企業ホームページ運営の心得
ドコモ2.0が教えてくれる2つのこと

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の弐十五

さて、そろそろ反撃してもいいですか?

新聞を開けば人民帽のシンボルマークに「ドコモ2.0」という文字が。テレビをつければ「さて、」から始まるティザー(予告)CMがヘビーローテションで繰り返され、万年2位だった頃の「au by KDDI」を彷彿とさせます。

MNP(番号ポータビリティ制度)で「1人負け」のドコモが「Web2.0にちなんだ」とやらの大反撃キャンペーンが「ドコモ2.0」だそうです。

大人の世界は出稿量というリアルな事情に左右されるので、CM批評には提灯記事が溢れかえり、アドセンスによる小銭狙いのブログも広告をクリックしたくなるようなエントリーが踊ります。

大量広告に豪華キャスト。Web 2.0との関連を見いだすのが大変です。

とはいえ「ドコモ2.0」は、商売の視点からウェブ担当者に2つのことを教えてくれます。

ドコモ2.0が教えてくれること其の壱
「ネット界のブームから1年後が旨い」

ドコモ2.0と見て笑いませんでしたか? セカンドライフならともかく今更「2.0」です。

拙著「Web2.0が殺すもの」の企画は1年前に始まりました。編集者と別の企画で打ち合わせしていたとき「ところでWeb2.0ってどう思いますか」と尋ねられ、「キャッチコピーです」と即答。「確かに1つ1つのサービスや潮流はありますが、まとめて“2.0”は強引すぎ。まぁあんまり無責任に煽らないで欲しいです」といったところ「それ、広げてみませんか」と話が進みました。

編集会議を通して正式にゴーサインが出たのが7月中旬。この言葉は2005年には出回っていたので「旬を逃しませんかね」と尋ねると、「ですから1日も早くだしたい」と出版予定が9月。入稿は8月中旬。中学生以来の夏休みの宿題となりました。

ギャップに商売の旨味がある

1年前で「遅いかも」と感じた「2.0」が堂々と使われています。

大企業となると1つのプロジェクトが動くのに気が遠くなるような「会議」や「根回し」を経なければなりません。

感度の高い社員が最先端の提案しても、会議のための会議が繰り返され、疲労と徒労を行き来きした末にゴーサインがでなかったりします。

現在、ネット界のブームがリアル社会で認知されるのはおおよそ1年後です。ネットサービスなら致命的な遅さですが、おじさん達が判子を押していくとそれぐらいの時間が掛かります。ちょっとした「企画」でも16人分の判子が必要という大企業も実在し、ネットで成功しない致命的な理由です。

一方、タイムラグはビジネスチャンスです。

セカンドライフでビジネスするのはまだ間にあう?

眞鍋かをりさんを委員長に「ブログ普及委員会」が発足されたのが2005年12月です。ネットで面白がられるピークはとっくに過ぎており、「新しい物好き」はmixiなどのSNSに流れていましたが、非IT企業が「ブログ」に注目しだした頃、ムーバブルタイプを設定するだけで荒稼ぎし、テンプレートで濡れ手に粟ということがありました。SEOではすでに陳腐になった手法をネタに「セミナー」で稼いでいるセミナー講師は現存します。

セカンドライフの日本での広まりには私は疑念を抱いていますが、しかし、本当にブレイクしてからでもチャンスは十分にあるのです。「ドコモ2.0」のようは多少間抜け感があり、先行者に笑われたとしても、リアル社会には知らない人の方が圧倒的に多いのですから気にすることはありません。商売は早い者ではなく、稼いだもの勝ちです。

ドコモ2.0が教えてくれること其の弐「取捨選択の大切さ
豪華ならよいわけではい」

浅野忠信、長瀬智也、妻夫木聡、瑛太、吹石一恵、土屋アンナ、蒼井優、北川景子。

関東のドコモCMは「豪華なラインナップ」が定番で「1.0」の頃から変わっていません。

鳴り物入りで始めた「織田裕二、鈴木京香」に、2002年からの田村正和、鈴木京香、加藤あい、坂口憲二を擁した「ケータイ家族物語」。割愛していますが、どちらにも贅沢に有名俳優が起用されましたが、残るのは常に1人でした。

織田版は、ポケベル担当の新人、広末涼子さんが主役に躍りでました。冷遇された織田さんが「やっぱIDO(現au)でしょ」と移籍したのは広告界を激震させたのですが、以前、au側だった浅野忠信さん、妻夫木聡さんの移籍が「反撃」なのかと邪推してしまいます。

豪華ラインナップという罠

ケータイ家族物語では、ドコモダケとの競争を制した加藤あいさんです。まるで壮大なオーディションです。

だったら最初から取捨選択すれば良いのですが、「豪華ラインナップ」は社内事情でうっかりやってしまうことがあります。

各部担当がこれもこれもと、目立つページに全商品や全サービスを掲載しろと要求が増え、結果「豪華ラインナップ」となってしまうのです。

田舎の県道のネオン看板は目立ちますが、東京の大繁華街、新宿歌舞伎町のネオンは風景にとけ込んでしまいます。スターだらけは眩しすぎ、商品だらけのホームページの商品はまるで目立ちません。

豪華さと引き替えに失うものがある

もちろん、下位フォルダや別ページなどで商品をそれぞれ紹介するのは問題ありません。ただ、総花的に作られたホームページやCMは、「見た目の豪華さ」と引き替えに商品訴求が散漫となり広告効果が下がります。

ドコモ2.0のCMが何の商品、サービスを宣伝しているか覚えていますか? 5月30日現在、アンナをアナコンダと間違える強引さが鼻につき、蒼井優さんがワニを飼っていることしか記憶にありません。私はドコモ新サービスをCMではなくニュースで知ります。

もしかしたら、企業イメージ向上の為の「豪華キャスト」かも知れません。しかし、「反撃」に投じた莫大な広告費は、割高と定評のある料金からで、それが顧客離れの一翼を担っているとすると……本末転倒2.0です。

♪今回のポイント

ネットで大ブレイクしてから1年が旨味。

詰め込みすぎの効果は散漫。ゴージャスもやり過ぎると裏目に。

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