[コラム]橋本大也の“帰ってきた”アクセス向上委員会

橋本大也の“帰ってきた”アクセス向上委員会 #002 ~サイトの信頼性を高めるには?

橋本大也の“帰ってきた”アクセス向上委員会 #002

毎回、視点を変えてアクセス向上を考えるコラム、今回のキーワードはサイトの信頼性を高めるには? 信頼を得るのは時間がかかるが、失うのは一瞬である。

橋本大也

米国スタンフォード大学の「説得技術研究所」という奇妙な名前のグループが、信頼性のあるウェブサイトとは何か、説得力のあるコンテンツとは何か、を研究している。延べ6500人以上の被験者を動員した数年間の研究成果として、彼らはPI(Prominence-Interpretation)という理論を構築した。この理論では、ユーザーはウェブページを読んで、それが重要で信頼できる、と考えるまでに次の2つのプロセスを踏むと仮定している。

  1. ユーザーは目立つものを見つける(突出度による評価度)
  2. ユーザーはそれを解釈する(解釈による評価度)

そして得られた2つの度合いを掛け算した結果、信頼性の大きさが決まるというのが、このPI理論である。それぞれの主な要素は以下のようになる。

  • 突出度の主な要素
    1. ユーザーの熱意と能力(Involvement)
    2. ウェブサイトのトピック(Topic)
    3. ユーザーの目的とする作業(Task)
    4. ユーザーの背景知識や経験(Experience)
    5. ユーザー個別の事情(Individual differences)
  • 解釈の主な要素
    1. ユーザーの推量、思い込み(Assumptions)
    2. ユーザーのスキルと知識(Skill/Knowledge)
    3. ユーザーの置かれた状況(Context)

たとえば、熱意と能力あるユーザーは同じサイトを見ても、より多くの情報を見つけていく。ユーザーにとって、それが今探しているトピックであるかどうか、目的とする作業に必要かどうか、背景知識があるかどうかも、サイトの突出度の印象を左右する。

解釈の方では、たとえばページに聖書の引用があるとき、信者はそれを信頼性のあるものと考えるが、逆に否定的に捉える人もいる。または切れたリンクがあった場合、ある種のユーザーはこのサイトはきちんとメインテナンスされていない信頼できないサイトという烙印を押す。

研究グループはさらに具体的に、ウェブサイトのどのような特徴がサイトの信頼性にどの程度の影響を及ぼすかをアンケート調査結果から統計解析して、50項目超の重みつきチェックリストを作成した。信頼されるサイトの上位5つの要素はこんな項目だ。

  1. 以前に利用して有益だとわかっていた
  2. 運営組織は広くリスペクトされている
  3. 顧客の質問に迅速に答えてくれる
  4. 実世界の物理的住所を表示している
  5. 以前の訪問から更新されている

ウェブマスターにできることは、問い合わせには迅速に答えること、リアルな組織のデータを示すこと、更新を怠らないことである。逆に、信頼性を落とすワースト5は次のようになっていた(4位と5位は同率)。

  • 1位 広告とコンテンツを区別できない
  • 2位 新しいコンテンツがほとんど追加されない
  • 3位 自動的にポップアップ広告が表示される
  • 4位 信頼できないサイトへリンクしている
  • 4位 機能しないリンクがある
  • 4位 ナビゲーションが悪い
  • 5位 タイプミスがある
  • 5位 サイトにアクセスできないときがある

対策としては、広告と紛らわしいコンテンツの排除と頻繁な更新が上位だが、同じくらいにリンク切れやリンク先のチェック、タイプミスといったケアレスミスをなくすことの大切さがわかる。これが当たり前のようで難しい。

ネブラスカ大学リンカーン校の研究者による「リンク切れ」の研究では、科学教育関連のサイトのリンク515件を長期にわたり監視した。リンク切れは時間に比例して多くなる。70か月の追跡調査では、63%ものリンクが切れていた。

私の会社は検索エンジンを開発している。ページ収集ロボットのログを見ると、日本の大企業でも、リンクのメインテナンスを忘れているページがよく見つかる。リンク切れやタイプミスは、1つ見つかるとサイト全体が「保守できていない」サイトだというイメージをもたれてしまう。

こうした結果を眺めていると、信頼されるサイトづくりには、技術力ではなくウェブマスターの誠意と熱意がポイントなのだと思えてくる。

※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウvol.2』 掲載の記事です。

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