企画書を光らせる珠玉のキーワード

なぜうちのサイトはまだRSSフィードに対応していないんですか?

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なぜうちのサイトはまだRSSフィードに対応していないんですか?

荒木 稔

ネット業界で毎日のように登場する新語には、重要なトレンドを生み出すものや、単なるから騒ぎで消えていくものがある。
ここでは、一歩先行くウェブ担当者ならぜひとも覚えておきたい注目のキーワードを紹介しよう。

用語【RSS】

ウェブサイトの更新情報を効率的に配信するためのXMLベースの文書フォーマット。各ページの「タイトル」「見出し」「要約」「更新時刻」などの情報とともに、該当のページへのリンクが含まれている。対応したウェブサイトでは、このデータが自動的に作られる。これを専用のツール(RSSリーダー)で読み込むことで、ユーザー(読者)は、効率的にウェブサイトの更新情報を取得できる。同意語として「フィード」「RSSフィード」と呼ばれることもある。

最近のインターネットユーザーは、ネットに存在する情報量が増えてきたことで、以前のように気になるサイトをすべて巡回してチェックすることが大変になってきた。また、スパムメールの影響もあり、メールによる情報取得も効率的とはいえなくなっている。

RSSは、そのような時代が望んだ技術だ。ユーザーが能動的に取得できる情報でありながら、企業(情報発信者)が、最新情報を継続して伝えることができる仕組みだ。表現するなら「ゆるいプッシュ型」を実現している。この“ゆるい”というのが何より重要である。現在、こういった仕組みで情報を取得するユーザーが増えつつある。

情報発信/受信の標準になりつつあるRSSフィード

情報発信者が発信しているRSSをユーザーが見るための仕組みが「RSSリーダー」である(図1)。

図1 RSSリーダー。ウェブ型、クライアントソフト型、ティッカー型に大別される(画像はクライアント型のgoo RSSリーダー)。ケータイ向けのRSSリーダーも登場してきた。
図1 RSSリーダー。ウェブ型、クライアントソフト型、ティッカー型に大別される(画像はクライアント型のgoo RSSリーダー)。ケータイ向けのRSSリーダーも登場してきた。

RSSリーダーの種類は、ウェブのページ上で確認する「ウェブ型」、ローカルマシンにRSS対応アプリケーションをインストールして利用する「クライアント型」、同じくローカルマシンのデスクトップやタスクバーなどに常駐し、最新情報をテロップのように表示する「ティッカー型」の3タイプに分けられる。

「ウェブ型」はサイト側に設定が保存されているので、環境に依存せず利用できる点がすぐれている。「クライアント型」は他の種類に比べて、高機能で使いやすくなっているものが多い。「ティッカー型」はすばやく気楽に最新情報を得たいときに有効なリーダーと言えるだろう。ユーザーはRSSを活用したい範囲や、取得する情報の鮮度に応じてRSSリーダーのタイプを自由に選択している。RSSリーダーごとに表示の仕方や操作方法に違いはあるが、元となるRSS自体は同じなので、基本的に取得できる情報に差異はない。メールの送受信という機能は同じでも、使うメールソフト(Outlook、Becky!、Gmailなど)はユーザーごとに異なるのをイメージするとわかり易いだろう。

図2 標準でRSSリーダー機能が搭載されたIE 7。ウィンドウズビスタにも標準搭載されるので、今後のRSS普及に弾みがつくと見られている(画像はWeb担当者ForumのRSSを表示したもの)。
図2 標準でRSSリーダー機能が搭載されたIE 7。ウィンドウズビスタにも標準搭載されるので、今後のRSS普及に弾みがつくと見られている(画像はWeb担当者ForumのRSSを表示したもの)。

なお、ウェブブラウザーにおいて圧倒的なシェアを持っているInternet Explorer(IE)の最新版IE 7では、ついにRSSリーダー機能が標準搭載になった(図2)。Outlook 2007にもRSSリーダー機能が搭載されている。このようにウィンドウズ環境の標準機能となることで、RSSのリーチが今まで以上に一般層まで広がることは確実である。ウェブにおけるRSSの重要性は、ますます大きな割合を占めてくることになる。

またRSSを利用する方法は、単にRSSリーダーで読むだけではない。RSSを「コンテンツ」のような形で利用するツールも登場し始めている。自分の好みにウェブページをカスタマイズできる「パーソナライズドホームページ」のサービスもその1つだ。「My Yahoo!」や「Googleパーソナライズドホーム」は、RSSを取り込んでページのコンテンツとして表示できる。自分が選んだ興味のあるコンテンツ(=RSS)だけを集めるのは、まるで自分専用のニュースサイトを持つような感覚だ。

