企業ホームページ運営の心得
逆説のSEO構築術。Web担当者は神の視点で

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の伍十壱

今さら聞けないSEO

SEOとはインターネットの大海原の中からホームページを、ひいては商品を探してもらいやすくするための取り組みのことで、商売用ホームページに取り組むなら常識以前となっております……が、本当にできているのかというと疑問です。

SEOというキーワード先行の担当者はセミナーに参加し、解説書を鵜呑みにします。そして「1億稼げるキーワード」を探し、日本語としての意味が通じないほどに「キーワードを繰り返す」スパムすれすれのページを用意して、「そんな言葉は使わないだろう」と思わずつっこんでしまう「奇妙な言葉」で1位に表示されて喜ぶなど、その取り組みはとさまざまです。傍目からは滑稽に見えても本人は真剣ですし、私はチャレンジを笑いません。チャレンジャーは尊いのですから。

しかし、同じチャレンジなら結果につながる方がよいかと。そこで今回は「SEO」への取り組みかたの話です。解説書をみても「やりかた」がわからない人は必読です。

有料リンクに下された鉄槌

SEOでは「被リンク(どこからリンクを貼られているか)」も重要とされています。特にグーグル対策には有効とされており、ページランクの高い有力サイトからのリンクは「商品」になるほどです。外部SEOと呼ばれることもあります。ちなみにページランクとは11段階でグーグルが評価するもので、公的なものではなく「社内基準」という点でミシュランガイドの「星」と同じです。ページランクはあくまで指標の1つに過ぎませんが、ミシュランの星のようにグーグルも「ページランク」を公開しているので、外部SEOという「商品」の価値を代弁し、セールストークにも使われます。

これはグーグルとしてみれば大問題です。お金によって検索結果で有利になるということは「検索品質」を落とす危険がでてくるからです。そこでグーグルはこれらの外部SEO(リンク)を有料販売している一部の「リンク屋さん」のページランクを下げ始めました。

価値があるものを「商品化」することは商売人の創意工夫ですので「外部SEO」の批判はしませんが、SEOは適切な「キーワード」を見つけることに取り組むのが結局は近道ではないかと考えさせられたニュースです。

技術からのアプローチ

解説書(マニュアル)というのは「理解している人の視点」でかかれております。体系立てて「章」としてまとめるのも、説明不足による指摘やクレームがないようという売り手側の都合で、最初の一歩でつまずいている素人にとって、痒いところに手が届かないような仕上がりとなっております。

SEOの多くの入門書には「適切なキーワードを用意しましょう」とあります。ハッキリ言いましょう。これができたら苦労はしません。理解している人たちの傲慢です。

大人なら軽くまたげる30センチの段差が、伝い歩きをはじめたばかりの子供にとっては断崖絶壁となります。専門家が軽々と指導する「キーワードを最初に用意する」とは、キャッチボールをしたことしかない少年にバッティングの神髄を問うようなものです。

キーワードは大切ですが、そこから取り組むことに無理があるのです。

0から1にすること

専門家や解説書ではわかりやすい「キーワード」を掲げ、答えを知っている例題をあげて説明します。

「言っていることはわかった」と取り組むと「キーワード」の多さに戸惑い、しばらくして素人は奈落に突き落とされたことに気がつきます。仮定と仮想で組み立てられた議論が不毛に終わるように、不特定多数無限大にある「キーワード」から「正解」を選び出すのは訓練を積んだ「プロ」でもない限り困難です。

そこで私はキーワードで悩む前にコンテンツ作りを薦めます。

まずは一度作ってみる。そして、それをたたき台として、そこから「キーワード」を抽出させるのです。キーワードありきではなくコンテンツありきです。解説書とは正反対のプロセスとなりますが、コンテンツから頻繁に出てくる言葉、伝えたい内容、知ってもらいたいメッセージなどを拾っていくのです。

たたき台を作ることで「0から1」となります。これがSEOに挫折しない大切な一歩です。

キーワードでコンテンツをMBOする

「不妊で悩んでいたが子宝に恵まれた女性」の体験談にSEOを施すことがありました。

要約すると、小姑との対立からふさぎ込んでいたが、体質が改善されると些細なことが気にならなくなり子宝にも恵まれた、というものです。さて、と考えると盛りだくさんです。原文には旦那との不和や子育てへの不安も盛り込まれ、職場でのイジメまでありました。

そこで採用したのが「キーワードMBO」です。

MBO(Management Buyout)とは事業部門が独立して会社を興すときなどに使う手法ですが、「キーワードMBO」の場合は、たたき台から「キーワード」を抜き出して、それぞれをコンテンツとして独立させていきます。

小姑問題、不妊治療、夫婦不和、子育てとそれぞれの「体験談」のできあがりです。1人の体験談を1つにまとめなければならない法はなく、これは実戦の妙法です。

「キーワードMBO」は、キーワード1つにつき1つのコンテンツを作ることで、SEOが施しやすくなると同時に、コンテンツ数が増えることで検索結果に取り上げられる「分母」が増えて一石二鳥となります。

土塊から人を作り出すように

「キーワード」から考え始めると、あれもこれもと「候補」ばかりが浮かんでは消えてと収拾がつかなくなりますし、逆にキーワードを詰め込んで変なコンテンツになってしまってSEO効果を下げることがあります。

あえて言いましょう。「下手な考え休むに似たる」で、経験が乏しいのなら「まずは作ってみる」ことです。

まず、たたき台を作り、キーワードを拾い上げ、それぞれを作り上げる。この作業は土塊から人を作り出した神話のような作業です。そして創世記が終わる頃には、SEOの専門家や解説書のいっている意味が理解できるようになるでしょう。自動車教習所でいうところ「仮免」といったところです。

1億儲かるキーワードを探すのはそれからでも遅くありません、急がば回れというように。キーワード選びもちょっとした考え方で楽にできるのですがこれはまた別の機会に。

♪今回のポイント

努力の基本は急がば回れ。

キーワードからの取り組みは仮免を取ってから。

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