとえばSEOmoz.orgだったら、「ウェブサイトとして公開されており、主にテキスト中心で、若干のグラフィックスを含む」という説明になるわ。

    と、ここまで書いてくると、尋ねたくなるんじゃないかな。「私が登録しようとしているのは正確には何? サイト全部? ページ? ブログ?」ってね。そう、やっぱり法律がテクノロジに追いついていないのよ。実際、著作権局はこの問題を明確にする方針さえ発表していないわ。けど、だれか局の人に電話して尋ねたら、あまりに膨大なサイズでないかぎり、まずはウェブサイト全体を登録しておくようにってアドバイスしてくれるはずよ。もちろん1ページずつ登録することもできるわ。たとえば、最初はウェブサイト全体を登録しなければならないでしょうけど、後からコンテンツを追加したら、その新しいコンテンツだけ登録することもできるの。ただし、すでに提出して認可済みのコンテンツについては再登録することができないから、小さな改訂については登録更新せずに、大幅な変更についてだけ更新するのがいいと思うわ。

    ブログっていうのも現行のシステムでは厄介な問題よね。他の逐次刊行物(雑誌、新聞、定期刊行物)に適用される著作権ポリシーにはうまくあてはまらないの。ブログでは、新しい記事を公開するたびに登録するというのはあまり現実的じゃない。とはいえ、新しい記事は登録しなければならない。1つのやり方としては、3か月ごとにウェブサイトやブログ上の新しいコンテンツをすべて登録するっていう方法があるわ。

    一度登録したコンテンツは再登録できない(とにかくすべきじゃない)ってこと覚えといてね。だから、新しいコンテンツだけ登録すればいいのよ。ただ1つだけ確かなのは、将来、この著作権登録のポリシーもかなり大幅な見直しが期待できるってこと。とにかく現行の方法は、今のメディアに対してまったく馴染まないもんね。今後状況が変わったらまた伝えるようにするわ。

  2. 登録料を支払う

    著作権の登録には著作権登録料というものが必要で、現在の料金は1作品につき45ドル。だから、まさかすべてのメールについて登録しようとは思わないだろうけど、価値の高いコンテンツについては登録しておかないとね。

  3. 作品のコピーと登録料、申請用紙を送付する

    作品のコピーは2部作成してね。これらは、著作権局に預託されるのよ。作品のコピーと登録料、申請用紙をまとめて、ここにある住所に送ること。

    申請書類一式はさまざまな人の手で乱暴に扱われるので、書類はすべてホチキスで留め、CDは頑丈なケースに入れて送ること。いつも驚かされるだけど、郵送中に「紛失」したり「破損」したりするものがどれだけあることか。

    オンラインコンテンツの登録についてもっと詳しく知りたい人は、情報の宝庫Circular 66へどうぞ。

えっ?! オンラインコンテンツを「預託」しなくちゃいけないの?!

はい、そのとおり。それが手続きの一部なの。

さらに悪いことに、米著作権局はまだ電子的な登録をいっさい認めていないのよ。噂では、CORRDS(著作権局電子登録、記録、預託システム)が開発中だという話だけれど、まだ運用はされていないわ。著作権局はベータテスターを探しているから、興味があればどうぞ。けれども、CORRDSが運用開始になるまでは、紙にプリントしたもの(いつの時代よ!)か、コンテンツを記録したCDを提出しなきゃならないのよ。これらの提出物は返却されないわ。もしかしたら、炭疽菌のチェックが行われているかも。

著作権の登録には弁護士が必要?

たぶん必要ないわ。手続きに割ける時間や、プロジェクトの性質にもよるけどね。すべてのコンテンツを自分で作成したウェブページなど、ごく標準的なものを登録しようとしているのなら、おそらく専門家のアドバイスは必要ないはず。でも、他人の作品を編集したり、すでに著作権で保護されているものに手を加えたりしたい場合には、弁護士と相談するのがいいと思うわ。

著作権を登録するのは、だれかを提訴したいと思ってからでいいか?

もちろん、著作権を侵害されてからでも登録はできるわよ。だけど、その場合は弁護士費用と損害賠償金の支払いに関する条項の恩恵は受けられないの。多くの人にとって、著作権侵害訴訟が金銭的な利益に結びつくのはこういった条項のおかげなんだから、必ず、絶対、是が非でも、登録は侵害行為が起こる前にやっとかなくちゃだめよ。

私はどんなことがあっても、裁判なんて嫌な体験はしたくない。だから損害賠償なんかどうでもいい

もし、人を提訴するつもりなどまったくないから著作権の登録なんて自分には無関係だと思ってるとしたら、もう一度考え直してみて。著作権を登録しておくことが大切なわけを説明する理論が2つあるの。たとえ、あなたが決して法廷に足を踏み入れることがないとしてもね。

なぜ登録が大切か①
抑止の理論

抑止の理論というのは、損害賠償金を支払うはめになるかもしれないことを知っていれば、潜在的著作権侵害者が他人の著作物を盗む可能性はそれだけ減るということ。それに、自分の知的財産を守ろうという攻撃的な態度を示している相手に、被告として立ち向かわなければならないかもしれないとなれば、これも強力な威嚇となって著作権侵害行為を思いとどまるってわけ。そう、そういう態度を見せるだけで著作権侵害行為を思いとどまらせることができるのよ!