さらに、ブログやサイトに貼る「ウェブパーツ」(ブログパーツと呼ばれることもある)としてもRSSが活用されている。RSSの発信元としては、さまざまなサイトのコンテンツとして利用されることで、そのサイトを見た多数の人にも情報の接触機会が開かれることになる。こういった形で発信するRSSを取り上げられるには、サイト来訪者にとって便利な情報、コンテンツとして表示しやすいRSSを配信することが鍵となる。

単純なサイトとは異なる「チャンネル」が生まれる

では、RSSを導入することで企業にはどんなメリットが生まれるだろうか。

まず、ユーザーに対してRSSという新しい「入り口」を作ることで、情報を伝えるチャンネルを増やすことができる。ウェブサイト経由で閲覧するユーザーとは異なる層との接触機会が増えることがある。

次に、RSSの利点として運用コストの低さが挙げられる。RSSも、サイトを対応させれば記事を書くたびに自動で更新される。Web担当者が特別な作業をする必要がないため、配信にかかるコストは他のアプローチに比べても低い。マーケティングブログなどを導入すると、すぐに実施できる手軽さがある。

さらに、RSSは基本的にテキストデータ(画像を配置したり、音楽ファイルとのリンクを盛り込むことでもできるが)であるため、PCユーザーだけでなく、ケータイでも気軽に利用できる。各ユーザー環境に合わせて、特別用意する必要がなく、各環境との親和性が高いのもメリットだ。

このように、手軽に導入できて運用コストも低いということは、情報発信者にとって非常に魅力的ではあるが、うまく利用しないと効果が出ないという面もある。効果的にRSSを利用するためのポイントを以下に示す。手軽に配信できるからこそ、その企業の個性を打ち出せる使い方をすることが、何よりRSSを活用するコツだと言える。

  • ユーザーが欲しい情報を明確化する
    まず先に述べたようなユーザーが欲しい情報は何なのかを明確化する必要がある。これを明確化していないと、そもそもRSS自体を登録してもらえない。

  • シンプルかつ効果的なタイトルを付ける
    RSSを見てユーザーの目に留まるかどうかは、タイトルが非常に重要なウェイトを占める。より少ない情報で、効果的な情報を出すことが重要となる。RSSの効果測定には「FeedBurner」など専用の効果測定ツールを使うとよい。

  • 次につなげるサイト構成にしておく
    RSSから訪れるユーザーは多くの場合、単体ページを読むだけで終わってしまう。その後の行動につながるようなコンテンツを用意することが非常に重要だ。

配信だけでは終わらないRSSの活用方法と応用

コンテンツシンジケーションとしての面も見逃せない。いまや企業のウェブサイトは掲載する情報量が増える一方で、ユーザーは自分の関心がある情報を見つけにくくなってきている。より効果的なウェブページを形成するために、サイト構造の再整理などを行っていく必要があるが、サイトのリニューアルにはコストもかかるため簡単にはいかない。

こういったケースでは、ウェブサイト内の情報をRSSとしてグルーピングし、各ページや新しいカテゴリーページに配置することで構造を整理することが1つの解決策となる。また、複数のウェブサイトを持つ企業においても、それぞれのウェブサイトの枠を越えたコンテンツの連携ができる。RSSは、その使い方次第でとても大きな効果をもたらしてくれるのだ。

メディアプラットフォーム
そして広告媒体としても期待

RSSの内容は当初、ウェブサイトの更新通知とコンテンツの概要が中心だった。むしろ、概要だけにとどめておくことで、サイトの更新と概要を知ったユーザーがウェブサイトへ還流してアクセス数を向上させるのがねらいだった。

しかし最近では、ページの内容をすべて含ませた「全文RSS」を配信するサイトも数多くある。読者としても全文があったほうが便利だろう。実際、概要だけのRSSよりも全文を含むRSSのほうが人気が高いという調査結果もある。

「ウェブサイトへの集客効果が薄まるのでは?」と考える人がいるかもしれない。しかし、新しい情報を確実に告知するのが目的であれば、購読のされやすさを優先するほうが良い結果をもたらす。

図3 FeedBurnerでは、RSS広告配信以外にも統計分析などの機能も提供する。購読者の数や閲覧数の推移、RSSリーダーの種類、広告効果などの統計が表示される。
図3 FeedBurnerでは、RSS広告配信以外にも統計分析などの機能も提供する。購読者の数や閲覧数の推移、RSSリーダーの種類、広告効果などの統計が表示される。

RSS向けの広告も登場している。FeedBurner(GMOアドネットワークス)やRSS広告社Pheedoなどでは、RSSの中に広告を織り交ぜて提供する仕組みを用意しており、新しい広告媒体としても注目されている(図3)。


※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウ vol.4』 掲載の記事です。

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