私自身はといえば、この理論を頭っから信じているとは言い難い。なぜなら、この理論が前提としているのは、他人の著作権を侵害する人が著作権法の細かな点をよく理解しているということだから。故意に著作権侵害を犯す人たちは、自分たちが盗用しようとしている著作権物について、登録されているかどうかをまず調べるかしら? 現実として、ありうる話だとは思えない。大半(「すべて」じゃないわよ)の著作権侵害者は、①無知(つまり、法律についてよく知らない)なのか、②外国でスパムファームを運営していて、複雑な訴訟管轄権や法対立が自分たちを守ってくれると当てにしているのか、どっちかだと思うわ。

なぜ登録が大切か②
和解の理論。

和解の理論の方は、被告側にとって支払う代償が大きければ、訴訟を和解に持ち込める可能性がそれだけ高くなるということ。私はそうした実例を見てきたし、これはたしかに和解の一要素になっているわ。こういうことを知ってれば、より価値の高い素材については登録しておこうという気になるでしょ。

例を示しましょう。

たとえば、ティボル氏トが被告側だとしましょう。おそらく、彼は才能あるマキューシオ氏氏の著作をかなり大量に拝借して、自分のアイデアに取り込んだのね。それからティボルト氏は、その文章を自分のブログに投稿した。そして、マキューシオ氏氏が著作権侵害でティボルト氏を提訴する。

さて、マキューシオ氏が自分の著作権をまったく登録していなかった場合、ティボルト氏はあえて裁判で争う方を選ぶかもしれないわ。「公正使用」の原則に基づいて、裁判に勝てる見込みがかなり高いと考えられるからよ。

それに、自分の著作権侵害行為を証明できたとしても、マキューシオ氏が多額の賠償金支払いを裁判官に認めさせるのはきわめて困難になるだろうということも、ティボルト氏にはわかっている。結局のところ、マキューシオ氏はその著作権侵害で気分を害する以外に、どのような被害を受けたというの? マキューシオ氏は、どうすればその被害を立証可能な金銭的損害として裁判官に示せるのかしら? それは簡単なことじゃないわ。マキューシオ氏は弁護士から「これは裁判に持ち込むのに適したケースではなく、相手が和解に応じないのであれば、提訴を取り下げるべきだ」と言われるだろうと予想されるので、ティボルト氏としてはあえて訴訟で戦う危険を冒すというわけ。

じゃあその反対に、マキューシオ氏はSEOmozのブログを熱心に読んでいて、自分のコンテンツもタイミングよく登録していたらどうなるでしょう。

この場合、ティボルト氏は弁護士からこう告げられるはずよ。最終的にはマキューシオ氏の弁護士費用と何万ドルもの賠償金を支払わなければならなくなる可能性が高いので、あえて裁判で争う危険を冒す価値はないってね(もちろん、ティボルト氏は自分の弁護士費用も払わなければならない! 悪党くん、めでたく破産だ!)。マキューシオ氏の作品を使ったのは公正使用だったと裁判官に対して立証できる可能性がかなりあったとしても、想定し得る結果を考えれば、ティボルト氏が危険を冒すだけの価値はなく、マキューシオ氏に迷惑料としていくらかの和解金を支払うのが賢明だと判断するでしょう。

このように、こうした損害賠償金制度は、単に金銭面のリスクを増大させることで、裁判沙汰から人を遠ざけるのに役立つの。これはなかなか良いものだと読者各位に申し上げますわ。私は、ときに裁判の成り行きを楽しむことがあるんだけど、クライアントはそれどころじゃないみたい。たとえそれが、有利な裁判であったとしてもね。裁判は大変な精神的苦痛だし、多くの費用が弁護料として「浪費」される。これは正義なの? たぶん、違うと思う。けれども、すべての要因を考慮した上で、これが最善の方法かと訊かれれば、たぶんそうだと答えるしかないわ。

著作権についてもっと知りたい人へ

著作権についてもっと知りたくて、おもしろい漫画が好きなら、米国政府が作ったこの児童用教材を見てみるといいわ。自分の子供をくだらないオタク世界に向かわせるのには役立つかも。

◇◇◇

さてと、これで皆さんのうち何人かでも不安になって、行動を起こしてくれるよう祈るわ。すべての作品について著作権の告知をして、貴重なコンテンツをきちんと登録しておけば、将来、弁護士が喜ぶはず。

最後まで読んでくれてありがとう。著作権が世界中で最も魅力的な話題だとは思っていないけど、コミュニケーションを職業としている人にとっては、最も重要なものの1つかもしれないわ。

質問やコメントがあればどしどし書いてきてね。コミュニティからのフィードバックや意見が私は大好き。

それでは、ごきげんよう。サラ

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